MENU CLOSE

お金と仕事

新型アルファード/ヴェルファイア発表 トヨタが語る怖い顔の理由

トヨタ自動車は26日、高級ミニバンのアルファードとヴェルファイアをフルモデルチェンジした。目立ったのが、そのいかつくて怖い顔。その理由は、ミニバンのユーザー層の好みを踏まえた、独特な高級感の演出だった。

「大胆かつアクのある華やかさ」を売りにする、新型トヨタ・アルファード
「大胆かつアクのある華やかさ」を売りにする、新型トヨタ・アルファード

 トヨタ自動車は26日、高級ミニバンのアルファードとヴェルファイアをフルモデルチェンジした。両車はトヨタのミニバンラインナップの最上級車種。高級感ある乗り味や先進装備にも増して目立ったのが、そのいかつくて怖い顔。その理由は、ミニバンのユーザー層の好みを踏まえた、独特な高級感の演出だった。

【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」
高級セダン顔負けの豪華なインパネ周り=国島貴志撮影
高級セダン顔負けの豪華なインパネ周り=国島貴志撮影

自動ハンドルで縦列駐車

 クラウンなどの高級セダンも社内ライバルと位置づけ、キャッチコピーは「大空間高級サルーン」。703万円という最高価格は、高級車ブランドのレクサスにも匹敵する。6年8カ月ぶりとなる満を持してのモデルチェンジで、フロアの低床化による広い室内や、新開発のサスペンションによるしなやかな乗り心地など、ミニバンとしての基本性能に磨きをかけた。また、自動ハンドル操作による縦列駐車アシスト機能など、大型ボディが苦手な女性ドライバーにも配慮したという。

【動画】トヨタの最高級ミニバンがフルモデルチェンジ。駐車時の自動ハンドルのデモも=佐藤正人撮影

「豪華・勇壮」「大胆・不敵」テーマの怖い顔

 しかし今回、最もトヨタがアピールポイントとして強調するのが、よりいかつくて迫力を増した外観。アルファードは「豪華・勇壮」、ヴェルファイアは「大胆・不敵」をテーマにしたというフロントマスクは、メッキを多用した面積の大きい、押し出しの強い派手なデザインだ。後ろから追走されたら思わず道を譲ったり、信号待ちで停車する前を横切るのをためらったりしかねない、正直言って怖い顔つきだ。

新型ヴェルファイア=国島貴志撮影
新型ヴェルファイア=国島貴志撮影

「マイルドヤンキー」の好みに合わせた

 トヨタ車に限らず、「ミニバンの顔が怖い」という声は、自動車ジャーナリストや消費者の間で聞くことが多い。
 ミニバンの主な想定オーナーは、地方で親と同居しながら子育てする世帯。こういった消費者像は、博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平氏が著書「ヤンキー経済」(幻冬舎新書)で定義した「マイルドヤンキー」と重なる。
 地元の友人と過ごす時間が長く、部屋感覚で空間が共有できるミニバンを好む。車内のBGMは彼らのファッションリーダーでもあるEXILEが定番だ。
 トヨタの吉田守孝専務役員は「いかつい顔や堂々とした顔を、お客さんが昔から求める。お客さんのニーズに合わせている」と、デザインの狙いを打ち明ける。さらに、中国本土や香港、インドネシアなどの輸出先でも同じく迫力ある顔が好まれるといい、東アジア圏に特有の特徴だという。

気分によって全16色に切り替えられる、天井のLED照明。車内を部屋感覚で楽しめる
気分によって全16色に切り替えられる、天井のLED照明。車内を部屋感覚で楽しめる 出典: トヨタ
14年10月に発売された、トヨタの量販ミニバン「エスクァイア」。車格に不釣り合いな?立派すぎる顔つきが話題を呼んだ
14年10月に発売された、トヨタの量販ミニバン「エスクァイア」。車格に不釣り合いな?立派すぎる顔つきが話題を呼んだ 出典: 朝日新聞

「中身も高級な人にならないと」

 しかし一方で、アルファードのCMは、「世界を舞台に活躍するニューリーダー」である本木雅弘さんと北川景子さんが、中東・ドバイの街を駆ける設定。「高級車がちゃんと走ってない国って心配です」「中身も高級な人にならないと」という、挑発的なコピーが踊る。
 トヨタは今回、マイルドヤンキーの好みにも配慮しつつ、企業幹部や政治家などVIPが後席に乗る用途も視野に、販売に力を入れるという。

足を伸ばしてくつろげるよう、助手席が後ろに大きくスライドする=国島貴志撮影
足を伸ばしてくつろげるよう、助手席が後ろに大きくスライドする=国島貴志撮影

この記事への反応






関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます