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中田考氏、どんな人? 灘高から東大、敬虔な信者 仲介役を申し出

 「イスラム国」が日本人2人を人質にとり、身代金を要求している事件で、中田考氏が日本政府に仲介役を申し出ました。敬虔なイスラム信者でもある中田氏とはどんな人なのでしょうか?

日本外国特派員協会での会見に臨むイスラム法学者の中田考氏=2015年1月22日
日本外国特派員協会での会見に臨むイスラム法学者の中田考氏=2015年1月22日 出典: 朝日新聞

目次

 「イスラム国」が日本人2人を人質にとり、身代金を要求している事件で、中田考氏が日本政府に仲介役を申し出ました。中田氏は、昨年10月、日本の大学生が「イスラム国」に参加しようとした事件で家宅捜索されたことも。敬虔なイスラム信者でもある中田氏とはどんな人なのでしょうか?

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灘高から東大、専門はイスラム法

 中田さんは灘高から東京大学に入学。文学部イスラム学科を卒業しました。専門はイスラム法です。2011年まで同志社大学の教授でした。今は、都内で会社経営に携わりながら、自由な立場でイスラム研究や情報発信をしています。

中田考氏
中田考氏
中田さんは灘高を経て、東京大学文学部イスラム学科を卒業。イスラム法が専門だ。2011年に同志社を辞め、都内で会社経営に携わりながら、自由な立場でイスラム研究や情報発信を行ってきた。9・11テロのあとは著書『ビンラディンの論理』(小学館)が話題を呼んだ。
2014年10月27日:広告塔はイケメン戦士 渦中の学者が語るイスラム国と若者:アエラ

アラビア語に堪能、敬虔なイスラム信者

 中田さんはアラビア語に堪能で、ハサンというイスラム名を持つ敬虔なイスラム信者でもあります。イスラムの世界に知り合いが多いことから、日本の若者の留学先の紹介をしていました。

 また、中田さんは、イスラム思想の分野では国内屈指の研究者とされています。世俗的イスラム国家を否定し、預言者ムハンマドの代理人とされる「カリフ」の復活を主張しています。ただし、カリフ制を掲げるイスラム国を評価しつつも、乱暴な裁判や残虐行為には否定的な考えを示しています。

人質になった後藤健二氏(左)と湯川遥菜氏
人質になった後藤健二氏(左)と湯川遥菜氏 出典: 「イスラム国」が公開した動画

9月には「現地入り」

 中田さんは、人質になっている湯川さんの裁判に協力するため昨年9月、「イスラム国」に入ったことを明かしています。5回目の訪問だったそうです。そのときは、書類に日本人ハサン(中田氏のムスリム名)と書くだけで旅券も確認されず、携帯電話も制限されなかったそうです。中田さんは「イスラム教徒の来訪は拒まず、入国が認められた人ならば安全に支配地域に入り、安全が保証されている印象です」と振り返っています。

シリアの「イスラム国」支配地域に9月初めに入りました。スパイ容疑で拘束された日本人男性の裁判での通訳を、「イスラム国」側から頼まれたためで、5回目の訪問でした。支配地域の「移民管理局」では、書類に、日本人ハサン(中田氏のムスリム名)と書くだけ。旅券も確認されず、携帯電話使用も制限されませんでした。イスラム教徒の来訪は拒まず、入国が認められた人ならば安全に支配地域に入り、安全が保証されている印象です。
(耕論)「イスラム国」を考える 保坂修司さん、ポール・ロジャーズさん、中田考さん:朝日新聞デジタル

アラビア語でメッセージ

 22日にあった記者会見では、「正しい相手と正しい交渉をするためにはパイプ役が必要だ」と述べ、政府から要請があれば自ら仲介する考えを表明しました。また、「イスラム国」に対しては「72時間は短すぎる。交渉のため、もう少し待って欲しい」とするメッセージをアラビア語で読み上げました。

【動画】公の場で日本政府に訴える中田考氏。「パイプ役が必要だ」 出典: 「要請あれば仲介の用意」 渡航歴あるイスラム法学者:朝日新聞デジタル
中田氏は日本政府に対しては、身代金として要求されている2億ドル(約236億円)の相当額をイラクやシリアの「イスラム国」支配地域で暮らす難民に提供することを提案。「トルコや赤十字を通じて、医薬品などの支援物資として提供する。テロに屈して身代金を払うということにはならない」と述べた。また、「正しい相手と正しい交渉をするためにはパイプ役が必要だ」と述べ、政府から要請があれば自ら仲介する考えを語った。
「要請あれば仲介の用意」 渡航歴あるイスラム法学者:朝日新聞デジタル

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