ネットの話題
麒麟の絵に「キ」「リ」「ン」の隠し文字が 模造品防止か、遊び心か
キリンホールディングスの担当者に聞きました
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キリンホールディングスの担当者に聞きました
キリングループの商品ラベルなどでよく見かける「聖獣麒麟」。先日、この絵の中に「キ」「リ」「ン」の隠し文字があることがSNS上で話題になりました。キリンホールディングスの担当者に話を聞きました。
麒麟は、孔子の「春秋」などに登場する伝説上の生き物。
「身体は鹿で、牛の尾を持ち一本の角がある」
「地に足を下ろさず、虫を踏まず、草を折らない」
「平和の象徴」
上記のように言い伝えられ、日本国内の神社・仏閣の彫刻や装飾にも用いられています。
そんな麒麟が社名の由来となっているキリン。
きっかけは、キリンビールの前身である「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」が1888年(明治21年)に発売した「キリンビール」でした。
当時、西洋から輸入されてくるビールのラベルは、狼や猫などの動物を描いたものが多かったとのこと。
そこで「三菱の大番頭」と呼ばれていた荘田平五郎がこう提案したそうです。
「東洋には麒麟という霊獣がいるのだから、それを商標にしよう」
現在ではビール以外も広く手がけているキリングループ。
ワインのメルシャンや小岩井乳業、医薬品原料などを手がける協和発酵バイオなどもグループ会社です。
キリングループは2019年に、聖獣麒麟をキリングループのシンボルとして再定義し、新CI(コーポレートアイデンティティ)を策定。
以降、ビールに限らず「キリンレモン」や「iMUSE」など清涼飲料でも積極的に聖獣麒麟を使用しています。
そんな聖獣麒麟のイラストをよく見ると、こめかみのあたりに「キ」、たてがみの中に「リ」、尻尾の中に「ン」が隠れていることがわかります。
先日、SNS上で紹介されると「遊び心が素敵」「ビール業界で1番有名な雑学」といったコメントが寄せられ、話題になりました。
「聖獣麒麟の隠し文字に注目をいただき、大変うれしく思っております」
そう話すのは、キリンホールディングスのマーケティング戦略部主務・岸川真さんです。
この隠し文字、1933年(昭和8年)のラベルにはすでに描かれていたとのこと。
「模造品を防止するために描かれた」「デザイナーの遊び心」
そんな諸説があるそうですが、明確な理由は分かっていないそうです。
話題になったことについて、岸川さんはこう話します。
「聖獣麒麟は慶事の前触れとして姿を現すと言われています。キリンのシンボルとして、これからもたくさんの喜びと幸せをみなさまへ運んでいくことを願っています」
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