ネットの話題
こんなかわいい動物が飛び出す? 軽井沢にレアな〝横断注意〟の看板
「ムササビ横断注意」――。かわいいムササビの姿とともに、そう書かれた標識がSNSで話題になっています。長野県の軽井沢にある看板ということですが、なぜムササビに注意が必要なのでしょうか。設置された経緯を調べてみました。(朝日新聞デジタル企画報道部・小川詩織)
6月、SNSに投稿され話題を呼んだ「ムササビ横断注意(夜間)」と書かれた看板。黄色の背景に、黒でかわいいムササビが飛んでいる様子があしらわれている標識です。
「初めて見るわこんなん」という文言とともに、(アカン)さん(@akanbird)がツイッターに投稿すると、「かわいい!」「むしろ横断して」などのコメントと3万近くのいいねが付きました。
初めて見るわこんなん pic.twitter.com/UsVkQyGUH4
— (アカン) (@akanbird) June 12, 2023
(アカン)さんによると、これは長野県の軽井沢町にある看板だそう。一体、誰がいつ設置したものなのでしょうか。
この看板を制作したのは、自然観察ツアーを開催したり、ツキノワグマの保護管理をしたりしている団体「ピッキオ」(軽井沢星野エリア)です。2011年5月、設置したということです。
設置する以前は、夜行性のムササビが木から木へ滑空しているときに、通行していたバスやトラックなどと接触する事故が、軽井沢町内で何件か確認されていたといいます。
そこでピッキオでは、近くの森にムササビが生息していることと、接触の事故を起こしてしまうことがあることを注意喚起するために設置しました。
軽井沢町の星野エリア内の2カ所にあるということですが、いずれも道路に接している社有地で、ムササビがよく飛行するルート沿いということです。
絵柄や文面はピッキオのスタッフが考案したもの。動物注意の道路標識に多い黄色地に黒のシルエットにし、滑空中のムササビとわかるようにデザインされています。
ピッキオでは、11月末まで毎日、ムササビを観察するツアー「空飛ぶムササビウォッチング」を開催しています。大きな飛膜を広げて飛行する様子には、思わず歓声があがるほど。目撃率は96%(2022年実績)という高確率で、ムササビに出会えます。
ピッキオの担当者は「木とともに暮らすムササビは、連続した森がないと生息することができません。ムササビの存在をきっかけに、自然環境へも目を向けてくれるとうれしいです」と話しています。
1/5枚