連載
#58 どうぶつ同好会
ケロリン桶を叩いて「エサちょうだい」 芸達者アザラシさつきちゃん
担当飼育員に話を聞きました
銭湯で見かける「ケロリン桶」を叩いてアピールするアザラシが、ネット上で注目を集めています。担当飼育員に話を聞きました。
北海道室蘭市にある「室蘭民報みんなの水族館(市立室蘭水族館)」。
ケロリン桶を叩くのは、ゼニガタアザラシの「さつき」(メス、17歳)です。
1日4回のエサの時間になると、ケロリン桶を前脚で抱えながら小刻みに叩いて「エサをちょうだい」とアピールします。
その様子がツイッターで紹介されると「銭湯にいるみたい」「大事そうに持つ姿が可愛らしい」といったコメントが寄せられています。
「1日4回、エサの時間になるとほぼ毎回披露してくれます」
そう話すのは海獣担当の飼育員・諏江あきほさんです。
この行動が始まったのは10年以上前。
実家が銭湯を営んでいる職員が「アザラシが桶を持ったら可愛いんじゃないか」と持ち込んだことがきっかけだったそうです。
毎朝11時ごろ、1回目のエサの時間に飼育員がケロリン桶をプールに投入。
すると、さつきがそれを前脚で抱えてアピールを始めるといいます。
「食いしん坊というわけではないんです。さつきに向けて投げたエサを他の個体が横取りしても構わず桶を叩き続けます。そんな姿も可愛らしくて」
他の個体も桶で遊んだり、頭にかぶったりすることはありますが、さつきのように叩いてアピールすることはないそうです。
テレビなどでも取り上げられ、すっかり人気者となったさつき。
ケロリン桶はこれまで何度か代替わりしており、常連のお客さんが「新しい桶を持ってきたよ」とプレゼントしてくれたこともあるそうです。
話題になったことについて「さつきの可愛さが伝わったことがうれしいし、ありがたいです」と諏江さん。
繁殖期で食欲がないときは、ケロリン桶を持ってくれないことがあるとのことでした。
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