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「一瞬で仕事なくなる」元モー娘。石黒彩さんが伝えたSNSの使い方

子どもたちの投稿には口を出さなかったけれど…

「モーニング娘。」の元初代メンバーの石黒彩さん=本人提供
「モーニング娘。」の元初代メンバーの石黒彩さん=本人提供

目次

アイドルグループ「モーニング娘。」の元初代メンバーの石黒彩さん。子どもたち3人は、長女22歳、次女20歳、長男18歳に育ちました。思春期になると会話が減ったこともありましたが、一つだけ決めていた「ルール」があったそうです。一方で、子どものSNSの使い方は「心配していなかった」と話す石黒さんに、思春期の子育てを振り返ってもらいました。(ライター・小野ヒデコ)

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石黒彩(いしぐろ・あや):1978年、北海道生まれ。1998年、アイドルグループ「モーニング娘。」でデビューし、2000年に卒業。出産・育児を経て復職し、現在は、タレントとして活動中。『石黒彩の3びきのこぶた食堂』(主婦の友社)などを出版。3人の子どもを育てた。

子どもの心持ちは急変する

思春期は突然やってくる。
石黒彩さんがそう思ったのは、息子が小学校高学年の時のことです。

「前日くらいまで手をつないで歩いていたのに、翌日に電車に乗った際に『席空いたよー』と声をかけたら、息子が顔を真っ赤にして『(人前で)呼ぶなよ!』と怒ったことがありました。子どもの心持ちって急に変わるんだと驚いたことをよく覚えています」

娘たちも中学生の頃、石黒さんが話しかけると「もういいって!」と話を打ち切って、リビングから自室に行ってしまうことも日常茶飯事だったといいます。

出典: Getty Images ※写真はイメージです

ただ、親との関わり合いは減っても、3きょうだいの仲は良好でした。親に話せない悩みを、長女と次女、長男と次女といった様々な組み合わせで打ち明けていたそう。

「例えば、次女がつらそうに見える時、長女や長男に『大丈夫そうかな』と聞くと、『色々あるけど本人は大丈夫って言っていたよ』と教えてくれたので、それぞれの状況を共有できていました」

時たま、子ども同士でケンカして決着がつかない時は、石黒さんのところへ話をしに来ることもありました。

「家庭内に子どもが3人いると、それは『小さな社会』なんですよね。互いに影響しあって育っていた面があり、共働きの親としては、ありがたかったと思っています」

3人の子育てと仕事を両立してきた石黒彩さん=本人提供
3人の子育てと仕事を両立してきた石黒彩さん=本人提供

そんな子どもたちとの会話が減った時期も、家族で唯一の決まりごとがありました。それは「挨拶だけはしよう」というルールです。

「『おはよう』、『いただきます』、『ただいま』などは絶対にしようと決めていました。機嫌の良し悪しに関わらず、家族間で話す機会だけは無くさないようにしていました」

とはいえ、挨拶の態度があまりにも悪いこともあったといいます。「そういう時は、それを逆手にとって笑い話にしてしまうのもアリ」と笑います。

宝物にしている祖母からのレシピ

石黒さんが長女を出産したのは、自身が22歳の時でした。夫(バンド『LUNA SEA』ドラマーの真矢さん)は、国内外のツアーで長期間家を空けることもあったので、体力にも自信があり「子育ては全部私がしたい」と伝えたといいます。

「夫は『何かあったら言ってね』と言ってくれて、実際、子育てのグチは何時間でも聞いてくれました。私が夫に対して求めていたのは精神的なサポートで、それが私たち夫婦のバランスでした」

家事の中でも特に料理が好きなのは、祖母の影響が大きいと振り返ります。両親が共働きで、学校から帰ると祖母の家へ。いつも温かくて美味しいご飯が用意されていたそうです。

今年のお正月に、煮物、黒豆、数の子などを作った石黒彩さん。母親から「祖母と同じ味」と言われている=本人提供
今年のお正月に、煮物、黒豆、数の子などを作った石黒彩さん。母親から「祖母と同じ味」と言われている=本人提供

結婚時に祖母からレシピをもらった石黒さん。子どもたちにもそれで料理をつくり、思春期の頃にも誕生日やお正月にはごちそうを振る舞ってきたといいます。

「その味は、子どもたちにも受け継がれています。祖母からのレシピは私の宝物です」

親子でSNSアカウントをフォロー

子どもたちには、中学生になってからスマートフォンを持たせました。クラスや部活で「グループLINE」があり、寂しい思いをさせないようにと考えたそうです。

SNSを使うときには、「自分と相手の体を絶対に傷つけないこと」と「社会のルールを完璧に守ること」だけは、念入りに伝え、子どもたちの投稿には基本的に口を出さなかったといいます。

「『何かあったら、私も夫も一瞬で仕事がなくなるから、投稿する前にその内容は問題がないか少しだけ心の中で考えてほしい』と伝えていました。それを理解しているので、SNSの使い方は心配していません」

出典: ※写真はイメージです Gettty Images

互いのSNSをフォローし合い、SNSを間接的なコミュニケーションツールとしても使っています。以前、遅い時間になっても高校生の息子と連絡が取れなかったときには、次女からこう言われたそうです。

「『(弟は)インスタグラムのストーリー(24時間で消える投稿)をあげていたから大丈夫だよ。ママ、よく考えてみて。高校生になってまで、親からのLINEをみんなの前で返すと思う?』って言われて(苦笑)。確かにそうだなと思いました。それからSNSは子どもたちがどうしているのか知る手段の一つにもなりました」

昨年、息子の18歳の誕生日にケーキプレートを作った石黒彩さん=本人提供
昨年、息子の18歳の誕生日にケーキプレートを作った石黒彩さん=本人提供

石黒さんは、思春期の子どもに言われて特に印象的だったことがあります。「ママだって子どもの頃があって、思春期があったはずなのに、その時の気持ちは全部忘れちゃったの?」という言葉でした。

「もちろん親だって腹が立つこともあるけど、自分が反抗期でイライラしていたことを思い出してみるのも一つかなと。子どもと向き合う、こちらの気持ちを押し付けないことも大事だと思うようになりました」

【前編はこちら】元モー娘。石黒彩さん「正しい母親像」に縛られて…子育てを振り返る

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