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「ウエストランド井口さんに叱られて漫画家に挑戦した」 作者の覚悟

連呼され〝グサグサ〟刺さった言葉とは

カゲワサビさんが投稿した「ウエストランド井口さんに叱られて漫画家に挑戦し始めた話」
カゲワサビさんが投稿した「ウエストランド井口さんに叱られて漫画家に挑戦し始めた話」 出典: カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

目次

「ウエストランド井口さんに叱られて漫画家に挑戦し始めた話」。あるイラストレーターが、SNSにこんなタイトルの漫画を投稿しました。一体どういうことなのでしょうか? M-1王者のウエストランドに励まされたという作者に話を聞きました。

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叱ってほしくて

「2022年6月 当時私はマンガ家になりたいという思いを持ったまま他業種で働いており 中途半端な気持ちで過ごしていました」

「こんな感じは周りにも悪い… どうにかしなきゃな」

漫画は作者のモヤモヤした気持ちから始まります。投稿したのは、東京都に住むイラストレーターのカゲワサビさん(27)です。

出典:カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

当時、ITベンチャー企業でデザイナーとして働いていましたが、小学生からの夢である漫画家を諦められず、毎週末エッセイ漫画を描いてはSNSに投稿していました。

入社3年目。仕事にやりがいはあり、120%の力を注いでいる。漫画家への憧れはあるものの、正社員の道から外れる決断はできずにいました。

そんな迷いを持っていたある日、いつも聞いているお笑いコンビ・ウエストランド(井口浩之・河本太)のラジオ番組「ウエストランドのぶちラジ!」の「ののしり先生」へ投稿することを思いつきました。

「そういえば『ぶちラジ』に井口さんに叱ってもらうコーナーがあったな」

「ためしに今の状況を書いて送ってみよう」

出典:カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

「ののしり先生」は、河本さんがリスナーからの投稿を読み上げ、井口さんがツッコミを入れてののしる企画です。

カゲワサビさんは「自分でもモヤモヤした現状がダメだと思いつつ、誰かに『そんなことではダメだ』と言ってほしかったんだと思います。大人になると『ダメ』と叱ってくれる人はほとんどいません」と話します。

「井口さんはリスナーを叱りつつも、応援する気持ちがあることが伝わってきます。上辺だけではない意見をくれるのではと思いました」

投稿からほどなくして、「ぶちラジ!」にカゲワサビさんの投稿が採用されました。

出典:カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

「マンガ家挑戦しろよ! 一生後悔するぞ!」

「私は現在ITベンチャーに勤めています。ですが本当はマンガ家になりたいと思っており、周りほど今の仕事に熱意が持てていません。井口さんののしってください」

河本さんがカゲワサビさんの投稿を読み上げると、井口さんは「マンガ家挑戦しろよ! 一生後悔するぞ!」と喝。さらに「通用すると思ってるから踏み出せないんだよ! 通用しないと思えば踏み出せるから!」と続けました。

出典:カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

もちろんこれはただの「ののしり」ではありません。最後には「そう言って背中を押しているわけですから」「頑張ってください」とフォローしてくれました。

リアルタイムで放送を聞いていたカゲワサビさんは、自身の「ぶちラジネーム(ラジオネーム)」を耳にしたとき、「本当に読まれるんだ!」と驚いたといいます。

「大好きな芸人さんが自分のお便りを読んでくれている。不思議な感覚でした。すごく叱咤(しった)されましたが、とても前向きになれました」

特に響いたのは「通用しない」という言葉です。わずか2分弱の間に10回以上連呼され、グサグサと胸に刺さりました。しかし、同時に笑みがこぼれました。

「『中途半端じゃダメだよ』といった返しは予想していましたが、『通用しない』と言われるなんて(笑)。井口さんから、立ち直ってほしいという思いが伝わってきましたし、河本さんのやさしさも感じました。ラジオ番組としてもとても面白かったです」

出典:カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

漫画家への挑戦が始まった

2022年8月、カゲワサビさんは退職する意思を固めました。いまは漫画家を目指し、ギャグ漫画や創作漫画を描いて賞へ応募したり、編集部へ持ち込んだりしています。

企業のPR漫画など絵を描く仕事もしていますが、ほかのアルバイトはせず、生活資金は正社員時代の貯金です。

「『1年以内に結果を出す』と決めて挑むことにしました。この1年集中するためにもほかの仕事やお金を稼ぐことはせず、漫画のみでやっています」

出典:カゲワサビさん(@AoiKageyama)のツイッター

M-1優勝も刺激に

M-1グランプリ2022で優勝し、ますます注目が集まるウエストランド。

カゲワサビさんはその魅力を「井口さんのまっすぐさと、河本さんの何かやってくれそうなところの絶妙な面白さがあります。つい共感してしまう毒舌漫才も、とても面白いです」と話します。

M-1ではウエストランドが優勝すると予想していたカゲワサビさん。優勝後、ウエストランドが出演する番組はほとんどチェックしています。そんな活躍も、カゲワサビさんの刺激になりました。

「私にとって、ウエストランドのおふたりが人生の岐路で背中を押してくれたといっても過言ではありません。ウジウジしていつも通りの日常に逃げようとしていたところを一喝してくれた。『通用しない』前提でチャレンジします」

まだ漫画家への挑戦は始まったばかりですが、編集部への持ち込みを通じて、「手ごたえはゼロではない」と感じています。

「ウエストランドさんに貢献できるような漫画家になるので、見ていてください!」

カゲワサビさんのツイッター:@AoiKageyamahttps://twitter.com/AoiKageyama

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