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4万5000円の「固いプリン」 アルミ、銅、真鍮などでてきてます

技術力の高さを知ってもらいたい町工場と、企画デザイン会社によるコラボ商品です

重さ約1.3kgの「金属でできた固めプリン」
重さ約1.3kgの「金属でできた固めプリン」 出典: 2時提供

目次

 おそらく世界で一番固いであろう「金属で作ったプリン」が発売されました。技術力の高さを知ってもらいたい町工場と、企画デザイン会社によるコラボ商品です。

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カラメルから上はフタとして取り外し可能な仕様になっているため、小物入れとしても使えます
カラメルから上はフタとして取り外し可能な仕様になっているため、小物入れとしても使えます 出典: 2時提供

重さは約1.3kg


 今月23日、企画デザイン会社「2時」のツイッターアカウントがこんなつぶやきを投稿しました。

 「金属で固めプリンをつくりました」

 添付された画像に映っているのは「金属でできた固めプリン」で、重さは約1.3kg。

 パーツごとにそれぞれ異なる金属が使われています。

 ・カラメル=銅

 ・プリン=真鍮(しんちゅう)

 ・サクランボ、クリーム=アルマイト処理されたアルミ

 ・脚付き器=ステンレス

 カラメルの銅、プリンの真鍮については元々の素材の色を生かしており、質感の違いも楽しめるようになっています。

 また、カラメルから上はフタとして取り外し可能な仕様になっているため、小物入れとしても使えます。

重さ約1.3kgの「金属でできた固めプリン」
重さ約1.3kgの「金属でできた固めプリン」 出典: 2時提供

制作者、発案者に聞きました


 「1月末に『ワクワクする商品が作りたい』と、2時さんにメールをお送りしたのがきっかけで実現しました」

 そう話すのは、制作を手がけた「ヒカルマシナリー」(山形県山辺町)の会田悠城さんです。

 ヒカルマシナリーは、機械部品や精密部品の設計・加工を行っている従業員8人の会社。

 金属の塊を機械で削って造形していく「削り出し」という手法を得意としています。

 メールを送るきっかけになったのが、テレビ番組で紹介されていた「ハムスターモナカ」でした。

 「2時さんが京都の老舗菓子店とコラボした商品と聞いてホームページを見たら、地元・山形の加茂水族館のクラゲの傘まで手がけていてビックリしたんです」

 部品メーカーなので一般向けに知られていないけれど、技術力には自信がある。

 2時とコラボすることで、削り出しで作った製品や金属そのものの魅力、モノづくりのワクワク感を届けられるのでは、と連絡することにしました。

「ヒカルマシナリー」の会田悠城さん
「ヒカルマシナリー」の会田悠城さん 出典: 企画デザイン会社「2時」提供


 メールを読んだ2時のプランナー・楢﨑友里さんは、「絶対にやってみたい」とオンラインミーティングを設定。

 ぬいぐるみなど柔らかい素材の商品を多く手がけてきましたが、金属を扱うのは初めての経験でした。

 「会田さんから金属について話を伺う中で、質感や色の違いを生かせるアイデアとして『固めプリン』を思いつきました」

「2時」の楢﨑友里さん(左)と田中桃子さん(右)
「2時」の楢﨑友里さん(左)と田中桃子さん(右) 出典: 2時提供

受注生産で販売することに


 楢﨑さんのアイデアをもとに詳細な図面を作り、デザイン重視で作ることに。

 素人目には、サクランボやクリームなどの細かな造形が難しそうに見えますが、「実は一番大変だったのが『脚付き器』なんです」と会田さん。

 削り出しをするにあたって、金属を固定しながら「ろくろ回し」のようにして削る中で、器部分が最も苦労したといいます。

 「指定された寸法に仕上げるのは当然ですが、そこに至るまでの道具選びや手法などは職人によって異なります。誰が作っても同じではないところが金属加工の醍醐味です」

脚付き器の部分を加工する様子
脚付き器の部分を加工する様子 出典: 2時提供


 完成した「金属でできた固めプリン」は販売予定のない一点物。

 会田さんも楢﨑さんも「SNSで発表して話題になるといいな」ぐらいにしか考えていなかったそうですが、完成品を見てほしいと思う人がいるかも、と販売ページを開設。

 完全受注生産で、税込み45000円で販売中です。

 「金属の重さや光沢、パーツごとの違いなどを楽しんでいただければ」と会田さん。

 楢﨑さんは「金属、特に真鍮と銅は手の皮脂や空気中の湿気などにより経年変化していきます。変化する様を金属そのものの味わいとして楽しんでいただければ幸いです」と話していました。

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