ネットの話題
獺祭?カワウソが動き回る動画 「かわいいという言葉は使いません」
水族館の飼育スタッフを取材しました
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水族館の飼育スタッフを取材しました
ロープに飛びついたり、口にくわえてクルクル回転したり、とにかく活発に動き回るカワウソたちを撮影した動画が注目を集めています。「『かわいい』という言葉は一切使いません」と話す水族館の飼育スタッフを取材しました。
#カワウソ の活発さは、飼育されている動物の中でもトップランクだと思います。それに比例して、摂取するカロリー量も、かなり必要となります。カワウソたちは、いつもこんな感じのお祭り騒ぎです。#コツメカワウソ #世界カワウソの日 pic.twitter.com/od8J5bNumw
— サンシャイン水族館 (@Sunshine_Aqua) May 15, 2022
サンシャイン水族館(東京・池袋)のツイッターアカウントが15日、30秒ほどの動画を投稿しました。
映っているのは、飼育しているコツメカワウソ4頭。
天井からぶら下がっているロープに飛びついたり、高い所から飛び降りたり、施設内を所狭しとはしゃぎ回っています。
この動画に対して、「暴れっぷりにビックリ」「これが獺祭?」といったコメントが寄せられ、いいねは1万を超えています。
ちなみに「獺祭」は、カワウソが捕らえた魚を岸に並べる様子のこと。
人がお供え物をして先祖を祭るのに似ているところに由来するとされています。
「コツメカワウソは展示に4頭、バックヤードに4頭の計8頭を飼育しています」
そう話すのは、カワウソ担当の飼育スタッフ・芦刈治将さんです。
1日のうちで餌を探すことに相当な時間を費やしているというカワウソ。
そんなカワウソたちが、寝る、食べる、かむ、走る、泳ぐ、戦う、寄り添う、といった欲求を満たせる環境づくりに苦心しているそうです。
5月25日の「世界カワウソの日」を意識して投稿したという今回の動画について、芦刈さんはこう説明します。
「カワウソは複数で生活する動物であることや、水陸で活動する野生動物であることなど、伝えたいことはたくさんあるのですが、飼育が非常に難しいです。それが伝わることで、カワウソが抱えている問題にも少し響くかなと思って投稿しました」
カワウソのペット化などが問題視されている中で、安易にカワウソを個人で飼育することはやめてほしい。
犬猫のような愛玩動物ではなく野生動物であるということを知ってもらいたい、といった思いを込めたそうです。
「これまでもカワウソの動画や画像はアップしていますが、『かわいい』という言葉は一切使っていません。かわいいを伝えるつもりはなく、知られざる部分や飼育下で得られた知見などを伝えたいと思っています」
水族館の役割は、生きもののことをありのまま正確に伝えることだ、と考えている芦刈さん。
その魅力を発見して発信できるのは一番近くにいる飼育スタッフだ、との自負もあります。
「入口は『かわいい』でもいいと思うのですが、その先につながる発信ができればと思っています」
種としてのカワウソや、その生息地を守ることにつながればいいな、と期待しています。
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