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#97 #父親のモヤモヤ

家事や育児への「ゼロコミット男子」、解決策が「男性の育休」の理由

写真はイメージです(PIXTA)
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目次

#父親のモヤモヤ
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「男性の家庭進出」が、なかなか進まない。子育て支援団体「みらい子育て全国ネットワーク(miraco)」の代表で、3児の母親である天野妙さんは、そんなもどかしさを感じています。特に、家事や育児にまったく関わらない「ゼロコミット男子」に、どう働きかけるかに心を砕いているそうです。一つの答えが「男性の育休」だと話します。
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共働きでも専業主婦でも…育児をしない夫は変わらない

仕事と家庭の両立などに葛藤する男性の姿を描く「#父親のモヤモヤ」企画と、九州朝日放送(KBC)のラジオ番組「小林徹夫のアサデス。ラジオ」では月1回、コラボ放送をしています。天野さんは1月の放送に登場しました。

「#父親のモヤモヤ」では、仕事と家庭に深く関わる男性が多く登場します。一方で、社会の平均像としては、女性に負担が偏っているケースが多いのが現実です。天野さんは、そうした社会課題について番組で語りました。

この日の放送では、番組の山﨑萌絵アナウンサーが「男性の育休について考えたい」と切り出しました。

『男性の育休』(PHP新書)の共著がある天野さんは、育休は法律で定められているのに、「会社に制度がない」と諦めている人がいる実態を報告。企業が働き手に育休について周知する義務を負う制度づくりに、国が着手したことにも触れました。

「ゼロコミット男子」について話が及んだのは、育休の必要性について話す中でした。「まったく育児をしない6歳未満の子どもがいる夫は、約7割いると言われています。共働きであっても専業主婦であっても、数値があまり変わりません」(天野さん)。

確かに、総務省の「社会生活基本調査」によると、1日のうちで育児をしないと答えた夫の割合は約7割。共働き家庭でも、専業主婦家庭でも、ほとんど変わりません。

天野妙さん
天野妙さん 出典: 朝日新聞社

「同時に子育て」の大切さ

天野さんは「ゼロコミット男子」を念頭に、「育児のスタートを一緒に始められないと、夫婦でも先輩後輩、上司と部下のような関係性が生まれてしまいます」と指摘しました。育休を取ることで、夫婦同時に子育てを始めることができると言うのです。

天野さんは、夫婦の「家事スキルの差」についても言及しました。男性の方が「家事が苦手」といった場合でも、育休取得時に家事を分担することで、段々と身につくと強調しました。

「私の夫も、結婚当初はお湯を沸かすのも精いっぱい、という人でした。時間はかかっても、家事ができないと家庭が成り立たないことを理解してもらい、夫はコツコツ家事スキルをアップしました。妻はダメだしせずに根気強く励ましていくことが重要と思います」。今では、子どものお弁当も作るそうです。

山﨑アナは「2人目についても、夫がどの程度コミットしたかで、次のイメージにつながりますね。ちゃんとやってくれると、次も大丈夫という後押しになります」と応じました。

KBCラジオ「小林徹夫のアサデス。ラジオ」のパーソナリティー・小林徹夫さん(左)と、#父親のモヤモヤとのコラボ企画を担当する山﨑萌絵アナウンサー(右)=KBCラジオ提供
KBCラジオ「小林徹夫のアサデス。ラジオ」のパーソナリティー・小林徹夫さん(左)と、#父親のモヤモヤとのコラボ企画を担当する山﨑萌絵アナウンサー(右)=KBCラジオ提供

増えすぎた負担、男性も

天野さんは番組中、「女性が持っている両手いっぱいの課題を男性にも一緒に持ってほしい」と呼びかけました。

番組後、その意味することをこう話しました。

「今、日本の社会は『産後のうつ』が急増しているという指摘もあります。夫の家事育児の不参加による『ワンオペ育児』や『仕事と家庭の両立不安』など、妻側が抱える精神的・肉体的負担が増えています。そのうえ社会的も『女性活躍推進』と、要求が増している状況ですが、これ以上スーパーウーマンにはなれません」

「大黒柱として活躍を求められる男性も大変なことは理解できますが、女性側に増えすぎた負担を、男性達にも一緒に持ってほしいのです。その一歩が男性の育休取得なのです」

父親のリアルな声、お寄せください

記事の感想や体験談を募ります。いずれも連絡先を明記のうえ、メール(seikatsu@asahi.com)で、朝日新聞文化くらし報道部「父親のモヤモヤ」係へお寄せください。
 

共働き世帯が増え、家事や育児を分かち合うようになり、「父親」もまた、モヤモヤすることがあります。それらを語り、変えようとすることは、誰にとっても生きやすい社会づくりにつながると思い、この企画は始まりました。あなたのモヤモヤ、聞かせてください。
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