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連載

#6 「きょうも回してる?」

「そりゃ鬼滅は出したい、でも…」ガチャガチャメーカーの誇り

「ワクワク」とスリル感のはざまで経営

左上から時計回りで、「丁寧な暮らしをする餓鬼スタンドフィギュア」(クオリア)、「銭湯ミニチュアコレクション」(ケンエレファント)、「1/64スズキキャリイ・スーパーキャリイ コレクション」(トイズキャビン)、「ネコのペンおき」(クオリア)
左上から時計回りで、「丁寧な暮らしをする餓鬼スタンドフィギュア」(クオリア)、「銭湯ミニチュアコレクション」(ケンエレファント)、「1/64スズキキャリイ・スーパーキャリイ コレクション」(トイズキャビン)、「ネコのペンおき」(クオリア)

目次

ガチャガチャの中でも「オリジナル商品」は、キャラクター商品とは違い、市場に出てからでないと売れ行きが読めない難しさがあります。それでも「オリジナル商品」を作り続けるメーカーはどんな心持ちで仕事をしているのでしょうか。ガチャガチャ評論家のおまつさん(@gashaponmani)が解説します。
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ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」

オリジナル商品の売れ行きは未知数

ガチャガチャ業界は受注産業です。その産業から誕生する新商品は毎月少なくとも60タイトル、300種類ほどになります。メーカーは国内で30社ほどあり、毎月目まぐるしく商品を作っています。

各メーカーは、いかにヒット商品を生み出し、いかに販売店から多くの受注を獲得できるかがカギになります。
とくに、オリジナルだけで勝負しているメーカーは経営をする上で、ヒット商品を持っているか否かはとても重要になってきます。

正直言って、オリジナル商品は何が売れるかわからないからです。また、販売店もキャラクター商品ならどれくらい売れるかは計算ができますが、オリジナル商品だと、どれくらい売れるか判断できず、初回の受注数を少なくする現状があります。

メーカーが「これはウケる!」と万全を期してこだわりを見せた商品を販売しても、初回受注で終わってしまうことも。さらに、あまりに造形にこだわりすぎて、金型など製作費が赤字なるケースが多々あります。

ワクワクの一方でヒヤヒヤ

ただ、ガチャガチャの商品以外に、アミューズメントやホビー事業などを展開しているメーカーの場合、赤字の部分を補填できます。

しかし、オリジナルだけの商品を作るメーカーはその補填ができません。だから、オリジナルだけで勝負するメーカーは何かひとつヒット商品を生み出さないと経営的に厳しくなります。

まるで自転車操業のように、「次こそは!」とワクワクする商品を考えながらも、「いつまで経営が続けられるのか」というスリルを感じながら経営しているのです。

売れるものと、「ワクワク」は違う

「そりゃ、うちだって鬼滅の刃の商品を出したいよ、だって売れるから。でもね、それは売れるだけの楽しみしかないよね。オリジナル商品を作ったときのようなワクワクはない 」

あるメーカーの人の本音を聞いたことがあります。このメーカーのように、オリジナル商品に対する矜持を見せるメーカーがいることも事実です。

オリジナル商品で勝負をしているメーカーは、業界の生き残りをかけて、毎回「ヒット商品になってほしい!」と願いながら商品と向き合っているのです。

     ◇
では、実際に今年大ヒットしたオリジナル商品には、どのようなものがあるのでしょうか。また、その戦術は…。
【後編】大ヒットガチャガチャ「ネコのペンおき」メーカーが大事にしていること
ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」
この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを毎週金曜日(原則)に紹介していきます。

     ◇
ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani
ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。

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