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子どもが選んだ本に文句言っちゃダメ! 出版社の「5カ条」が話題に
絵本の出版社が作った「子どもを本好きにするには」というタイトルのポスターが、ツイッター上で注目を集めています。
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絵本の出版社が作った「子どもを本好きにするには」というタイトルのポスターが、ツイッター上で注目を集めています。
絵本の出版社が作った「子どもを本好きにするには」というタイトルのポスターが、ツイッター上で注目を集めています。「選択こそが本好きへの第一歩です」と話す社長に聞きました。
絵本「パンダ銭湯」(作・tupera tupera)などで知られる出版社の絵本館。
話題になっているのは、その会社が作ったポスター「子どもを本好きにするには」です。
五味太郎さんのイラストを使ったもので、子どもが本を好きになるための『5カ条』が以下のように書かれています。
(1)本代としておこづかいをわたす。
(2)子どもといっしょに本屋に行く。
(3)親も子どもも自由に本をえらぶ。
(4)子どもがどんな本をえらんでもけっしてもんくを言わない。
(5)そして買ってかえる。
中でも(4)は太字で強調されています。
先日、ツイッターでこのポスターが紹介されると、「こっちがいいんじゃない?とか言っちゃいそう」「この通りのことをしてくれた両親のことを思い出した」といったコメントが寄せられ、注目を集めています。
「2~3カ月くらい前から、自社の印刷機で刷ったものを書店に貼ってもらっています」と話すのは、絵本館の社長・有川裕俊さんです。
もともとは自社の本を紹介するポスターを出力するために買った印刷機。本を好きになってほしいという思いで配っていましたが、ある時こう思ったそうです。
「本好きになるために一番大事なことが抜けているんじゃないかって。本を紹介するだけじゃなく、本を選ぶことの楽しさが伝われば、きっと好きになってくれるんじゃないかと」
子どもに「好きな本を選びなさい」と言っておきながら、持ってきた本に対して「もっと字が多いのにしなさい」という親を見聞きしてきた有川さん。
「読む時だけじゃなく、選ぶ時も楽しめるのが本です。本選びに失敗したって何の害もありません。だから好きなように選んだ方がいい。選択こそが本好きへの第一歩なんです」
有川さんにとっての金言は「選択とは、そのこと自体が知的行為である」。
小学校高学年のころ、町の本屋で悩みに悩んで買った本が「なぜこんな本を買ってしまったのか」の連続で、「これは」という本に出会うことはなかなかなかったそうです。
しかし、その度重なった失敗が財産になったといいます。
「とぼしい小遣いで本を買ったうえに失敗するのだから、身にしみないわけがないですよ」
五味さんの絵本のイラストを使って、5カ条を記したこのポスター。
完成後、許可を得るべく五味さんに見せたところ、「子どもはもともと本が好きなんだよ」と言われたそうです。
書店や取次業者からも「すばらしいですね」と言われましたが、ツイッター上での反響はそれ以上だったといいます。
「やっぱり書店で見るのと画面で見るのは違うのかな。自分から見ようという気持ちもあるのかもしれませんね」
話題になったことについては、「ビックリしています。子どもが主体性を持って本を選んでくれたらうれしいです」とした上で、親たちに向けてこう話します。
「良い本を『与える』という発想はダメです。家畜にエサを与えるわけじゃないんだから」
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