MENU CLOSE

連載

#27 特派員フォトリレー

【ちょいムズ】世界のどの国かわかる?#信号機クイズ、写真にヒント

女性のシルエットの信号機もありました
女性のシルエットの信号機もありました

目次

さあクイズの始まりです。世界のあちこちに住む朝⽇新聞の特派員が、信号機の写真を各地で撮ってきました。似ているようでどこかが違う、背景の中にヒントが写り込んでいる……あなたはどの国の信号機か、見分けられますか? まずはちょいムズ編から。(朝日新聞国際報道部)
【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」

クイズです。どこの国でしょう?

 ぜんぶで18枚ありますが、ちょいムズ編では比較的かんたんな9枚から。それぞれの信号機がどの国にあるのか、できれば都市名まで、当ててみてください!とは言え、ウェブメディアにありがちなこの手のクイズと違い、難しいので覚悟してくださいね。

 では始めましょう。まずは1枚目、数字で残り時間をカウントするタイプの歩行者信号です。背後の建物には通りの名前を示す青い看板があります。ここに書かれた文字から推測できるのは……。
写真1
写真1
 正解は中国・北京の信号です。解説を冨名腰隆記者から。
 「北京は、明清朝の王宮である故宮を中心に二環、三環、四環・・・と環状線道路が何重にも広がるシンプルな都市設計ですが、朝夕はその幹線道路も大変な交通渋滞に見舞われます。当局は渋滞緩和のために、車のナンバーの末尾数字ごとに運転禁止曜日を設定しています。

 青信号だからと車間を空けずに交差点に進入したまま赤信号に変わり、身動きの取れなくなった車同士がさらなる渋滞を引き起こしている場面をよく目にします。かつてより交通マナーは良くなったと言われていますが、このあたりは日本と比べてまだまだです。

 気をつけなければならないのは、右折車(日本で言う左折車)は赤信号でも関係なく曲がれるということ。歩行者は、自分が青信号だからと気にせず歩いていると、車が飛び込んでくるので要注意です」
北京の信号機
北京の信号機
 2枚目はちょっと引いた写真。ヨーロッパにある、日本人にもおなじみの大都市です。別名は「花の都」。よーく見ると木々の間に通りの名前を示す看板が立っていて、行ったことのある人ならピンと来るかも。
写真2
写真2
正解は、パリにある交差点の様子でした。疋田多揚記者からです。
 「パリの信号機は、外見は普通です。日本と違うのは、歩行者信号があまり守られていないということです。

 赤信号で車が来ないとき、歩行者が渡らない方がむしろまれです。車が来てるときでさえ、構わず堂々とわたります。クラクションを鳴らされそうなものですが、不思議なことに、出くわしたことがありません。ドライバーはただじっと(あるいはイライラして)、歩行者が渡りきるのを待っています。

 しかし、フランスのドライバーが親切で我慢強いかというと、パリに限っては必ずしもそういうことはありません。例えば、信号のない横断歩道。渡ろうとする人がいたら車が譲らなければならないのはフランスも日本も同じです。日本ではあまり守られていませんが、ヨーロッパでは守られているものだと思っていました。ところが、パリはそうではありません。ぶつかるかもしれないという覚悟で踏み出さないと、止まってくれないことが多々あります。突っ立っているだけではむなしく車が流れていくだけです。

 最後に、フランスの信号機で、一つだけ日本と違うところがあります。歩行者用の点滅がなく、青からいきなり赤に変わります。あいまいさを嫌い、嫌なことは「いや」とはっきり意思表示し、好きなことはとことん楽しむ、という国民性を表しているような気がしてなりません。『ウイ(イエス)』と『ノン(ノー)』の間に中間はないんだろうな、と思いながら、突然赤信号に切り替わった横断歩道を小走りで渡っています」

ブレているのは理由があります

 3枚目、この旗に見覚えはありますか? 写真が不鮮明なのはバスの車窓から撮ったからで、日本人が制限なく歩いて写真を撮ることはできないからです。
写真3
写真3
 正解は、北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)。走行中のバスの車窓から撮影したのは峯村健司記者です。
 「この信号機は、なぜか二つ並んでいました。平壌市内でも信号機の数はあまりなく、警察官が手信号で交差点を整理しているところが多かったように思います。

 通勤時間でも渋滞は経験しませんでしたが、客を乗せたバスやトロリーバス、タクシーが往来するのを見ました」
 4枚目は、写り込んでいる建物にご注目。最近選挙がありました。
写真4
写真4
 正解は、アメリカの首都ワシントンでした。香取啓介記者。
 「ワシントンの連邦議会議事堂と連邦最高裁判所の間にある信号です。

 アメリカでは自動車は右側通行です。地域によりますが、ほとんどの交差点で自動車は赤信号でも右折できます。日本と同じ感覚で赤信号で止まっていると、後ろからクラクションを鳴らされます。日本から来て、まず最初に戸惑う点です。

 写真のように『NO TURN ON RED』と書いてある場合は、赤信号での右折できません。はじめての交差点では、見落としそうで用心して運転しています」

スカートをはいたあの子

5枚目は……そうです、女性です。世界でも珍しい信号機を採用したのは、南半球にあるあの国。
写真5
写真5
 正解はオーストラリアのメルボルンでした。小暮哲夫記者。
 「メルボルン中心部のフリンダーストリート駅前にある『スカート姿の女性がシルエット』の歩行者信号です。

 昨年3月、当然のように男性のシルエットのものだった状況に一石を投じ、男女は平等という意識をさらに喚起したい、という市民団体の提案を受けてメルボルンのあるビクトリア州が実験的に設置しました。何げなく歩いていると何も気づかずに通り過ぎてしまいかねないのですが。

 ちなみに、オーストラリアは、歩行者信号があっという前に『青』から『点滅の赤』(となったら渡り始めてはいけない)になってしまいます。絶対にお年寄りや体の不自由な人には優しくないと日々、感じています。どうにも、車中心で横断する歩行者をあまり気にかけてくれないドライバーが多いと感じます」
 6枚目の信号機の背後に写っているのは、南米のパリとも呼ばれるこの街のシンボル「オベリスコ」です。
写真6
写真6
 正解は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでした。遠田寛生記者。
 「ブエノスアイレスの『7月9日大通り』にある信号機です。道路幅が約140メートルもあり、1日の通勤で20万人を超える人が使うといわれ、ひっきりなしにバスや車が行き交っていました。

 奥に映っているのは記念塔オベリスコ。バスを待つ観光客が次々と写真におさめるのを見て、便乗して撮影しました」
 7枚目の信号機は、なぜシマウマのおしりにめり込んでいるのかを考えても仕方ないので、やはり広告の文字を参考にしてください。
写真7
写真7
 正解は台湾の台北です。まずはシマウマの写真を送ってきた鵜飼啓記者から。
 「2年近く前、前任地の台北で支局の近くを歩いていて見かけたシュールな信号機です。なんと、シマウマのおしりに信号機が埋まっています。当時『なぜ???』と頭の中をクエスチョンマークが渦巻いた記憶があります。中国語ではシマウマのことを斑馬(バン・マー)と言うのですが、横断歩道は斑馬線とも言うそうです。最近はあまり聞かないような気もしますが、日本でもゼブラ・ゾーンということもありますよね。どうやらシマウマと横断歩道をかけた、ということのようです。

 調べてみたところ、これは台北市の芸術事業の一環で1999年に作られたようです。『時間斑馬線』というタイトルが付いています。説明文を読んでも芸術的すぎてよく分からないのですが、童心に戻るとか、時間を旅するとかそんな思いが込められているようです。

 この信号機は市民大道と敦化北路の交差点にあります。このシマウマ、写真でも分かると思いますが、下半身というのでしょうか、胴体の後ろ半分しかありません。写真がないのですが、反対側から見ると断面もシマウマ模様になっています。『シマウマ切ってもそんな模様しとらんわ』と思わず突っ込みを入れたくなりました」

 台北は西本秀記者からもこんな写真の投稿がありました。

台北のバイク・自転車専用待機所
台北のバイク・自転車専用待機所
 「台湾は、バイク(スクーター)社会。通勤、通学に多くの人がバイクを使っています。交差点の先頭部分には、バイク、自転車の専用待機所が設けられています」

 さらに西本記者は、歩行者用信号を動画に撮ってくれました。てくてく歩く少年(?)がかわいいです。

台湾の「信号」でいっつも走っている少年、あいつはいったい誰なんだ!?
 楽しそうな8枚目の夕景は中華圏から。この街はかつて奉天と呼ばれていました。
写真8
写真8
 正解は中国・瀋陽です。平井良和記者。
 「瀋陽駅前の繁華街『太原街』の信号機にはエールを贈りたくなります。

 赤か青かはお構いなし、すきあらば渡る人が多い中国では歩行者用信号の存在感は小さいんですが、そもそもここの歩行者用信号、横断歩道の端の方に立つとイベント広告に隠れてほとんど見えません。

 本来は天下の公道の『行ってよし』を司るはずの信号機。物陰からの必死の訴えがなかなか届かない。ちなみに赤の下には青信号があるんですが、まったく見えません」
 そして9枚目。世界でも有名な三つの宗教が、それぞれに聖地とみる中東の重要な都市です。特徴的な服装をした写真左端の男性は……。
写真9
写真9
 正解は中東のエルサレムです。渡辺丘記者から。
 「信号機の写真は、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の3宗教の聖地が集まるエルサレム旧市街に近い幹線道路に面しています。全身を黒い帽子や黒服で固めている左の男性は、ユダヤ教の戒律に厳しい超正統派の人です。信号機は至って普通に見えます」

 以上です! お疲れさまでした。あなたは何問わかりましたか? さらに難易度の高い「激ムズ編」にも、ぜひ挑戦してみてください!

信号クイズ後編はこちら→【激ムズ】世界のどの国かわかる? #信号機クイズ、写真にヒント

連載 特派員フォトリレー

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます