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お金と仕事

フランス産エリートの「1日の過ごし方」 激務とパン作りの日々

フランスのITベンチャーのセバスチャン・キャロンCEO。どんな働き方をしているのか聞きました
フランスのITベンチャーのセバスチャン・キャロンCEO。どんな働き方をしているのか聞きました

目次

働き方改革が進んでいるとはいえ、日本は働き過ぎなイメージ。ところで、海外のエリート、中でもフランスのスーパーエリートはどんな感覚で働いているのでしょうか。来日したITベンチャーのCEOに聞いてみました。

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セバスチャン・キャロンCEO。日本では「とんかつを食べたい」と話していました
セバスチャン・キャロンCEO。日本では「とんかつを食べたい」と話していました

ワーク・ライフ・バランスは?

答えてくれたのは、「Mapstr(マップスター)」という地図アプリの創業者でCEOのセバスチャン・キャロンさん(38)です。

Mapstrは地図上にお気に入りの場所を登録し、友達とシェアしたりブランドなどの公式マップをフォローできたりするサービス。ユーザーは世界で約100万人だそうです。

22日から始まる「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」に合わせて来日していました。

キャロンさんは、政治家や企業幹部を輩出するエリート養成学校「グランゼコール」の出身。エマニュエル・マクロン大統領や日産自動車のカルロス・ゴーン会長もグランゼコールで学んでいました。正真正銘の「フランス産エリート」です。

もともと金融業界に入りましたが、「より幅広く人の役に立ち、社会にインパクトのある仕事」をしたいと起業の道に進みました。

CEOとなるとかなり忙しそう。でも、ワーク・ライフ・バランスを重視して休日はしっかり休んでいるのだろう……。そんな先入観のもと、キャロンさんの1日のスケジュールを聞いてみました。
【キャロンさんの一日】
7時ごろ起床 自分の時間を過ごす
9~11時 一人で仕事をする時間
11~13時 チームワーク
13~14時 ランチ
14~18時 チームワーク
18~21時 一人で仕事をする時間
21~1時 ディナーや読書など自分の時間
……しっかり働いている!!
「どんなポーズをとればいい?」と言われたので、定番(?)の腕を組むポーズをしてもらいました。でも、フランスではやらないそうです
「どんなポーズをとればいい?」と言われたので、定番(?)の腕を組むポーズをしてもらいました。でも、フランスではやらないそうです

脳内プログラミング?!

起業当初は、業務時間外でもパソコンに向かってメールを返したり、自身でコードを書いたりして夜中の1時ごろまで働いていたそうです。話を聞いていると、しっかりめのワーカーホリックな感じがしてきました。

しかし、ある日ベッドに入っても寝ることができず、「寝るためにはどんなコードを書いたらいいのか」と自分の脳をプログラミングするような思考になってしまったキャロンさん。これはまずいと思い至り、仕事から離れて自分の時間も大切にするようになったといいます。

キャロンさんの仕事風景
キャロンさんの仕事風景 出典: キャロンさん提供

「仕事が趣味」ではない

平日に集中して土日はきっちり休むのか……と思ったら、休日は「1カ月に1日くらい」とのこと。成長中の企業のCEOは、これが現実です。「仕事が趣味なんですね」と聞く私に、キャロンさんはすかさず一言。

「仕事とはいえ、仕事ではありません」

哲学的な言葉が返ってきました。「仕事が趣味」とはニュアンスが違うようです。

「情熱的で新しい出会いがある。幸せですし、自分が成長できます。多様性のある新しい刺激も受けます」

まっすぐ向けられた瞳から、働くことを楽しんでいるのが伝わってきました。

では、仕事とは何なのか。その問いには、「仕事という扱いがないと言いましたが、定義するのは難しいですね」と笑顔でした。

パリのカフェでリラックスするキャロンさん
パリのカフェでリラックスするキャロンさん 出典: キャロンさん提供

週1でこだわりのパン作り

そんなキャロンさんの息抜きは「パン作り」。最低でも週1は朝早く起きて作るそうです。それも家には40種類の小麦粉を常備していて、パンを作るときには2種類の小麦粉を使うというこだわりっぷり。シリアルやフルーツを混ぜたり、グルテンフリーでも作ったりするそうです。「パンの香りはすばらしいです。作ることはとても楽しい」と話します。

パン作りだけではなく、運動も重視しています。週2回1時間のジョギング、週1回ボクシング。毎日筋肉トレーニングをしているそうです。

エリートCEOは超忙しい日々ですが、限られた自分の時間をとても大事にしていました。

「Mapstr」の画面
「Mapstr」の画面

【取材を終えて】「I love what I do!」

キャロンさんの労働時間を聞くと「大丈夫か?!」と心配になります。でも、表情はいきいきとしていました。長時間やらされ仕事をするのはかなりの負担ですが、そこは主体性が違います。明確な目標に向かい、情熱を持って楽しんでいるようでした。

後日連絡を取ったら、日本滞在中はフランスとのやりとりのため、夜中の3時まで仕事をした日もあったと話してくれました。すごい……。働き過ぎを気遣うメールに対して、キャロンさんからはこんな返信が。

I love what I do! So I have difficulties to stop doing it :)
But I always have time to meet new interesting people like yourself.

(私は、自分のしていることが大好きです!だから止めることは難しい。でも、いつもあなたのような新しい面白い人々と会う時間があるのです)

「情熱」と「わくわく」が最強の原動力なんですね。
来日初日にインタビューしましたが、終始さわやかに対応してくれました
来日初日にインタビューしましたが、終始さわやかに対応してくれました

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