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甲子園「もう一つの伝説」作った「作新学院vs大阪桐蔭」応援団も名門

スタンドで演奏する作新学院の吹奏楽部員=2018年8月6日
スタンドで演奏する作新学院の吹奏楽部員=2018年8月6日 出典: 朝日新聞

目次

 夏の高校野球100回大会を沸かせたのは、金足農(秋田)の活躍だけではありません。嵐の「夏疾風」、福山雅治「甲子園」、「アメトーーク!」の「高校野球大好き芸人・応援歌」(雨高応援歌)、DA・PUMP「USA」などなど。いつにも増して、応援席から魅力的な演奏が生まれました。中でも、吹奏楽ファンにとって「聴き」逃せない一戦が……。決勝で見たかった」とも言われたその名試合とは?(朝日新聞・魚住ゆかり)

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「決勝で対戦したかった」

 話題曲が登場した名試合の数々ですが、中でも歴史的だったのは第2日の「作新学院vs大阪桐蔭」です。

 2014年、2016年の夏の優勝校同士で、吹奏楽部も全国レベルの力を持つ野球応援の名門同士。6月には、100回大会記念の「野球応援コンサートEXP0」で競演した間柄です。

 初戦での対戦に「決勝で対戦したかった」(大阪桐蔭吹奏楽部・梅田隆司先生)という声もありました。

 試合では、両校が「夏疾風」や「USA」を、クオリティの高い演奏で披露しあったかと思うと、「ウィリアム・テル」序曲(大阪桐蔭)vs「ウエストサイド物語」の「マンボ」(作新学院)、「グレイテスト・ショーマン」(大阪桐蔭)vs「オペラ座の怪人」(作新学院)と、クラシックの名曲やミュージカルナンバーでも「激突」。

 鳥肌が立つような見事な演奏で、両野球部とともに「大接戦」を繰り広げました。

アルプス席で演奏する大阪桐蔭の吹奏楽部員ら=2018年8月6日、阪神甲子園球場
アルプス席で演奏する大阪桐蔭の吹奏楽部員ら=2018年8月6日、阪神甲子園球場 出典: 朝日新聞

「レジェンド応援曲」活躍

 大会を通じて1970~1980年代にうまれた「レジェンド応援曲」は、今年も大活躍しました。

【主なレジェンド応援曲】
「アフリカン・シンフォニー」
「サウスポー」
「ルパン三世のテーマ’78」
「狙いうち」
「GOGOトリトン(海のトリトン)」

 一部で「すたれつつあるのでは」などと言われている「レジェンド曲」ですが、アンケートの結果からは、高校野球現役世代から愛されていることもわかりました。

 高校野球定番曲の中から「レジェンド」にふさわしい曲を選ぶ、インターネットアンケートを行ったところ、「コンバット・マーチ」「サウスポー」「狙いうち」「ルパン三世のテーマ’78」が4~7位にランクイン。

 実はこの4曲、「サウスポー」を筆頭に、若い世代からも支持を集めていました。

近江の吹奏楽部員ら=2018年8月13日、阪神甲子園球場
近江の吹奏楽部員ら=2018年8月13日、阪神甲子園球場 出典: 朝日新聞

むしろ新鮮、すたれない理由

 1958年の初出場以来、その時代時代のヒット曲を採り入れてきた作新学院高校吹奏楽部顧問の三橋英之教諭は「サウスポーやポパイは、僕が作新の吹奏楽部員だったころから演奏していますが、今の野球部員、応援部員も大好き」と語ります。

 「広い年齢層に親しまれていて一緒に応援しやすいですし、替え歌もつくりやすい。何より、聴くだけでワクワクする『名曲』だからすたれないんです」

 昔の曲だからこそ「新鮮」という声もありました。

 系列校の創志学園を応援し、1980年代の曲を次々紹介して観客を魅了する環太平洋大学(IPU)マーチングバンド部の中家淳悟監督は、「親世代が喜ぶ曲には、選手たち世代にとって『新しい曲』として魅力的なものがあります」と話します。

 どっこい元気な「レジェンド曲」たち。選手たちが、あこがれの先輩、あこがれの選手、あこがれのチームが使った曲を応援曲として選ぶことがなくならない限り、これまでの100回を彩ってきた「レジェンド応援曲」たちは、これからも受け継がれていくのかもしれません。

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