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連載

#12 特派員フォトリレー

【世界のおやつ】マーチしないコアラ、「国宝級」のチョコがある国は

おやつと言えばチョコ菓子。ほかにも色々集めました
おやつと言えばチョコ菓子。ほかにも色々集めました

目次

 ところ変われば品変わる。世界のあちこちに住む朝⽇新聞の特派員が、「おやつ」をテーマに写真を撮ってきました。今回は各地のチョコレート菓子を中心に取り上げます。スコットランドの定番チョコは、中にふんわりマシュマロ入り。オーストラリアのチョコはマーチしていませんでした。ブラジルのチョコは亀の形で、バリ島で取材のみやげにもらったのは「仙豆」。ぐいっと血糖値を上げてくれそうなものがそろいました。(朝日新聞国際報道部)

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24グラムの「国宝」

 案内役は東京・国際報道部の神田大介です。まずはロンドンから下司佳代子記者。イギリスの中でもスコットランドのスイーツを紹介してくれました。

イギリス・タノックス社の「ティーケーキ」
イギリス・タノックス社の「ティーケーキ」
 下司記者「イギリスからはタノックスのティーケーキをご紹介します。ビスケットの土台にふわふわのマシュマロが乗り、薄いダークチョコレートでコーティング。子どもから大人まで、おやつの定番だそうです。ひとつ24グラムと軽く、いくらでも食べられます。
 タノックというスコットランドの一族が始めたブランドで、イギリスの新聞ガーディアンでは『スコットランド人にとって国宝』『感傷的な気分にさせる象徴』『タノックスのティーケーキが嫌いだというのは神聖冒とくといっしょ』などと激賞されました」
イギリス・タノックス社の「ティーケーキ」
イギリス・タノックス社の「ティーケーキ」
 下司記者「冷戦中には、核を搭載したイギリス空軍の爆撃機のパイロットにも愛されたそう。
 緊張を強いられる搭乗中の癒やしになったはずですが、一定の高度を超えるとマシュマロが膨張して爆発することがわかり、以来、持ち込みは禁止されたのだとか」

 いや、いかにマシュマロとは言え、爆撃機内で爆発って、しゃれになってない! あと、膨張したマシュマロが爆発したら、すごいネッチョリしそう。

 ちなみに、「ショートブレッド」で有名なウォーカーズもスコットランドなんだとか。すごい。

非「マーチ」なコアラ菓子

 続いてはオーストラリアのシドニーから、小暮哲夫記者。本場だけあって、やはりコアラをかたどったお菓子があるようで……。

オーストラリアの菓子「キャラメロ・コアラ」
オーストラリアの菓子「キャラメロ・コアラ」
 小暮記者「オーストラリアでおなじみの菓子で、コアラのマーチではなく『キャラメロ・コアラ』といいます。
 コアラの形にした甘いミルクチョコレートの中に、さらに甘いキャラメルクリームが入っています。日本のチョコよりもずっと甘く、ボリュームたっぷりです。
 『1個ずつ、バランス良く楽しみましょう』と書いてあります。12個入りが4.6豪ドル(約380円)でした」
オーストラリアの菓子「キャラメロ・コアラ」
オーストラリアの菓子「キャラメロ・コアラ」

 うーんなんでしょう、パッケージといいチョコ本体といい、むしろクマっぽいというか。特にチョコの方、体と胴体の比率が民芸品っぽい。マトリョーシカとかの。

 動物の形をしたチョコレートは南米にもあるそうです。岡田玄記者から。

ブラジルの「亀チョコ」

ブラジルのチョコ「Tortuguita」
ブラジルのチョコ「Tortuguita」
 岡田記者「『Tortuguita』というチョコ。『亀さん』というような意味で、袋を開けると亀の形をしたチョコが入っています」
ブラジルのチョコ「Tortuguita」を割ったところ
ブラジルのチョコ「Tortuguita」を割ったところ
 岡田記者「周りは普通のミルクチョコですが、かじると中からブリガデイロが。バターとコンデンスミルク、それにチョコレートやカカオパウダーを混ぜ込んだものです」

ブラジルのチョコ「Tortuguita」のパッケージ
ブラジルのチョコ「Tortuguita」のパッケージ
 岡田記者「ちなみに、ブラジルで売ってはいますが、作っているのはARCORというアルゼンチンのメーカーです。日本でもこのメーカーのBonobonというチョコレートが売られています」

ミャンマーのもちもちスイーツ

 ここからは東南アジアのおやつをご紹介。まずはミャンマーから、染田屋竜太記者。

ミャンマーの「サンウィンマキン」
ミャンマーの「サンウィンマキン」
 染田屋記者「ミャンマーのスイーツをご紹介します。『サンウィンマキン』は露店などでもよく見る、ココナツミルクとごまをつかった甘味。もちのような柔らかい食感で、ものすごく甘いです。
 ごまの風味がきいていて香ばしいんですが、かなりお腹にたまり、カロリーも高めなので、食事をたくさん食べた際は要注意」
ミャンマーの「タマナル」
ミャンマーの「タマナル」
 染田屋記者「『タマナル』はもち米のまわりにピーナッツ、ココナツやごまをまぶした食べ物。甘みはそれほどなく、ごまとピーナッツの香りがよく溶け合っています。時々ショウガを入れてあるものもあり、これも香り豊かでいけます。
 元々は2月の満月祭の時に食べるものだったそうですが、人気になり、今はいつでも売っています」
ミャンマーのスイーツを売っている店頭の様子
ミャンマーのスイーツを売っている店頭の様子

 重そうだけど、うまそう。どちらもココナツとごまが決め手になっているようです。

 フィリピンの「ナタデココ」や「ハロハロ」など、日本でもなじみのある東南アジアのスイーツが増えていますが、これは現地に行かないと食べられなさそうですね。

アキコって、だれ?

 続いてはベトナムから、鈴木暁子記者。

 鈴木記者「ベトナムに赴任した私が、ハノイのスーパーでみつけて仰天したお菓子は、その名も「Akiko(アキコ)」。細長く焼いた筒状のクッキーに、バニラクリームやコーヒークリームが入った美味しいお菓子です。
 自分の名前をつけたお菓子が19900ドン(約96円)で売られているのをみるのは、まあちょっと複雑な気持ちですが。なぜAkikoなのか?
 ベトナムで販売するOishi Vietnamに電話取材を試みましたが、誰もつかまりませんでした。特にベトナムでこの名前が有名ということもなさそうです」
ベトナムで売っている「アキコ」
ベトナムで売っている「アキコ」
 鈴木記者「じつはOishiはリワイワイというフィリピン企業のブランドです。フィリピンでは、アキコという名は意外と知られています。1974年生まれのアキコ・トムソンという水泳選手がいるためで、フィリピンで私が自己紹介すると、「アキコ? アキコ・トムソン!」とよく反応されます。
 ここからは私の推測ですが、Oishiなんてブランド名をつけるぐらいですから、「日本のイメージの名前をお菓子につけたいなあ。そうだ、アキコなんてどう?」となったのではないかと……。
 私はフィリピンでこの商品をみたことがなく、Akikoのわけもはっきりしませんが、いずれにしても日本全国のアキコさん、ベトナムにお越しの際のお土産はAkikoに決まりですね!」

 決めちゃったよ。えー、「Oishi」のウェブサイトを見てみたら、他にも「キレイ」、「オヘヤ」(お部屋?)、「ワフ」(和風?)などの商品名を見つけました。ただ、大半の商品は「ポテトチップ」とか「チョコレートポップコーン」などとふつうで、なんだかよくわかりません。

インドネシアに「仙豆」あり

 最後は、日本人にもビーチリゾートとしておなじみのインドネシア・バリ島から野上英文記者。

バリ島で取材をする野上記者
バリ島で取材をする野上記者
 野上記者「バリ島で手みやげにいただいたのがRempeyek(レンペイ)という駄菓子でした。
 バリの人の説明では、ナッツとポテトの花を油で揚げたもの。各家庭で作るそうで、ナシゴレンに振りかけたり、ちょっとした隙間時間にこれだけをパリポリ食べて、空腹を満たすそうです」
インドネシアの「レンペイ」
インドネシアの「レンペイ」
 野上記者「大量にいただいたものを取材の合間に食べています。
 口に入れると、ほのかにアジアの独特の臭みがあり、あとはいわゆる油揚げのナッツ、そのままです。バリのおもてなしが思い出され、やる気がちょっと出ます。
 私はドラゴンボールの仙豆(せんず)のようなイメージでとらえています」
インドネシアの「レンペイ」
インドネシアの「レンペイ」

 調べたところ、バリ島以外でも広くインドネシアやマレーシアで食されているようです。これまたカロリーの高そうなおやつですが、仕事に疲れたとき、眠くなった時なんかに食べると、歯への刺激もあいまって、ぐいっと気持ちを高ぶらせてくれそうですね。

 今後もおやつに依存していこうと思う次第です。

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