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ホラー映画かと思った… 岡山トヨペットが謎の動画、その理由とは?
運転中にあくびをする男性。車を止めると隣の車の男性と目が合って……。
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運転中にあくびをする男性。車を止めると隣の車の男性と目が合って……。
運転中にあくびをする男性。車を止めると隣の車の男性と目が合って……。まるでホラー映画のような動画がネット上で注目を集めています。作ったのは自動車ディーラーの岡山トヨペット(岡山市)です。何のために作ったのか? 担当者に話を聞きました。
今月上旬にツイッター投稿されて注目を集めている動画。岡山トヨペットが制作した「Dancer in the seat」です。
動画は、渋滞にはまったドライバーがあくびをする場面から始まります。
車を止めると、左隣の車の男性と目が合います。その男性は窓を下げると、突然手をブラブラさせて奇妙なポーズをとります。
ドライバーが右隣の車を見ると、今度は助手席に座った女性が謎のポーズをとっています。
怖くなって車を走らせると、すれ違う車に乗っている人たちが全員奇妙なポーズをしていることに気づきます。
ドライバーが屋上の駐車場に車を止めて一息ついていると、どこからともなく大勢の人たちがゾンビのように車を取り囲み、車中に乗り込んできます。
おびえるドライバーの様子とともに「岡山は渋滞が激しいと感じる YES 76%」「渋滞で眠気に襲われるその前に」とテロップが流れ、カーナビの画面が映し出されます。流れているのは「岡山ドライバー体操」の映像です。
どうやら、座ったままリフレッシュできる体操を紹介するための動画のようで、最後は「岡山トヨペット」の文字が表れて終わります。
この動画に対して、「めっちゃ怖くて鳥肌立ちました」「世にも奇妙な物語感が凄い」といったコメントが寄せられ、リツイートは9千、いいねは1万6千を超えています。
この動画は、岡山トヨペットの「交通事故ゼロ・プロジェクト」の第5弾として企画されたものです。
昨年発表した第3弾の「Bubblepack Town」は、人も家も車もプチプチの気泡緩衝材で包まれている動画が話題になりました。「日本一ウィンカーを出さない」と言われる県民に向けた痛烈なメッセージです。
今回の「Dancer in the seat」に登場する奇妙なポーズは、いずれも「岡山ドライバー体操」の動きです。
体操は早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授が、ダンスの振り付けは「振付稼業air:man」が監修しています。
なぜ渋滞と眠気をテーマにしたのか? 営業企画室の藤村律之さんは理由をこう説明します。
「本社前の片側3車線のバイパス道路がよく渋滞するんです。それをきっかけに独自調査した結果、『岡山は渋滞が多いと思う』人が76%に達していることが分かりました。そこで、何かドライバーがリラックスできる手段を考えようということになったんです」
渋滞といえば、ノロノロ、徐行、停車を繰り返し、眠気に襲われることがあります。そこで「岡山ドライバー体操」を考案し、多くのドライバーに注意喚起を呼び掛けることにしたそうです。
ホラーテイストになっている理由は、「眠気が『襲ってくる』という表現から、襲ってくるつながりでゾンビになりました」とのこと。
動画の中で体操のポーズが採り入れられているのは全9カ所。最初に登場する隣の車の男性の動きは、口が「オ」と発声する動きになっていて、交差した腕はアルファベットの「T」になっています。
「オは岡山のオで、TはトヨペットのT。つまり岡山トヨペットを表現しています」と藤村さん。最後の屋上のシーンでは、社員もエキストラとしてゾンビ役で出演しているそうです。
「おもしろおかしい動画ですが、注意喚起のために真面目に作りました。車内でできる体操ですが、体操をする際はもちろん車を止めてからお願いします」と藤村さん。