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回送電車は「ジャカルタ」行き? 海渡る205系、JR東日本が粋な表示
千葉の車両基地から新潟へ向かって動き出した回送電車。車両の行き先表示には「ジャカルタ」の文字が――。
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千葉の車両基地から新潟へ向かって動き出した回送電車。車両の行き先表示には「ジャカルタ」の文字が――。
千葉の車両基地から新潟へ向かって動き出した回送電車。最後尾車両の行き先表示には「ジャカルタ」の文字が――。今月2日、インドネシアの鉄道事業者に譲渡される車両に、これまでの感謝とこれからの活躍を祈って、JR東日本が表示させました。現場社員が発案した「粋な計らい」について話を聞きました。
今月2日にツイッター投稿された画像。埼玉県深谷市の深谷駅で撮影されたもので、主に武蔵野線で活躍してきた205系が写っています。
行き先表示の部分には「ジャカルタ」と表示されています。この車両は国内での運行を終え、海を渡ってインドネシアに向かうのです。
この投稿に対して、「涙が出ました」「素敵な写真に感動」といったコメントが寄せられ、いいねは3千を超えています。
現場社員が発案したという今回の行き先表示。車両譲渡の経緯などについて、JR東日本千葉支社の広報担当者に話を聞きました。
――行き先表示を「ジャカルタ」としたのは、いつのことでしょうか
3月2日に回送した列車には「快速むさしのドリーム」ジャカルタ行き、3月9日に回送した列車には「しもうさ号」ジャカルタ行き、と表示しました。
――その後、どのような経路でジャカルタへ運ばれたのでしょうか
車両が置かれていた千葉県内の車両基地から新潟県内まで回送し、引き渡しています。引き渡し後の輸送については譲渡先が手配しており、詳細は当社では承知しておりませんが、新潟県内から船で輸送されると聞いています。
――譲渡の経緯について教えてください
当社は2013年から2015年までの間、埼京線、横浜線、南武線で使用してきた205系の車両476両をインドネシアの鉄道事業者に譲渡してきました。
その後も「ジャカルタ首都圏において鉄道利用者が急激に増加する中で、輸送力を更に増強していくために、車両譲渡をお願いできないか」との依頼があり、当社の車両が引き続き海外で活躍することは、環境面のほか、海外の鉄道事業者への協力という点からも有効であることから検討を行い、譲渡することとなりました。
武蔵野線で使用を終了した205系電車については2018年3月初旬以降順次譲渡し、2020年までに合計336両を譲渡する予定です。
――行き先表示を「ジャカルタ」とした理由を教えてください
武蔵野線車両のメンテナンスを行ってきた現場社員の発案による取り組みで、これまで長きにわたって武蔵野線で活躍してきた205系への感謝と、譲渡先のインドネシア通勤鉄道会社へメッセージを送りたいとの思いから実施しました。一般のお客さまの注目を集めるとともに、譲渡した車両がインドネシアの地で活躍することを願っています。
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