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ドキンちゃんご飯でさようなら 鶴ひろみさんお別れ会、食事への思い

皮をドキンちゃんに細工したリンゴなど、アンパンマンやドラゴンボールの世界観にあふれた食事がふるまわれた
皮をドキンちゃんに細工したリンゴなど、アンパンマンやドラゴンボールの世界観にあふれた食事がふるまわれた

目次

 昨年11月に57歳で死去した、人気アニメ「それいけ!アンパンマン」のドキンちゃん役などで知られる声優の鶴ひろみさんのお別れ会が13日、東京都港区の青山葬儀所でありました。声優の野沢雅子さんや戸田恵子さんら、親交があった関係者には、献花後の懇親会で、ドキンちゃんやブルマ役を演じた「ドラゴンボール」をイメージした食事がふるまわれました。「本当につらい日なんですけど、かわいく作ってもらって、気持ちが和みました」。同じ業界で40年近く苦楽をともにした鶴さんの親友も、笑顔をほころばせました。

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鶴さんの好きだった紫を基調とした祭壇。ブルマとドキンちゃんのパネルも飾られた
鶴さんの好きだった紫を基調とした祭壇。ブルマとドキンちゃんのパネルも飾られた

「ドキンちゃん、バイバイキーン」

 鶴さんは昨年11月、東京都内の首都高の中央分離帯に接触して止まった乗用車の中で意識不明の状態で見つかり、大動脈解離で亡くなりました。

 ドキンちゃんやブルマのほかにも、「GS美神」の美神令子役や「気まぐれオレンジ☆ロード」の鮎川まどか役など、人気アニメのキャラクターを演じていた鶴さん。祭壇の遺影は鶴さんが好きだった紫色にあわせてバラやスイートピーなど約6千本の花で飾られ、ドキンちゃんやブルマのパネル、ドラゴンボールのバルーンも用意されました。ブルマがエンディングで登場する「ロマンティックあげるよ」も会場のBGMで流れました。

 お別れの会では、約400人の参列者が鶴さんの早すぎる死を悼みました。ドラゴンボールで長い間、共演をした野沢さんは「ひろみ。何回呼んでも、何万回呼んでも、もう答え返ってこないんだよね。寂しいよ。ドラゴンボールが7つそろって、ドラゴンボールって何でもかなえてくれるんだよね。でも、今回はだめだった。ごめんね。ひろみが最初にドラゴンボールに出た時に『一緒にできて本当にうれしい』と言ってくれた言葉は私の中にしっかりと残っています」と弔辞を読み上げました。

 ばいきんまん役の中尾隆聖さんは「つらいですけど、頑張って番組を続けていきます。これからも見守っていてください」と述べ、最後は涙声で「ドキンちゃん、バイバイキーン」と別れを告げました。

鶴さんの好きだった紫を基調とした祭壇。ドキンちゃんとブルマのパネルも飾られた
鶴さんの好きだった紫を基調とした祭壇。ドキンちゃんとブルマのパネルも飾られた

ドキンちゃんのお菓子「気持ちが和みました」

 献花を終えた親族や友人、同業の関係者たちは、鶴さんの写真や演じてきたキャラクターなどが飾られた懇親会場に移動。ビュッフェ形式で出された食事は、鶴さんの代表作であるアンパンマンやドラゴンボールの世界観があふれるものでした。

懇親会の会場には鶴さんとゆかりの深いアニメのキャラクターが飾られた
懇親会の会場には鶴さんとゆかりの深いアニメのキャラクターが飾られた

 ドキンちゃんとばいきんまんのライスペーパー巻き、皮をドキンちゃんに細工したリンゴが入ったフルーツの盛り合わせのほか、ドラゴンボールのゼリー、キュウリで作ったシェンロンなど、食べるのがもったいないようなものばかり。ブルマが発明したドラゴンレーダーに見立てたメロンパンやホイポイカプセル風のイカの握りもありました。

ドキンちゃんとばいきんまんのライスペーパー巻きが入ったピクニックプレート
ドキンちゃんとばいきんまんのライスペーパー巻きが入ったピクニックプレート
ドラゴンレーダーに見立てたメロンパン
ドラゴンレーダーに見立てたメロンパン
キュウリで作ったシェンロン
キュウリで作ったシェンロン

 「すごくかわいい」「シェンロンだ」などと見た目も楽しみながら、鶴さんとの思い出話に花を咲かせた参列者たち。お別れの会で司会を務めた声優の山本百合子さん(57)は「ドキンちゃんのお菓子がすごくかわいい。こんなに手の込んだ食事を作ってもらってありがたいです」。

 「魔法使いサリー」のサリー役などで知られる山本さんは、20歳の頃から同じ業界で苦楽をともにしてきた鶴さんの親友です。「今日は本当につらい日なんですけど、こうした食事で少しは気持ちが和みました。かわいく作ってもらって、きっと喜んでいると思います」

ドキンちゃんのマカロンとしょくぱんまんのクッキー
ドキンちゃんのマカロンとしょくぱんまんのクッキー

笑顔でさようならを

 祭壇や食事などを担当したのは、2016年の「水木しげるサン お別れの会」でも、ゲゲゲの鬼太郎にちなんだ花の装飾や料理を手がけた日比谷花壇です。日比谷花壇の金澤和央さんは「ご縁があって参列した人たちが、しんみりとさようならをするのではなくて、思い出を語り合って笑顔になってもらいたい。そうしたきっかけになればと食事も考えました。参列者の人たちもそう思ってもらえればうれしいです」と話しました。

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