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虫を食う、土も食う 探検部おすすめ「まねしにくい」サバイバル術

バラエティー豊富な虫料理の数々=2017年4月23日
バラエティー豊富な虫料理の数々=2017年4月23日 出典: 早稲田大学探検部

目次

 将来の「食糧難に備えて」虫を食べる。そんなイベントを企画しているのが早稲田大学探検部です。今年8月、ロシア極東・カムチャツカの未踏峰登頂を果たしました。最近では入部希望者が増え、部員数は過去20年で最大になっています。たいていの人は探検と接点はありません。そんな普通の人でも楽しめる「探検スポット」や「探検テクニック」について聞いてみました。

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洞窟がおすすめ

 話を聞いたのは、早大探検部3年の大越森平さん(20)、井上一星さん(21)、小野寺正人さん(21)、2年の山内将輝さん(19)です。

――初心者にオススメのスポットはありますか?
大越さん「洞窟はオススメですね。地中には真の闇が広がります。まさに一寸先が見えず、視覚が完全に奪われる状態。『こんな世界があるのか』と、世界の見方が変わるかもしれません。観光地化されていないところは簡単には行けませんが、東京の奥多摩の『ちょうちん穴』は、経験者が一緒なら初心者も挑戦できます。もちろん、装備と下調べは必要です」

東京・奥多摩の「ちょうちん穴」=2017年4月22日
東京・奥多摩の「ちょうちん穴」=2017年4月22日 出典: 早稲田大学探検部

虫を食う

――面白そう。でもハードル高そう……。ほかにはありますか?
大越さん「『探検的』ってことなら、虫食と土食は面白いと思いますよ」

――虫!?土!?
大越さん「4月に『美味しい土を探しに』と『春の虫食会』という活動をやったんですけど、世界の見方を変える力を持っていると思いましたね」

――具体的には……?
小野寺さん「虫食は、新歓行事として2年前からやっています。『食糧難に備えて』と掲げてますが、探検は虫との戦いが多いので慣れられるように。訓練の一つみたいなもんですね。やってると、黙々と土掘る人、虫追いかけ回してどっか行っちゃう人、『こんなん食うの?マジ無理』とうるさい人……と、それぞれの性格が出ますね」

小野寺さん「今まではとにかく『揚げたり炒めたりして、塩で食べる』でしたが、なかなか厳しかったです(苦笑)今年は色々な料理を試して、完成度も高かったです」

小野寺さん「安定して評判がいいのは、スズメバチの姿揚げ。今年は南蛮漬けにしましたが、おいしかったです。春は、少数ですが木の中にいます。でも、危険なのでオススメはできませんが。その他は、ミミズやミルワーム。ミミズは、先端を切って泥抜きをして、チヂミにしました。チョウは調理法に困っていましたが、ゆでると羽がシャキシャキして、冷ややっこと合いました。『チョウはゆでる』が正解なのかな、と。クワガタは、いまだにどう調理したらいいか分かりません(苦笑)」

小野寺さん「同じ虫でも調理法一つで味が変わって、新しい発見があるのが面白いところですね。ただ、今回は味付けで『虫感』を薄めたところもあって、『素材の味を楽しむ』部分が足りなかったのが反省です」

土も食う

――土食とは?

山内さん「土食は、小説で知って興味を持ちました。調べると、ハイチやフランスなど色々な国で食材にしていて、日本でもアイヌの人たちが食べていたようです。明治時代(明治14年7月9日)の朝日新聞に、滋賀県の山においしい土があって村人が食べていたという記事があるのを見つけて、3月に実食しに行きました」

山内さん「基本的に、食べられるのはふるいにかけて粒を細かくしたもの。荒いものは明らかに食べ物ではなく、本能的にはき出そうとしましたね(苦笑)ゆりの根のスープやコーヒーは土の風味も楽しめて、一応料理として成り立っていたと思います。逆に、パンケーキは、見た目はおいしそうなのに、食べたら柔らかい中に異物があってダメでしたね」

土入りゆり根のスープ=2017年3月14日
土入りゆり根のスープ=2017年3月14日 出典: 早稲田大学探検部
土入りパンケーキ=2017年3月14日
土入りパンケーキ=2017年3月14日 出典: 早稲田大学探検部

山内さん「当初は、土をおいしく食べることが目標でしたが、結果的には日本人には難しいかなぁと(苦笑)。でも、東京には、土のコース料理を食べられるフランス料理屋さんがあるみたいです」

山内さん「今まで、土を食べ物という観点で見たことがなかったので、その固定観念とか感覚をずらしてモノを捉えてみて、新鮮な面白さもありました。創造力を広げられたと思いますし、『探検的』な意義はあったかな、と」

使える「フリーズドライ食品」

――探検で使っていて、「これはオススメ」というアイテムなどはありますか?

井上さん「カムチャツカ遠征では、『フリーズドライ食品』が役立ちました。とにかく軽いし手軽で栄養もあります。カレーはお店の味みたいだし、カツ丼や親子丼などバリエーションも豊富です」

「アマノフーズ お茶碗どんぶり 親子丼」

大越さん「ソーラーパネルも便利ですね。小型のものが色々出ていて、ザックにつければ移動しながらスマホを充電できたりします。アウトドアはもちろん、災害時も役に立ちます」

「ソーラー充電器 RAVPower」

井上さん「あとは、プラスチック製の水筒(プラティパス)も、かさばらなくて軽い。デザインもオシャレなものが多くてオススメです。傘も軽くてコンパクトなものが出ていて、トレッキングで使う人も増えているみたいです。探検って、やってることは原始的ですけど、(ウェアや傘など)装備は最先端のものが多くて、うまく活用すれば、普段使いはもちろん、災害の備えにもなりますね」

「Platypus(プラティパス) アウトドア 給水用 ボトル」

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