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切符の「パンチくず」アート再び 作者は駅助役、350時間かけて完成

大阪市営地下鉄の駅に展示されているアート作品が、ツイッター上で注目を集めています。

切符のパンチくずで描かれた機関車
切符のパンチくずで描かれた機関車 出典: 大阪市交通局提供

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 大阪市営地下鉄の駅に展示されているアート作品が、ツイッター上で注目を集めています。列車を描いた白黒のモザイク画のように見えますが、実は切符のパンチくずで作られたものです。2年前に1作目が完成した際、「もう二度としない」と話していた駅助役が再び制作しました。17万4720個のパンチくずを使って、350時間かけて作ったという新作について話を聞きました。

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西梅田駅に2作品が展示されています
西梅田駅に2作品が展示されています 出典: 大阪市交通局提供

ツイッターで話題に


 先月下旬、「ぜひ生で見てほしい」という文言とともにツイッター投稿された画像。そこには、切符を改札機に通したときに切り取られた丸い部分「パンチくず」を並べて作った地下鉄車両が写っています。

こちらは地下鉄車両
こちらは地下鉄車両 出典: 大阪市交通局提供


 この投稿以外にも、パンチくずで機関車を描いた作品を写したものもツイートされていて、2つの作品は同じ場所に並べて展示されているようです。

こちらは機関車
こちらは機関車 出典: 大阪市交通局提供


 大阪市交通局によると、2作品が展示してあるのは地下鉄四つ橋線の西梅田駅。

 ピンセットで一つ一つつまんで両面テープで模造紙に貼ってあり、切符の裏で黒、表で白、文字が書かれた部分で灰色を表現しています。

 1作目である地下鉄車両の横には、制作者コメントとして「もう二度としない」と書かれています。

 後から作られた機関車作品のコメントには、「すいません。二度目やっちゃいました……」の文字が。

 なぜ、再び制作したのか? 現在は大阪市営地下鉄の大国町駅で助役として勤務している山口雅博さん(48)に話を聞きました。

作者の山口雅博さん=2015年11月撮影
作者の山口雅博さん=2015年11月撮影 出典: 朝日新聞

かかった時間は


 ――2つの作品はどこに飾ってあるのでしょうか

 いずれも地下鉄四つ橋線西梅田駅の中改札付近にある西梅田地下画廊で展示しています。

 ――新作に機関車を選んだ理由は

 実はこちらは3作品目になります。2作目は自分の好きなハードロックバンドを元に制作しましたが、電車に関係ない作品を飾るのはイマイチ気が引けたので、電車関連の作品を作って、そのおまけとして展示しようと考えたためです。

 ――電車に関する2作品の制作にかかった時間は

 最初の地下鉄車両は約300時間、機関車は約350時間です。

 ――使ったパンチくずの数は

 地下鉄車両は15万3600個、機関車は17万4720個です。

アップで見るとパンチくずだとわかる
アップで見るとパンチくずだとわかる 出典: 大阪市交通局提供

「もう二度としない」って言ってたのに


 ――作る上で大変だった点や工夫した点は

 作成にあたって、いわゆる設計図のようなものが必要です。写真の画素数を320×480に変換して、さらに点描絵に変換するというイメージこそあれど、それを具現化するのにかなり苦労しました。ネットでフリーソフトを色々と探し、ようやく理想のものを見つけることができました。

 制作に関しては、根気は必要ですが、もともと細かい作業が好きなので、苦労したとは感じていません。ただ、制作に約300時間を要し、こちらを優先しすぎてテニス、ギターなど他の趣味がおろそかになりました。家族からも冷ややかな目で見られました。

 ――1作目の際には「もう二度としない」とコメントされていましたが

 半年もしないうちに次回作を作りたくなり、今度は自分の好きなものを作って家にでも飾ろうと思いました。しかし苦労して完成させるとやはり人に見てもらいたいという心情が働くもの。ただ電車に関係ない作品を飾るのはイマイチ気が引けたので、電車関連の作品を作り、そのおまけとしてなら……という思いから3作目の機関車を作りました。しかし、2作目は著作権的にマズいのではという意見から、皮肉にもボツになりました。

 ――再び話題になったことについては

 好きで作成したとはいえ、やはり苦労して作ったので話題に取り上げていただいて報われた感があります。

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