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常識超えたマネキン そごう広島店の躍動感、モチーフはあのスポーツ
そごう広島店に設置された「マネキン」がツイッター上で話題になっています。
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そごう広島店に設置された「マネキン」がツイッター上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
そごう広島店に設置された「マネキン」がツイッター上で話題になっています。躍動感あふれるポーズが「スタイリッシュ過ぎる」「PERFECT HUMANかと思った」と注目を集めているのです。なぜ、このようなマネキンが作られたのか? 制作元に聞くと、ジョークでもネタでもない、本気の「ものづくり」の結果だということがわかりました。
先月下旬、「セットした店員さんはさぞ楽しかっただろう」という文言とともにツイッター投稿された画像。
そこには2体のマネキンが写っており、一体はバク宙(後方宙返り)、もう一体は両手をコンドルのように広げてジャンプしています。
この投稿に対して、「ユーモアのある店員さんですね」「PERFECT HUMANの『We live in Tokyo』の部分の踊り?」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万7千、いいねは4万2千を超えています。
そごう広島店の公式ツイッターアカウントも「ふふふ。アグレッシブマネキンをツイートしてくださってました」と反応しています。
なぜマネキンにこのようなポーズをとらせたのでしょうか? そごう広島店の販売促進部の担当者に話を聞きました。
――いつから設置しているのでしょうか
「6月13日から、クールビズのPR用として設置しました。6月末でいったん終了しましたが、8月22日からは、秋へのスイッチ提案として再び登場し、9月20日ごろまで設置する予定です」
――どの売り場に設置されていますか
「新館6階の紳士服売り場です。その他の売り場にはございません」
――他のそごう店舗でも設置されているのでしょうか
「現状は広島店のみと聞いています。今夏に横浜店に設置されたマネキンが話題になり、それを見て『インパクトがあって面白い! 広島店にも置きたい!』ということでリース発注しました」
――このようなポーズにした狙いは
「マネキンはリースなのでポーズは共通ですが、スーツを軽快に着ていただくイメージを表現するために選びました。本年のクールビズでは『パンツ丈-5cmへの挑戦』というテーマでくるぶしを出し、足もとの涼しさ・軽快さをPRしました。また現在は、暑さの続く9月上旬に最適なPRとして、ストレッチなど機能性を訴求しています」
――参考にしたポーズがあるのでしょうか
「パルクールというスポーツを参考にしています。どんな地形でも自由に動ける肉体と精神力の獲得を目指すメソッドをモチーフにしています」
――ツイートで使われていた「アグレッシブマネキン」という表現は
「普段は『アクティブマネキン』と呼ぶことが多いですね。ただ、話題になってそう呼ぶこともあります」
――お客さんからの反応は
「常識を超えたマネキンのポーズに、お客様が二度見したり、驚かれた後に笑顔になったり、という様子を見かけました。また、写真を撮ってSNSなどで拡散していただいております」
――話題になったことについては
「マネキンをネットで見た後、リアルを見たくて来店されたお客様も多数いらっしゃいます。ツイッターで多くの方がリツイートしていただき、正直ビックリしています。今後も、お客様に『面白い!』と感じていただけるような演出をしていきたいと思っています。マネキンを通じて季節を感じ、シーンを想像しながらウインドウショッピングもお買い物も楽しんでいただきたいなと思います」
今回話題になったマネキンは、「トーマネ」(東京都)が製造している『パルクール』シリーズです。特徴などについて、社長室室長の岩下沢子さんに聞きました。
――『パルクール』シリーズの特徴は
「パルクールは、私どもの技術を最大限に表現するため、彫刻的な要素をふんだんに採り入れ、その肉体の瞬間を表現したものです。いわゆる『贅を尽くした』仕様なんです。原型師たちは人体の骨組み・筋肉・可動域など全て学んでおり、その瞬間表現に対応するための知識と技術を兼ね備えています」
――制作する上でのこだわりは
「1/4スケールの粘土ミニチュア原型でそのイメージをつかみ、実際の等身大粘土原型を制作します。瞬間表現を損なうことのないジョイントやスタンドも、研究を重ねて独自に制作したものです。片手で立つマネキンは、その右手のみで確実に全身を支えることが可能です。マネキン業界では常識を超えたシリーズなんです」
――なぜこのようなポーズのマネキンを
「2016年12月、東銀座で展示会を行いました。1934年創業のものづくり企業として、その領域で『見たことない』『感動』『ワクワク』を表現したかったんです」
――話題になったことについては
「トーマネの『パルクール』シリーズにふれた皆さまが、何かを感じ取っていただけたことが、何よりの喜びです」
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