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日没30分後に閉館! 「絶景」美術館が話題 時間バラバラの理由は?
「閉館時間は決まった時間ではなく日没30分後です」。そんな美術館がツイッター上で話題になっています。
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「閉館時間は決まった時間ではなく日没30分後です」。そんな美術館がツイッター上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「閉館時間は決まった時間ではなく日没30分後です」。そんな美術館がツイッター上で話題になっています。宍道湖のほとりに建つ島根県立美術館です。「粋な計らい」「行ってみたい」と評判を呼んでいる取り組みについて、美術館に話を聞きました。
1999年3月に開館した島根県立美術館。湖と空に融合するような建築設計は、建築家・菊竹清訓によるものです。
ロビーに足を踏み入れると、穏やかな波状のカーブを描いた天井が目に入り、ガラス張りの側面からは美しい宍道湖の景観が広がります。
風景と一体化したような建物は、水面と大地をつなぐ「なぎさ」をイメージしたものだそうです。
そんな美術館が先日、ツイッター上で話題になりました。
8月中旬、「あまりに夕陽が綺麗に見えるので、閉館時間が『○時』ではなく『日没の30分後』という粋な美術館です」という文言とともに、ホームページの閉館時間を記した部分の画像が投稿されました。
どうやら、夕日を満喫してもらうために閉館時間を「日没30分後」と設定しているようです。
この投稿に対して、「なんて素敵な美術館」「行ってみたい」と話題になり、リツイートは9千、いいねは1万2千を超えています。
美術館のホームページによると、2009年にミシュランが発行した旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で星1つを獲得。建物から望む宍道湖の夕日は「日本の夕陽百選」にも選ばれたそうです。
「日没30分後としているのは3月から9月まで。それ以外の期間は18時半と定時閉館です」。そう話すのは美術館の宮本彩子さん。
年間通して実施しないのは、冬の時期は閉館時間があまりに早くなりすぎてしまうためだそうです。
日没30分後といっても、その日ごとに閉館時間を発表するわけではありません。年間予測をもとに、あらかじめ1分単位で閉館時間を定めていて、ホームページで公開しています。
2017年の閉館時間一覧表を確認すると、最も遅いのは6月の夏至の日前後で19時57分。通常よりも1時間半近く長く開館していることになります。
ユニークな閉館時間は、1999年の開館当時からだそうです。
また、ロビーや湖岸の公園を無料開放しているため、お金を払って作品展を見た人だけでなく、夕日を見るためだけに来てもいいそうです。
宮本さんは「美術館というと敷居が高いイメージですが、まずは夕日観賞だけでもお気軽にいらしてください」と話します。
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