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あの「瞬足」に上履き? 廊下を走っちゃダメでは… アキレスに聞く
「瞬足に上履きが存在する」と話題になっています。
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「瞬足に上履きが存在する」と話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「運動会で速く走れる靴」というイメージが強い「瞬足」。そんなアキレスの看板商品に「上履きが存在する」と話題になっています。「学校の廊下は走っちゃダメ」と教わったのに、なぜ瞬足ブランドで上履きを出したのか? 取材してみると、そこにはちゃんとした理由がありました。
「瞬足」が誕生したのは2003年。左右の靴底の形を変えて運動場のコーナーを走りやすいようにしたもので、当時は「コーナーで差をつけろ」「ナンバー1を君に」などをうたい文句に、小学生を中心に支持を集めました。
2013年には、それまで培ってきた靴作りの技術を生かして「足を育む」ことを掲げ、順天堂大スポーツ健康科学部と共同開発した「瞬足 足育シリーズ」も展開。
速く走るだけでなく、通学靴としての機能も充実させながらラインナップを増やし、現在は年間600万足を販売する看板商品にまで成長しました。
圧倒的な知名度がある瞬足の「ブランド力」を生かした事業も展開。伊藤忠商事と組んだライセンス事業では、帽子やなわとび、ランドセルといった商品も販売しています。
そんな瞬足が7月下旬、ツイッター上で話題になりました。
「廊下ははしっちゃダメ!!って怒られるのに上履きが瞬足だなんて…」という文言とともに投稿された画像には、上履きが写っていて、陳列棚には「瞬足うわばき」と書かれています。
この投稿に対して、「体育館用?」「災害のとき少しでも早く逃げられるように?」といったコメントが寄せられ、リツイートは3600、いいねは5300を超えています。
「瞬足うわばき」はすでに発売されているのか? アキレスのシューズ事業部で「瞬足の生みの親」と呼ばれている津端裕さんに聞くと、「来春の本格展開に向けて一部店舗で試験販売しています」と教えてくれました。
「運動会で速く走れる」というイメージの強い瞬足ブランドで上履きを販売する狙いについて、津端さんはこう説明します。
「子どもたちが1日のなかで一番長く履いているのが上履きです。だからこそ、しっかりしたものを履いてもらいたいと商品展開してきましたが、『いつもの安いやつでいいんじゃない』という声も多く、なかなか浸透しませんでした。そこで、瞬足ブランドでの本格展開を決めたんです」
これまでアキレスでは、安定した歩行をサポートしたり、長時間履いても疲れにくかったり、といった機能性の高い上履きを展開してきましたが、思うように販売は伸びませんでした。
2013年には、瞬足のブランド名を冠した内履き・外履き兼用シューズ「瞬足そくいく SKI0010」を発売。東日本大震災時に「上履きのまま高いところへ走って逃げたら助かった」という子どもたちの声を背景に商品化したものです。
今回話題になった試験販売中の商品は、上履きに特化して、さらに機能性を向上させたものになるといいます。
「これまで定着してこなかったのは、メーカーの責任でもあると考えています。来春に発売する『瞬足うわばき』では、上履きの概念を変えたいと考えていますので、もうしばらくお待ちください」と津端さんは話します。
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