川越氷川神社(埼玉県川越市)で行われている祭事「縁むすび風鈴」が、Twitterやinstagramで「フォトジェニックだ」と話題になっています。実際に行ってみると、平日の昼にもかかわらず、スマホやカメラを携えた人がたくさん訪れています。一体どんな祭事なのでしょうか。
今年で4回目となる川越氷川神社の「縁むすび風鈴」。広い境内の中に2千個のカラフルな江戸風鈴が飾られています。
Twitterやinstagramではフォトジェニックな写真とともに、「風鈴がすごく綺麗」、「音に癒される」、「風鈴大好きさんには天国」などの投稿が広がっています。
取材した日は平日の午後。あいにくの雨天だったのですが、境内には見えるだけでも50人以上の人が参拝していました。
高校時代の同級生と来たという都内在住の会社員の女性は、「平日で雨なのにこんなに人がいるのはすごい」と驚いていました。
川越氷川神社では素盞嗚尊(すさのおのみこと)と奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)の夫婦をはじめとした、5柱の神様を祀っています。
この神々が家族であることから、縁結び・夫婦円満・家庭円満の神社として知られています。
川越氷川神社で7月1日から開催されている「縁むすび風鈴」では、飾られた風鈴に願い事を書いた木の短冊を結ぶことができます。
同神社の神主の荒川裕也さん(31)は、「昔から風には人の想いを運ぶ力があると信じられてきました」話します。
「目には見えない風ですが、風鈴の音が鳴ることでその風を耳で感じることができます」
「自分の想いを託した風鈴が『チリン』と鳴ったときに、神様や大切な方に届いているのかな、と感じていただけるように始めた神事です」
「今は携帯などが発達して、メールや電話でダイレクトに相手に気持ちが伝わりますが、風に想いを託していた昔の人の奥ゆかしい考え方を少しでも感じていただければと思います」
境内でカラフルな風鈴が集まっているところには、写真待ちの行列ができていました。
「写真がメインになってしまっているのでは」と聞くと、荒川さんは「神社ですので、まずはお参りをしていただきたいのですが、神社で笑顔で写真を撮っていただくのは我々にとっても嬉しいことです」といいます。
「来てくださった方々がみんなで写れるように、境内にカメラスタンドも用意しています」
撮影のおすすめを聞くと「夜の風鈴もライトアップされて綺麗ですが、写真を撮るのであれば昼にお越しいただくのがよいのでは」と話しています。
平日の昼なのに参拝する人が多くて驚いたのですが、更に驚いたのは浴衣姿の女性客も多かったことです。私が確認できただけでも、5組以上が浴衣で参拝していました。
神奈川県茅ヶ崎市から友人と来たという会社員の女性(26)も浴衣でした。神社近くのお店でレンタルしたそうです。
「『縁むすび風鈴』は友人のSNSで見て、ずっと気になっていた。せっかく行くのであれば、写真映えするようにと思って浴衣を予約した」と話します。
「『いいね』がいっぱいつくといいな。雨だからハッシュタグは『#雨の日の川越』にしようかな」と空を仰ぎます。
川越市には蔵造りを残す歴史ある街並みがあります。「川越きもののの日」実行委員会事務局によると、「蔵づくりの街並みには着物が似合う」として、6年前より着物での観光を推進しているそうです。
現在は毎月8、18、28日を「川越きもののの日」とし、協賛するお店に着物や浴衣で行くと、サービスを割り引きで受けられるとのことです。
レンタルきもの屋さんも8店舗あるので、着物や浴衣を持っていなくても楽しめるそうです。
今年の「縁むすび風鈴」は9月10日(日)まで、朝9時から夜9時まで鮮やかな風鈴を眺めることができます。
神主の荒川さんは「夏の風物詩である風鈴には浴衣がよく似合います。ぜひ浴衣でお越しいただき、川越の街を楽しんでいっていただければ」と話しています。