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ゲゲゲの鬼太郎、花束に SNSで話題の「お別れの会」が縁でコラボ
「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎や目玉おやじのキャラクターを使った遊び心あふれる花束が、3日から発売されます。手がけたのは、作者・水木しげるさんの「お別れの会」で花の装飾や料理を取り仕切り、SNSで話題になった日比谷花壇(東京)です。水木さんの長女・原口尚子さんによると、店先の花や野道に咲く小さな花など、花が大好きだったという水木さん。「健啖家(けんたんか)な上、おしゃれなイメージもないので、水木は『花より団子』な人というイメージが大きいかと思いますが、『花も団子も』な人でした。水木が生きていたら、とても喜んだと思います」と話しています。
3日から発売される「ゲゲゲのお花」は、鬼太郎のちゃんちゃんこをイメージしたラッピングペーパーで包まれた「鬼太郎スタンディングブーケ」(税込2376円)と、キャラクターのアクリルプレートが添えられた「ゲゲゲのプリザーブドフラワーアレンジメント」(税込3240円)です。渋谷ヒカリエ ShinQsの「Hibiya-Kadan Style」など直営5店舗で販売されます。
ブーケは、洋菊の「ピンポンマム」で目玉おやじを表現し、ひまわりなど季節の花を、鬼太郎のちゃんちゃんこで包みました。日比谷花壇によると、ラッピングをしたままでも飾れるようスタンディングの形にしたそうです。
プリザーブドフラワーは、バラなどを使って「ゲゲゲの鬼太郎」の妖しくて楽しい世界観を表しています。プレートも「鬼太郎」「目玉おやじ」「一反もめん」「ねずみ男」と4種類のプレートが用意されています。
8月23日にはネットでも、色合いを変えたブーケ(税込3780円)とプリザーブドフラワーアレンジメント(税込5400円)を販売する予定です。水木プロダクションの代表でもある原口さんは「キャラクターにあったお花や色合いを考えて下さり、絵を描く上で色の組み合わせにこだわっていた水木本人も、納得する出来だと思います」と満足しています。
水木プロによると、生花を使った商品でライセンス契約を結ぶのは初めて。「お別れの会の時にお手伝い下さった日比谷花壇さんからのご提案なので、ご縁を感じました」とコラボの理由を話します。
昨年1月のお別れの会で、日比谷花壇は祭壇の花や「妖怪ポスト」、関係者に振る舞われた料理などを企画しました。今回のブーケにも使われたピンポンマムの目玉おやじは、コサージュに用いられ、料理も「ぬりかべ風サンドイッチ」や「ゲゲゲの煮物盛り合わせ」など、鬼太郎のキャラクターがふんだんに使われました。
完成度が高くユーモアにあふれた、花の装飾や料理の写真は、SNSに投稿されると「水木サンへの愛がすごい」などと、話題に。担当した金澤和央さんは「しんみりとお焼香をしてさよならではなくて、参列した人たちに故人の思い出を語りあってもらいたい。そうした思いも込めてユーモアあふれるお別れの会を提案したのですが、原口さんをはじめご家族がすごく笑顔になってくれて、最高によかった」と振り返ります。
一周忌に合わせて東京・神楽坂で開かれたイベントでも、お別れの会で好評だった「ゲゲゲのマカロン」の相談を受けるなど、良好な関係を続けてきた水木プロと日比谷花壇。「鬼太郎とまたコラボしたいと思っていた」という金澤さんの思いと同じく、日比谷花壇の社内でもお墓参りをもっと親しみやすく感じてもらおうと、「ゲゲゲの鬼太郎」を使った商品を企画する動きがあり、今春に商品化を提案したところ、水木プロも「面白い」と快諾したそうです。
そして実際、試作品が出来上がると社内からは「仏事用だけではもったいない」という声が多く上がり、一般向けのギフトとして販売されることになりました。金澤さんと商品企画に携わった吉村孝さんは「鬼太郎のキャラクターは、小さい子からおじいさんおばあさんまでみんなが知っている。ゲゲゲのお花が会話のきっかけとなり、世代間をつないでもらえたら」と期待を込めています。
鬼太郎は「あの世」と「この世」を自由に行き来できることから、日比谷花壇はこれから迎えるお盆での用途も提案。原口さんも「このお花を通じて鬼太郎に、故人への思いを託してもらえれば。そしてそれが、お孫さん世代の子ども達にも『故人を思い出すきっかけ』となれば」と話しています。
「ゲゲゲのお花」はHibiya-Kadan Styleの「渋谷ヒカリエ ShinQs」「西武池袋」「新橋駅」「エキュート大宮」「なんばCITY」の5店舗で3日から販売し、売り切れ次第終了。オンラインショッピングサイトでは8月23日から販売を始める予定です。問い合わせなど、詳しくはHibiya-Kadan Styleのホームページで。
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