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IT・科学

ドラクエの日、1986年発売の「同級生ソフト」は名作揃いだった!

「ドラゴンクエスト3」のファミコンソフトを買うためにできた長い行列=1988年2月10日
「ドラゴンクエスト3」のファミコンソフトを買うためにできた長い行列=1988年2月10日 出典: 朝日新聞

目次

 5月27日は初代ドラゴンクエストが発売された日です。今では「ドラクエの日」として、様々なイベントが開催されています。初代ドラクエが発売されたのは1986年。その年は、ファミコンの黄金期で、名作から変わり種まで、様々なゲームソフトが発売されました。日本のゲームの土台を築いたドラクエの「同級生」を振り返ります。

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人気ソフトに行列の光景

 ファミコン黄金期ともいえる、この年。12月だけでも40本というゲームソフトが発売されました。人気ソフトの発売日に行列ができる光景も定着します。

 この年のファミコンは900万台が普及していたといわれ、ソフト開発会社は、総力をあげて開発に取り組んでいました。

 当時の取材に、ハドソンは「ファミコンの本体は、普及する限界まで来ていると思う。いわばパイそのものは変わらない状態で、ソフトの数だけは増えている。子どもの期待を裏切るようなものを作ったら、すぐそっぽを向かれてしまう」と答えるなど、質が重視される「競争時代」でもありました。

 1986年に発売された初代ドラクエの「同級生ゲーム」は、そんな歴史的な年に生まれた作品でした。

発売当日にドラゴンクエスト3を求める人の列=1988年2月10日
発売当日にドラゴンクエスト3を求める人の列=1988年2月10日 出典: 朝日新聞

ツインビー

 コナミから発売された縦スクロール型のシューティングゲームです。

 2人同時プレーのシューティングゲームとしてのパイオニア的な存在です。パワーアップするベルを狙って、雲を撃ちまくった記憶がよみがえります。

 空中戦と地上への爆撃を同時に進めながら攻略していきました。ハードな世界観の多かったシューティングゲームの中で、ツインビーは、ポップなキャラクターで登場。デザインの新しさも目をひきました。


グラディウス

 コナミから発売された横スクロール型のシューティングゲームです。

 敵の編隊を撃ちながら、カプセルによって武器が成長していきます。自機のスピードが上がったり、武器がビームになったりした時の達成感がたまりません。

 音楽も評判で、ゲームから生まれたサントラ盤は、他のゲーム音楽のサントラ盤に比べても、根強いファンがいます。


魔界村

 カプコンから発売された横スクロール型のアクションゲームです。

 ゲームのタイトル通り、おどろおどろしい世界観ですが、騎士アーサーがダメージを受けると鎧(よろい)がなくなり、パンツ一丁になるという設定でした。

 パンツ一丁のまま、槍(やり)を投げ続け、なんとか敵の攻撃から逃げ回った時の心細さが思い出されます。


1986年6月 ファミリーコンピュータ用ソフト『魔界村』を発売。
カプコン公式サイトから

プロ野球ファミリースタジアム

 ナムコから発売された野球ゲームです。いわゆる「ファミスタ」です。

 「ファミスタ」以前にも、任天堂の「ベースボール」など野球ゲームがありました。しかし「ファミスタ」は選手の名前、データなどが細かく設定されており、プレーヤーが自分のファンのチームで遊べるという革命的な面白さがありました。

 モデルが想像される架空の選手名も、記憶に残りました。


ファミリーコンピュータ用ソフト 「プロ野球ファミリースタジアム」を発売。大ヒットに。
1980年代 | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

たけしの挑戦状

 タイトーから発売されたアクションアドベンチャーゲームです。

 発売日直前に、ビートたけしさんらによる「フライデー襲撃事件」が起きる、話題性盛りだくさんの登場でした。

 登場人物を殴ったり、離婚届を出したり、独特な世界観が最後まで守られます。

 ファミコン初期の「なんでもあり」を体現する1本だったと思います。

写真週刊誌「フライデー」編集部(講談社)へ軍団を引き連れて殴りこみ、傷害罪に問われた事件の初公判に現れたビートたけし(本名=北野武)氏=1987年4月17日
写真週刊誌「フライデー」編集部(講談社)へ軍団を引き連れて殴りこみ、傷害罪に問われた事件の初公判に現れたビートたけし(本名=北野武)氏=1987年4月17日 出典: 朝日新聞
徳間書店の出している「ファミリーコンピュータマガジン」によると、今月5日以降だけで年内に出る予定の新作ソフトは33本。漫画の人気者「ドラえもん」や、映画の封切りに合わせた「時空の旅人」など、それぞれが趣向をこらして、子ども心をひこうとしている。ビートたけしの逮捕がどう影響するか注目の、「たけしの挑戦状」といった変わり種もある。
1986年12月13日:クリスマスの陣過熱 ファミコン乱戦、新ソフトが続々 :朝日新聞紙面から

影の伝説

 タイトーから発売されたサイドビュー方式のアクションゲームです。

 純和風のデザインで、ドット絵で描かれる杉林や日本家屋は、今見ても美しいです。同じ原画なのに、色を変えるだけで、新緑、紅葉、雪景色になる絵柄は、この時代ならではの職人芸かもしれません。

 BGMも「ピコピコ音の和風アレンジ」という、ありそうでなかった表現が見事に結実しています。


西武百貨店池袋店では四月末の売り上げトップは「ゲゲゲの鬼太郎・妖怪大魔境」(バンダイ、四千九百円)。四月十七日に出たばかりの新作だ。鬼太郎だけでなく「謎の村雨城」や「影の伝説」のように、新しいものがよく売れている。他の百貨店や大型専門店でも同様の傾向。
1986年5月19日:群を抜く「スーパーマリオ」、ゲームソフト生き残り競争(店頭ウォッチ):日本経済新聞紙面から

忍者ハットリくん

 ハドソンから発売された横スクロールのアクションゲームです。

 原作のハットリくんと違い、身体能力が低めに設定されており、難易度は高めです。

 一方で、巻物のアイテムを手に入れると使える忍法によって、一定時間、特別な力を発揮します。もともとが低めのスペックなため、忍法のすごさを体感できる作りになっています。

 エリアゴールの鳥居では、好物のちくわがばらまかれますが、鉄アレーもまじっている「なんでそんないじわるを?」という、世知辛い達成感も魅力でした。

藤子不二雄(A)さんの出身地、富山県氷見市の職員らが忍者ハットリくんの着ぐるみを試着して忍術方法に挑戦=氷見市丸の内
藤子不二雄(A)さんの出身地、富山県氷見市の職員らが忍者ハットリくんの着ぐるみを試着して忍術方法に挑戦=氷見市丸の内 出典: 朝日新聞
最近、人気を呼んでいるゲームは二月二十二日発売の「グーニーズ」(発売元コナミ、四千九百円)、三月五日発売の「忍者ハットリくん」(ハドソン、同)。いずれも洋画や漫画のキャラクターを使い、物語り風なので家族で楽しめる。ゲームの売れ行きランキング上位の常連になってきた。
1986年5月19日:群を抜く「スーパーマリオ」、ゲームソフト生き残り競争(店頭ウォッチ):日本経済新聞紙面から

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