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生協のノンアルビール、「直球過ぎる」名前が話題 戦略か?偶然か?
日本生活協同組合連合会が、4月にCO・OP(コープ)ブランドで発売したノンアルコールビールの商品名が「直球すぎる」と話題になっています。意表を突くネーミングはなぜ生まれたのか? そこには意外な理由がありました。
ノンアルコールビールの商品名は、飲料メーカー各社が工夫しています。
・オールフリー(サントリー)
・パーフェクトフリー(キリンビール)
・ドライゼロ(アサヒビール)
などなど。「フリー」や「ゼロ」といった言葉で、ノンアルであることをスマートに伝えています。
トクホ商品でもある「SAPPORO+」(サッポロビール)のように、付加価値に焦点を当てたネーミングも登場。乱戦状態です。
そんな中、4月1日にコープのノンアルビールが発売されました。コープ商品は組合員向けに販売されるため、ネットで話題になることは多くありません。
しかし今月に入ると、ツイッターなどに「直球すぎるネーミング」「笑った」と反響が相次ぐようになりました。中には1万2000回以上、リツイートされたつぶやきもあります。
その商品名とは
Sirafu(シラフ)
です。
ノンアルコールビールの、シラフです。
特に飲んべえの人にはおなじみの言葉だと思いますが、念のため広辞苑で調べてみます。
【しら-ふ】酒を飲んでいない、平常の状態・態度
確かに・・・直球すぎる!
なぜ、こんな名前になったのでしょうか。
日本生活協同組合連合会の担当者に聞くと、意外な回答がかえってきました。
ーーなぜ商品名に「シラフ」を選んだのですか。
「実は、当初の候補では商品名は『Sheriff(シェリフ)』でした」
ーーあれ・・・少し違いますね。
「Sheriffは、アメリカの保安官を指す言葉です。西部劇に出て来るカッコいい正義の味方のイメージですね」
「商品の味わいも、甘さを抑えて、スパッと切れる後味を持たせています。そこで商品名にも、シェリフが飲んでサマになり、喉の渇きが一瞬で収まるという意味を込めようと考えました」
ーーそれがどうして、シラフに?
「シェリフでは意味が分かりづらい、デザイン性からさらに字数を短くする必要がある、といった課題が出てきたんです。なかなか次の案が出ずに悩みました」
「それで最終的に思いついたのが、アルファベットの文字が似ている『Sirafu』でした。一目でノンアルビールと分かりますし、これだ、と」
ーーということは・・・。
「偶然の産物ですね」
ーーとはいえ、話題性のあるネーミングになりました。
「コープ商品は、一般の店頭には並びません。ですのでツイッターで話題になるとは思いもよらず、とても驚いています」
日本生活協同組合連合会によると、Sirafuを店舗や宅配で取り扱うかどうかは、各地の生協ごとの判断です。そのため地域によってはSirafuの取り扱いがない可能性もあるといいます。
ただ、「これから夏に向けて、本格的に各地で取り扱いが増えていくと思われます」(広報担当者)とのことでした。
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