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マンガ

望まぬ妊娠、トイレで出産、でも…〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

漫画家・吉谷光平さんが、赤ちゃんポストについて描きました。

漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん

 付き合っていない男性とSEXして妊娠、トイレで出産……でも、この子を育てたい! ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが、赤ちゃんポストについて描きました。

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漫画「赤ちゃんポスト」=作・吉谷光平さん
漫画「赤ちゃんポスト」=作・吉谷光平さん
 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)が、熊本市の慈恵病院に開設されて10年が経ちました。

 預けられたのは120人以上。子どもにとって最善の選択なのかという懸念も抱えつつ、望まない妊娠で孤立する母親たちが絶えないという現実を映しています。
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
 10代での望まない妊娠。周りに打ち明けられずに一人で産んだ後、「ゆりかご」に託したという20代の女性。妊娠したのは、地元を離れ、中部地方の看護の専門学校に通っていた時でした。

 交際していない男性と1回だけセックス。生理が来なかったため検査薬で調べると陽性でした。中絶も考えましたが、ずるずると日が過ぎ、中絶手術が受けられなくなりました。周囲にはひた隠しにし、相手の男性とはそれっきりで相談しませんでした。

 「流れないかな」と、おなかに重い物を入れたバッグを落としたこともあったといいます。

 夏のある日、急におなかが痛くなり、学校の寮のトイレで男の子を産みました。
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
 悩んでいる時、テレビなどで話題となっていた「赤ちゃんポスト」をふと思い出しました。

 病棟の外側に設けられた二重扉を開け、中の保育器に赤ちゃんを置き、帰ろうとした際、病院の女性が声をかけてきました。「ちょっといいですか?」。

 自分の話を寄り添って聞いてくれる女性の胸で泣いたそうです。「どうしたいの?」と聞かれ、「卒業して、働くようになったら引き取りたい」と答えたそうです。
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
 男の子は児童相談所に保護され、乳児院に。いまは、母親の地元の児童養護施設で生活しています。母親は働きながら、月に1、2回ほど会いに行っていて、小学校に上がるまでには引き取るつもりです。

 一時は思い詰めて、2人で死ぬことも頭に浮かんだといいます。「(息子の存在が)なかったことにならなかったから、いま幸せ」。預けたのは間違いではなかった。母親はそう思っています。いずれ、息子にはすべてを隠さず伝えるつもりです。「うそはつきません。本当に大好きだから」
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「赤ちゃんポスト」の一場面=作・吉谷光平さん

 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

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