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「ビーチの妖精」が砂浜に立ち続ける理由…浅尾美和さんの今
かつて「ビーチの妖精」と呼ばれた元ビーチバレー選手の浅尾美和さん(31)が、今、取り組んでいるのが国際競技大会「ビーチゲームズ」の日本招致です。日本ではなじみのない競技に関わる理由とは? 現役時代は試合に勝っても負けてもメディアに注目され「申し訳ない気持ちになった」こともあるという浅尾さん。引退後も「マイナー競技」の盛り上げ役を引き受けた思いを聞きました。
――「ビーチゲームズ」ってなんですか?
「ビーチバレーボール、ビーチテニスなどビーチで開催される競技のオリンピックのような総合競技大会です」
――「ビーチゲームズ」の魅力は?
「ビーチテニスや、子どもから大人まで参加できるビーサン(ビーチサンダル)跳ばし、ビーチドッジボールなど様々な競技をやってみました。ドッジボールは転んでも地面が砂でふわふわなので、子どもたちは『気持ちいい』と言って、とても楽しそうでした」
「海に囲まれている日本には、お台場だけではなくステキな海岸がたくさんあると思いますが、5月にあるイベント「ジャパンビーチゲームズフェスティバル(JBGF)2017」には多くの人たちに参加してもらい、ビーチでこんなにも楽しむことができるんだってことを知ってもらいたいと思います」
――現役時代は「ビーチの妖精」として注目されました。
「五輪に向けてのことに集中していたので、現役時代は競技のPRなどは考えていられませんでした。でも周りが盛り上げてくれたおかげでメディアに取り上げていただき、スポンサーがついて海外遠征にも行けた」
「今回、JBGFで各競技が注目されるとスポンサーがつくなど、変わってくる部分があると思います。ナビゲーターとして、そのための発信をする側になれれば、と思います」
――正直、嫌だった取材はありましたか?
「私たちのペアがいつも優勝できれば良かったのですが、もちろんできない時もありました。私たちは当時、若手だったので、私たちのインタビューがあるのに優勝した先輩方のチームのインタビューがないと、とても申し訳ない気持ちになりました」
「でも引退してみて、すごく良い環境でやらせていただいたことに気づきました。大会の客席も、最初はパイプ椅子が並んでいるだけだったのが、競技が注目されるうちにスタンド席ができて、それが満員になるとちょっとの拍手でも盛り上がった。それでもまだ、知らない人は知らない。2020年東京五輪が勝負だな、と思います」
――ビーチバレーの教室もずっと続けていますね。
「教室の活動はこれからもずっとできたら、と思います。子どもが楽しんでいるのを見るだけで笑顔が伝染してすごく楽しくなる。親は子どもが楽しい顔をしているのを見るのが楽しいから、あとでイベントの写真を見ると、お母さんもお父さんもめっちゃいい顔をしているんです」
「あと、親も競技を体験した場合、子どもがいるから良いところを見せたくて頑張るんだけれど、砂浜に足を取られてうまく行かなかったり。それを見ながら、みんな笑顔になって、すごく幸せな気持ちになれるんです。ビーチイベントは家庭円満にもつながると思いますよ」
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あさお・みわ 1986年2月2日生まれ、三重県鈴鹿市出身、身長172センチ。三重県立津商業高校卒業。ビーチバレーの現役選手だった頃は、ファッションモデルなども経験し、「ビーチの妖精」と呼ばれる。2012年の現役引退後はタレントとして活躍中。現在、岐阜県在住で、2児の母。写真は日本ビーチ文化振興協会提供。
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