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近ごろよく見る「あのリュック」 アジアで大人気、実は日本生まれ
中国からの観光客をよく見ると、みんな使っているバッグがあります。ブランド名は「anello(アネロ)」。作っているのは日本のメーカーですが、日本よりアジアで圧倒的な知名度を誇ります。人気があり過ぎて、ネット上では偽物を見分けるテクニックまで拡散されるほど。いったい「アネロ」とは、どんなバッグなのでしょう?
アネロ(anello)は大阪に本社があるキャロットカンパニー傘下のブランドです。
キャロットカンパニー東京支店長の三浦力也(りきや)さんによると、アネロは元々イタリア語「輪」の意味で、転じて「年輪」の意味もあり、時間を重ねて成長していくという願いが込められているそうです。
キャロットカンパニーはバッグやアパレル関連の商品を手がけており、「デザイン、機能性、コストパフォーマンス」にこだわってきたそうです。そのため商品のブランド名は伏せて販売することも少なくありませんでした。
2005年にスタートした「アネロ」ですが、これまで専門のショップを持たず、アパレル専門店やバッグ・雑貨専門店、百貨店などに商品を卸してきました。
ブランド名の「アネロ」を前面に出すようになったのは2、3年前からで、日本での知名度は、それほど高くありません。
一方、「アネロ」は海外で大人気です。がま口型のバッグの代名詞にもなっています。なぜなのか?
キャロットカンパニーは、以前から、台湾や香港の販売店へ商品を卸していましたが、中でも「アネロ」のバッグは、品質がよく値段が手頃だったため、SNSで評判が拡散したそうです。
バッグの知名度は2014年ごろから高まりはじめ、2015年には台湾・香港でヒットします。その後、東南アジアのASEAN諸国に広がりました。
2016年になると中国でも人気に火が付きます。ただ、中国には、まだ正式な取り扱い店舗がなく、天猫(T-Mall)や、京東(JD.com)、淘宝(タオバオ)などのオンラインショップで買う人が多いそうです。
実際に買った人たちは、SNSで多くのコメントを寄せており、それがまた人気につながっています。
「カラフル、綺麗、しかも、たくさん入る」
「品質がよくて可愛い」
「機能性もファッション性も高いです!」
「たくさん入って、学生にもぴったり」
アジアから日本へ観光に来た人にとってもアネロは人気です。観光客に向けて「本物証明書つき」とアピールする店舗もあるほどです。
キャロットカンパニーでも偽物の存在は確認しており「かなり出回っていますね」と三浦さんは語ります。会社は、偽物の見分け方の情報を税関にも提供し、対策を強化しているそうです。
ただ、偽物の見分け方については、悪質業者対策から「一切語れません」(三浦さん)。現在ネット上では生地、ロゴや生産番号をチェックするなどの判別方法が知られていますが、三浦さんは「間違いが多いですね」と話しました。
海外での人気を確立したアネロ。次の目標は「日本」だそうです。
三浦さんは「日本でもアネロというブランドをこれまで以上に確立させ、育てていきたい」と意気込みます。
今後は、プロモーションに力を入れ、雑誌やSNSでの露出度を高め、ブランドの知名度を高めていくそうです。
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