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息子3人東大の佐藤ママ、長女も理3合格! 娘が語る母への感謝

東大理3に合格した長女(左)と抱き合う佐藤亮子さん
東大理3に合格した長女(左)と抱き合う佐藤亮子さん

目次

 東京大学の合格発表が10日、本郷キャンパス(東京都文京区)でありました。息子3人が東大理科3類(医学部)に進学し、「恋愛は受験に無駄」などという教育方針が話題になった「佐藤ママ」こと、佐藤亮子さんの長女(18)=私立高3年=も今年、理3を受験。兄3人と同じく、見事合格をしました。「長男から26年間続いた子育ての集大成になりました」と感無量の佐藤さん。長女も「全てを捧げてくれた母に感謝したい」と話し、佐藤家の絆の強さを見ました。

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4年ぶりに掲示板での合格発表も行った東京大学
4年ぶりに掲示板での合格発表も行った東京大学

「恋愛は受験に無駄」という発言が話題に

 佐藤さんは奈良県に住む専業主婦です。津田塾大学を卒業後、私立高校で2年間の英語教師を経て夫の勤務先である奈良県に。上の3兄弟は国立小学校から中学受験をして、灘から理3に進みました。長男と次男は今春に大学を卒業し、研修医として新たな一歩を踏み出します。

 その教育方針が大きく話題になったのは、2015年8月です。著書「受験は母親が9割」(朝日新聞出版)の出版講演会で語った「恋愛は受験に無駄」という発言がテレビやネット上で賛否を巻き起こしました。

 「志望校を決めたら、あとは合格しかない。勉強以外に時間を使うことは無駄」と徹底している佐藤さん。受験モードに入ってからは長女に対しても、その方針は変わりませんでした。長女は昨秋の東大模試で、理3志望の成績優秀者に名を連ね、「お兄ちゃんたちよりも順調だった」と佐藤さんは振り返ります。

「恋愛は受験に無駄」発言が話題になった佐藤亮子さん=朝日新聞出版・堀内慶太郎撮影
「恋愛は受験に無駄」発言が話題になった佐藤亮子さん=朝日新聞出版・堀内慶太郎撮影

直前期は体調に気を遣いながら勉強

 12月からは、3兄弟と同様にセンター試験対策。世界史と国語にほぼ専念し、佐藤さんが二十数年分の赤本を1年ごとに留め直して、長女がそれを解く生活を試験日直前まで続けました。今年はセンター試験が例年より早かったため、「問題量が少なかった」と話しますが、それでも自己採点では、総合で9割を超える得点率だったそうです。

 センター試験が終わると、2次試験への最後の追い込みです。あえて手をつけなかった東大の過去問25年分をひたすら解く毎日。「無理がきいた」3兄弟とは違って、娘の東大受験は初めてなので、毎日の体調に気遣いながら勉強時間などは設定したそうです。それでも2月はほとんど外出させず、マンツーマンで乗り切りました。

佐藤家のセンター対策。赤本は1年ごとに問題をばらばらにして解きやすいようにする
佐藤家のセンター対策。赤本は1年ごとに問題をばらばらにして解きやすいようにする

「ドキドキ」の発表、合格した長女に話を聞いた

 そして3月10日。今年は数学が予備校も「易化」と評するほど、差がつきにくく、佐藤さんも長女も「ドキドキ」で合格発表を迎えました。4年ぶりに掲示された合格者の番号から、自分の番号を見つけた長女は「涙が自然にばーっと出た。感無量です」。会場で話を聞きました。

東大理3の合格発表
東大理3の合格発表

東大理3「一番難しい所を目指した」

 ――東大の理3を目指した理由は?

 「兄たちが理3に進んだことがきっかけですけど、せっかく受験をするのだから、一番難しいと言われている所を目指したいと思いました。そうすれば、途中でやりたいことが見つかっても、理3を目指す学力があれば、その道に進むことができるので。でもずっと理3を意識してきたので、医学の道に進む姿を想像していました」

 ――受験勉強の中で一番大変だった時期は?

 「高3に進級してすぐに体調を崩して、2週間ぐらい勉強できなかった時が大変でした。『高3になって頑張るぞ』という時に出ばなくじかれて、夏ぐらいまでスランプになりかけました。あと、直前期もしんどかったですね」

 ――そういう時期を乗り越えたのは、お母さんの存在が大きい?

 「頑張ったのはもちろん私ですし、毎日頑張ったから合格したんですけど、頑張れる環境を作ってくれたのは、母の存在が大きい。私にとって家族は、大きな心の支えです」

佐藤家では、子どもひとりにつき二つのカレンダーを用意。常に1カ月先の予定を意識する。
佐藤家では、子どもひとりにつき二つのカレンダーを用意。常に1カ月先の予定を意識する。 出典: 「受験は母親が9割」(朝日新聞出版)

「私たちの世代は、スマホが一番の敵」

 ――お母さんは「受験勉強以外に時間を使うのは無駄だ」と話していましたが、勉強以外の誘惑はなかったですか?

 「いや、ありますあります。スマホは本当によくないですね。私たちの世代には、スマホが一番の敵だと思います」

 ――スマホで何をするのですか?
 
 「私の場合はLINEよりネットサーフィンでしたね。何か調べ物をした時に、ついつい関係のないサイトを見てしまう。母から「いい加減にしなさい」と怒られたこともあります」

 ――お母さんは「恋愛は受験に無駄」とも話していましたが?

 「それはどうなんですかね。彼氏はいませんでしたけど、恋愛禁止と言われたことはありませんでした。ただ、彼氏がいたとしても連絡を取ったり、遊びに行ったりするエネルギーはなかったと思います」

出典:https://pixta.jp/

「全てを捧げてくれた母に感謝」

 ――お母さんの受験勉強のやり方で嫌になったことは?

 「思春期の親子げんかは人並みにはあったんですけど、こういう母だからといって、大きく反抗したことはなかったです。母が私のためにしてくれているということは、嫌というほど分かるし、誰でもできることじゃないと思うので、感謝しています」

 「自分が『やる』と決めたことを取り組む時に、他のことを犠牲にするのは、当然だと思いますし、それは受験に限らない。母は自分の身をもって教えてくれました。子どものために全てを捧げてくれることって、なかなかすごいことだと思いますし、合格できて本当に良かったなと思います」

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