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saitaが「脱ママ誌」宣言 非婚・専業主婦の減少…編集長に聞く

女性月刊誌「saita」が、3月7日に発売される4月号で「脱ママ誌」を掲げてリニューアルします。

「ママ誌」らしさを打ち出していた1月号(左)と、リニューアル後の4月号
「ママ誌」らしさを打ち出していた1月号(左)と、リニューアル後の4月号 出典: セブン&アイ出版提供

目次

 女性月刊誌「saita」が、3月7日に発売される4月号で「脱ママ誌」を掲げてリニューアルします。これまで「ママを楽しむおしゃれ生活情報誌」をキャッチフレーズに売ってきたのを大きく転換。出版元のセブン&アイ出版は「雑誌として生き残るため、5~10年後を見据えた変化が必要」と理由を説明します。新編集長に話を聞きました。

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リニューアル後の4月号表紙は女優の波瑠さん(撮影・中村和孝氏)
リニューアル後の4月号表紙は女優の波瑠さん(撮影・中村和孝氏) 出典: セブン&アイ出版提供

saitaってどんな雑誌


 saitaは1995年10月に生活情報誌として創刊。昨年5月の読者アンケートから見た読者層は以下の通りです。

 ・読者の96%が女性
 ・そのうち70%が専業主婦
 ・年齢層は25~34歳が70%で最多

 2007年以降は「ママを楽しむおしゃれ生活情報誌」のキャッチフレーズのもと、20~30代向けの「ママ誌」として発行。読者ターゲットを明確にすることで広告を取りやすくなり、広告収入が年間12億円あった時期もありました。

こちらが創刊号
こちらが創刊号

苦境の理由は


 しかし、近年は部数が減少。2005年に34万部だった発行部数も、9万6千部まで減っています。

 減った理由について編集部では、「非婚の増加」「少子化」「専業主婦の減少など生活スタイルの変化」などと分析。また、出版業界全体が縮小するなかで、一部のトップ雑誌を除いて専門誌ほど苦境に陥りやすいといいます。

 そんな中で打ち出した新方針が「脱ママ誌」。しかも、これまでの雑誌担当者ではなく、書籍担当者に任せることにしました。その理由について、セブン&アイ出版で両部門の責任者である沢田浩さんは、こう話します。

 「現在の編集部がいまのsaitaを立て直すことは、ほんの少しの変化にしかならない。それならば、まったく新しいメンバーで、5年先、10年先を見据えた雑誌に大胆に変えていくべきだという結論になりました」

 「書籍担当者を起用した理由は、カラダ・くらし・食といった、これから取り組むテーマに対して専門知識を持った人材がいたからです」

1月号のファッションスナップ。ママ誌らしさが感じられる誌面
1月号のファッションスナップ。ママ誌らしさが感じられる誌面

どんな風に変わる?


 新たにsaita編集長に就任したのは若杉美奈子さん(52)。書籍部門で「かるしおレシピ」などを手がけ、シリーズ39万部以上を発行した実績があります。脱ママ誌の方針について、若杉さんはこう説明します。

 「共通の話題があれば、20代でも60代でも年齢に関係なくつながり合えます。暮らしに役立つということは、誰でもできる、いつでもできるが大前提。そんな暮らしのスクープを紹介していきます」

 ターゲット層は25~49歳に設定。新たに加わった40代は比較的人口構成が多く、書店のPOSデータを見ても「雑誌を買う層」であることがわかっています。また、saita創刊時の読者を再び呼び戻したいという狙いもあります。

 新キャッチフレーズは「女性の暮らしをアップデート!」。柱のテーマは「カラダを変える特集」「料理を楽しむ特集」「生活まわりの特集」の3つで、アプリをポチッとアップデートするように、暮らしが簡単にバージョンアップできる方法を紹介していくというコンセプトです。

 「雑誌は読者の声を聞いて、読者のコミュニティーに記者が入って取材してきました。昔の情報源は公園での井戸端会議だったのが、最近ではネットの情報に変わりました。ネットの情報には正しくないものもあるので、その真偽をしっかり確認した上で掲載していく企画も始めます」と若杉さん。

4月号ではヨーグルトを特集
4月号ではヨーグルトを特集

表紙モデルは波瑠さん


 価格もこれまで600円前後だったのを500円前後とし、雑誌の背表紙をやめて薄型化。書店やコンビニだけでなく駅売りなど販路拡大も目指します。

 表紙モデルには、女優の波瑠さんを起用。NHK連続テレビ小説「あさが来た」でヒロインを演じ、幅広い年代に知名度があることを意識したそうです。

 若杉さんは「本屋さんに丁寧に売ってもらえる雑誌を目指し、発行部数を増やしていきたいです」と話しています。

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