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「29億人」大移動 中国の春節、驚きの光景 札束・レンタル彼女…
1月28日の旧正月(春節)が最も重要な祝日の中国。大晦日の家族だんらんが大事にされているため、人々はどんなに遠く離れても、春節期間中には実家に戻る習慣があります。大晦日の前の15日間とその後の25日間、合わせて40日間は、春節シーズンとされています。
春節シーズン中には「民族大移動」と呼ばれる現象が発生します。
1月12日、中国国家発展改革委員会は、今年の春節期間に全国でのべ29.78億人が移動する見込みだと発表しました(1人が複数の交通機関を使うと、それぞれが1人としてカウントされる)。
この「民族大移動」にともない、様々なドラマが繰り広げられるのです。
建築現場に並ぶ札束の山。なぜこんな豪快なことが起きるのでしょう?
春節の前に、都市部で働く出稼ぎ労働者たちは1年間の給料をもらい、そのお金で年越し用品を買ったり、現金を実家に持って行ったりします。
しかし、建築現場では、不動産業界の不景気や、悪質業者の存在もあり、給料が払われないケースが相次いでいます。
こうした業界のイメージを払拭するために、不動産会社が建築現場で現金の給料を支払う光景が増えました。
四川眉山の建築現場で、会社が3600万(約7億円)の現金を用意し、一人一人の労働者に現金で給料を支払ったことがニュースになりました。
のべ30億人にのぼる「民族大移動」の内訳は、飛行機は5830万人、水路4350万人、鉄道3.56億人。それ以外の25億人は車などの陸路です。
中でも最近はバイクで帰郷する人が増えています。
飛行機代が高すぎて手が出せない人に加えて、すぐ座席が埋まってしまう鉄道の切符が入手できない人、が、バイクを選んでいます。「鉄騎大群」(バイクで帰る軍団)と呼ばれています。
ネット上では、子どもに何枚の防寒服を着せ、荷台にさらに年越し用品を積み、ふるさとを目指す一家の動画が話題になりました。
「バイクは寒いくて危険」という意見もありますが、「貧しくても親の愛は変わらない」「一路平安」「良いお年を」など祝福を送ったコメントが多く寄せられました。動画は数百万に視聴されました。
最近は、帰郷したがらない独身の若者が増えています。理由の一つは、親戚や友人に「まだ独身?」とプレッシャーを受けるからです。
中にはお見合いをさせられる人もいることから、「レンタル彼女・彼氏」というビジネスが生まれています。
2017年は例年より大晦日が早い春節になっています。人口14億人の中国では、今年も涙と笑いの物語が生まれそうです。
最初は、口コミで、知り合いや職場の同僚に頼むことが多かったようですが、今では業者による専用のサイトが生まれています。
男性が彼女をレンタルするケースが多いようです。普段は1日500元(約8000円)ですが、春節期間は1日1000元(約16000円)に跳ね上がるところもあります。
レンタル彼氏の場合は、女性の親や親戚など、周りの「審査の目」がより厳しくなるため、彼女よりも相場は高くなります。
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