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IT・科学

福島地震、中国のネット有名人も反応 心ない発言、たしなめる場面も

地震直後、木戸川の水が逆流して渦巻く水面=2016年11月22日、福島県楢葉町、福留庸友撮影
地震直後、木戸川の水が逆流して渦巻く水面=2016年11月22日、福島県楢葉町、福留庸友撮影 出典: 朝日新聞

目次

 11月22日に福島沖で起きたマグニチュード7.4の地震。原発のある福島県沿岸に津波警報が出されたことから、世界中で注目を集めました。中国のメディアも大きく取り上げ、ネット上で影響力のある中国人インフルエンサーたちも情報を発信。被災地をはげましたり、他のアカウントから発信された心ない発言をたしなめたりしていました。

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「新浪微博」にトピック

 大手メディアの『人民日報』や『環球時報』は、地震発生と同時に速報を出しました。その後、ネットメディアなども津波情報や、福島の原発の状況などを次々と伝えました。

 中国版ツイッターの「新浪微博」では、「#日本福島地震#」というトピックが作られ、1800万以上のPVを集めました。「#日本地震#」「#日本本州地震#」などのトピックスも作られました。

津波警報で小名浜第二小学校に避難した人たちに声をかける消防団員ら=2016年11月22日、福島県いわき市、西畑志朗撮影
津波警報で小名浜第二小学校に避難した人たちに声をかける消防団員ら=2016年11月22日、福島県いわき市、西畑志朗撮影 出典: 朝日新聞

インフルエンサーから応援メッセージ

 今回の地震は、津波警報が出たものの、2011年3月の東日本大震災に比べると被害が少なくてすみました。そのため、中国で義援金を呼びかける動きは現時点で表だって出ていません。

 ただ、「微博」で370万人近くのフォロワーを持ち、自称「愛国小分隊隊長」で漫画家の「地瓜熊老六」さんは、いち早く「天佑日本、日本福島地震発生、津波警報も(日本の福島で地震が起き津波警報も出ています。神様、日本を助けてください)」というメッセージを出しました。

 投稿に対して、一部のユーザーが歴史問題を持ち出し「同情しない」などと反応したことに「地瓜熊老六」さんは次のようなメッセージも出しました。

 「人の災難を喜んではいけません。人道主義の精神で、日本の駐中国大使館に呼びかけましょう。今回の被災者と、5年前の東日本大震災での被災者に対して迅速に対応するように」

漫画家の「地瓜熊老六」さんのアカウント
漫画家の「地瓜熊老六」さんのアカウント 出典:日本发生7.4级地震和海啸,这个时候我们要... 来自地瓜熊老六 - 微博

いつもは日本に批判的なアカウントも…

 日本に拠点のある中国人や中国出身のインフルエンサーも詳細な情報を中国語で発信しました。

 フォロワー24万のテレビ局の日本駐在記者、李淼(ミャオ)さんは、災害情報を多言語(英語、中国語、韓国語)で放送したNHKの対応を好意的に伝えました。

 フォロワー68万の神戸大学教授の毛丹青さんは「地震で目が覚めた」と書き込んだ途端、フォロワーから心配の声が上がりました。毛さんの投稿には「日本の人々のために祈禱」「平安無事、祈禱」のコメントが寄せられました。

 フォロワー66万の、在日中国人向け新聞の編集長の蔣豊さんは、普段は日本に批判的な意見を発信するアカウントとして知られています。しかし、今回の地震については中国人とみられる人が「喜んでいる」と書き込んだことに対し、「あなたはクズだ」と厳しい言葉で怒りました。

 蔣さんは、地震と津波により、日本で反原発運動が盛んになるのではないかという分析も投稿しました。

在日中国人向け新聞の編集長の蔣豊さんのアカウント
在日中国人向け新聞の編集長の蔣豊さんのアカウント 出典:蒋丰的微博_微博

四川地震で感動を呼んだ敬礼

 2008年に起きた四川大地震の時、駆けつけた日本の救助隊が行った懸命の救助活動と死者に敬礼する姿は、多くの中国人の感動を呼びました。

 2011年の東日本大震災では、中国からも救助隊が派遣されました。

 2016年4月の熊本地震の時も、日本に住む多くの華人・華僑がボランティアで現地入りしたり、募金活動をしたりしました。パンダと熊のつながりから、ネット上では「くまモンを助けるパンダ」というイラストが拡散し、応援の気持ちを表しました。

 政治的には対立することもある日本と中国ですが、地震などの自然災害では、ネット上でお互い励まし合う関係が生まれています。時に、心ない発言をする人が現れても、それをたしなめ、応援の気持ちを伝えようとする人が増えているようです。

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