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沼津発、お菓子のハーモニーを鍵盤に 地元2社の音色、ネットに響く

静岡県沼津市の洋菓子店が販売している商品が、ツイッター上で話題になっています。

「恵季工房ペルル」で販売しているMARAIS(マレ)
「恵季工房ペルル」で販売しているMARAIS(マレ) 出典: ラトーナマーケティングのホームページより

目次

 静岡県沼津市の洋菓子店が販売している商品が、ツイッター上で話題になっています。フィナンシェ(焼き菓子)15個入りですが、個包装のパッケージが鍵盤になっていて、箱を開けるとピアノのようです。「一つの鍵盤では音楽は奏でられない。人々の個性が組み合わさって初めて成り立つハーモニー」を表現したそうです。地元の洋菓子店とデザイン会社がネット上で話題を奏でるまでの経緯を聞きました。

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「恵季工房ペルル」で販売しているMARAIS(マレ)
「恵季工房ペルル」で販売しているMARAIS(マレ) 出典: ラトーナマーケティングのホームページより

商品名は「MARAIS」


 話題になっているフィナンシェは「MARAIS(マレ)」。15個入りを「2オクターブ」と称するなど細かな点にもこだわっています。

 販売しているのは静岡県沼津市にある「恵季工房ペルル」で、今年4月に店頭発売し、9月からは通信販売も始めました。

 当初から予想を上回る売れ行きだったそうですが、今月7日に突然ツイッターで盛り上がりました。

 「デザイン性高いのにお値段も手軽で発表会に喜ばれそう」。こんな文言とともに画像が投稿されると、一気に拡散。

 「どこのお店のものですか」「すぐネットで購入しました」と話題になり、通常は店頭・通販合わせて1日10個ほどの注文だったのが、8日は100個以上の注文が入ったそうです。

「恵季工房ペルル」で販売しているMARAIS(マレ)
「恵季工房ペルル」で販売しているMARAIS(マレ) 出典: ラトーナマーケティングのホームページより

沼津の手土産に


 フランス語で「マレ」は「沼」を意味します。ネーミングにあたっては、パリにある「マレ地区」も意識したそうです。

 古き良きものと最先端の流行とが混在する街をイメージしながら、沼津の「沼」も採り入れて名付けました。

 発売のきっかけについて、ペルルの代表・米野博英さん(45)はこう話します。

 「沼津の名産といえば、魚の干物やみかん、お茶。どれも手土産には持って行きにくい。そこで『おしゃれな沼津の手土産をつくろう』と考えたんです」

 「一つの鍵盤では音楽は奏でられません。お菓子作りもそうです。素材の生産者からパティシエまでいろんな人が関わって完成します。そんな思いを込めたお菓子です」

MARAIS(マレ)に入っているフィナンシェ
MARAIS(マレ)に入っているフィナンシェ 出典: ラトーナマーケティングのホームページより

作り手の思い


 ピアノのパッケージを考案したのは、同じく沼津にあるグラフィックデザイン事務所「ラトーナマーケティング」の代表取締役で、デザイナーでもある河原一晃さん(39)です。

 商品の個包装といえば中身の見える透明なものがほとんどですが、「個包装単体でもギフトになるようなものにできないか」と考えたそうです。どう並べたらいいかを考えているうちに、ピアノの鍵盤を思いつきました。

 コストを考えると一つずつデザインするわけにはいきません。そこで、同じデザインでも並び方を変えることで鍵盤のように見えるデザインを考案しました。

 この商品は海外のデザインサイトでも紹介され、いくつかの賞も得ています。

 河原さんは「このデザインは、50年・100年と残るクオリティーのものにすべく考えました、現在ツイッターで話題になっていますが、一過性のものにならないようにと思っています」と話します。

 ペルルの米野さんはこう話します。

 「現在はプレーンとショコラの組み合わせですが、今後は地元のみかんやお茶を使ったものも追加したいと考えています。味もパッケージも自信のある商品なので、沼津の名産品に育てていきたいと思います」

 ◇ ◇ ◇

 マレの価格は税抜2300円。ペルルのネット通販でも購入できます。

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