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カルビーが成型ポテチ進出 らしさはどこに? 売り上げ目標100億円
カルビーが先月、筒型パッケージの新商品「ポテトチップス クリスプ」を北海道で先行発売しました。
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カルビーが先月、筒型パッケージの新商品「ポテトチップス クリスプ」を北海道で先行発売しました。
カルビーが先月、筒型パッケージの新商品「ポテトチップス クリスプ」を北海道で先行発売しました。従来品と比べると、パッケージだけでなく中身も大きく異なります。スライスしたそのままのジャガイモではなく、いったん成型して同じ大きさにしたものを揚げているのです。これまで「プリングルズ」や「チップスター」など他社が先行してきた成型ポテチ市場に、なぜ今、参入を決めたのか? カルビーに聞きました。
8月に北海道で先行発売された「ポテトチップス クリスプ」は、うすしお味とコンソメパンチの2種類。22日からは東北・信越エリアでも販売され、10月10日には関東エリアでも発売予定です。
カルビーによると、成型ポテトチップス市場は近年、大きな成長が見られず、横ばいで推移していたそうです。そんな中で市場の活性化を狙って、ドイツでOEM製造したものをテスト販売していました。
その後、2011年から自社で研究開発を始め、テスト販売を経て今回の発売に至ったそうです。2020年までに年間100億円の売り上げを見込んでいるそうです。
成型ポテトにカルビーらしさはあるのか? 従来品の売り上げに影響はないのか? 広報担当者に話を聞きました。
――なぜ北海道で先行発売したのでしょうか
「北海道と東北信越エリアでのテスト販売で成功した実績があり、販売シェアや市場規模などを考えて、北海道で先行発売しました」
――発売日が当初の予定より1年近く遅くなったそうですね
「実際に生産する上で、製品形状や味付けを安定させるのに時間がかかりました」
――商品化する上で苦労した点は
「カルビーオリジナルの味をしっかり楽しんでいただけるよう、味付け方法は、製品に練り込むのではなく『上がけ』する方式としました。袋タイプのポテトチップスでは味付け後にタンブラーで混ぜていますが、成型ポテトチップスは混ぜる工程がありません。味付け機を通過する短時間の間に安定してかけることに苦労しました」
――先行する他社の成型ポテトとの違いは
「カルビーが長年培ってきた『水分コントロール技術』が生かされています。フライ工程で蒸発する生地の水分量やフライ時間などをコントロールすることで、独特のパリッとした食感を実現しました。また、食べやすい湾曲角度と大きさにこだわり、口内で瞬時に割れるように設計しています」
――従来のポテトチップスは、素材をそのまま生かす点が売りだったような気が……
「製法・形状は異なりますが、従来のポテトチップスと同様、素材の味をしっかり活かすような商品設計にしています。口どけの良さが特長となる馬鈴薯品種『ラセット・バーバンク』のみを使用しています」
――従来品との違いは
「クリスプの長所は、コンパクトな筒入りでかさばらないため携帯に便利で、ポテトチップスの形状が決まっているため食べこぼしが少ない点です。その分、包材コストが高くなり、実勢売価も高くなってしまいます」
――従来品の売り上げに影響は
「あまり懸念していません。市場規模が4分の1ほどと小さく、携帯性からシーンによる使い分けされることが多いからです」
――両製品のすみ分けは
「クリスプは携帯性が良く、食べこぼしにくいのが特徴です。お出かけや会社帰りにカバンで持ち帰るときやお子様のおやつなど、食べるシーンに応じて選んでいただければと思います」
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