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アグネス・チャンさん「日本語下手ではない」 変わらぬキャラに抵抗

三人の息子を米スタンフォード大に合格させた教育法も話題に。

アグネス・チャンさん=2016年5月
アグネス・チャンさん=2016年5月

目次

 歌手やエッセイスト、教育学博士号を取るなど多彩な顔を持つアグネス・チャンさん。「ひなげしの花」でデビューし、日本での歌手活動は今秋、45周年目に入ります。「本当に暮らしやすい」と日本での生活に満足する一方、「何事も無難に」という風潮には違和感を持っているアグネスさん。その一つが芸能界で変わらない「日本語が下手」なキャラクターです。

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紳助さんのツッコミがきっかけ

 アグネスさんが自分の発音をいじられるようになったのは、十数年前にさかのぼります。当時、バラエティー番組で共演したダウンタウンの浜田雅功さんや島田紳助さんから、「日本語下手やなあ」とツッコまれるようになりました。いじられるたびに、笑いが生まれたそうです。

「ワイヤーアクション」を体験するアグネス・チャンさん=2002年
「ワイヤーアクション」を体験するアグネス・チャンさん=2002年 出典: 朝日新聞

最近も「何で下手」の質問

 そこからは、別の人と共演しても発音へのツッコミばかり。アグネスさんは「違う部分でもいじって欲しいんですけど、ワンパターンなんですよね。だいたい、『何年経っても日本語分からないね』ばっかり。みんなそれで笑いを取っちゃう」と振り返ります。

 最近も、「聞きにくいことを本人に聞く」という番組で若手芸人から「何で日本語が下手なんですか」と直球の質問を受けたそうです。その芸人には、「発音は良くないけど、下手ではない。本も出版しているし。そこを間違えちゃダメ」と言い返したそうですが、自分のキャラクターが変わっていないのを改めて感じたと言います。

テレビ番組に出演するアグネス・チャンさん=2015年
テレビ番組に出演するアグネス・チャンさん=2015年 出典:アグネス・チャンさんのブログ

同じようなオファーに苦笑い

 他にも、テレビの番組作りが「好評だったパターンの焼き直し」になっていると感じるアグネスさん。以前、水漏れになった自宅をリフォームする様子が番組に取り上げられことがありました。その回の視聴率が良かったことから、同じようなオファーが何度も来るようになったそうです。「今度もまた、声がかかっているんです」と苦笑いします。

自宅で仕事をするアグネス・チャンさん=2008年
自宅で仕事をするアグネス・チャンさん=2008年 出典: 朝日新聞

違う自分見せるために変化

 限られた予算、スポンサーへの配慮などから「無難な道」を選びがちな現状に「進歩がない」と語るアグネスさん。一方、その言葉は制作側だけではなく出演する自分にも向けられていると言います。

 「過去のネタを忘れさせられるほど、違うネタを提供していくために、自分もどんどん変化しなきゃいけない。番組に呼ばれるから、『もういいか』となっちゃうとダメですよね。出る側と作る側、両方の努力が大事だと思います」

アグネス・チャンさん=2016年
アグネス・チャンさん=2016年

多彩な顔、教育法に注目

 アグネスさん自身、20年近く続けている日本ユニセフ協会大使から、今年3月にユニセフ・アジア親善大使となり、社会貢献活動の幅を広げました。さらに、乳がんをきっかけに向き合った終活も本を出すなどして話題に。そして最近では、「米スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法」(朝日新聞出版)を出版。その教育法が注目されています。

熊本市であったユニセフシンポジウムで登壇したアグネス・チャンさんとアンソニー・レーク事務局長=2013年
熊本市であったユニセフシンポジウムで登壇したアグネス・チャンさんとアンソニー・レーク事務局長=2013年 出典: 朝日新聞

 日本の受験システムに疑問を持ち、「世界のどこでも通用する人間になれるように」と自らも過ごしたスタンフォード大に息子3人を送り出したアグネスさん。本の中でも、「何事も日常を乱さず、総合力で勝負」という日本の考え方は時代遅れだと指摘し、「出る杭になった方がまし」と子どもたちに伝えたことが紹介されています。

 現在、大学1年の三男を含め、長男は経営者として、次男はエンジニアとして、3人ともカリフォルニア州シリコンバレーで生活しています。今年5月、3人の元を訪れたアグネスさんは一段と成長した姿を見て刺激を受けたそうです。

米スタンフォード大で、長男の金子和平さん(右)と語らうアグネス・チャンさん=2013年
米スタンフォード大で、長男の金子和平さん(右)と語らうアグネス・チャンさん=2013年 出典: 朝日新聞

 「『日本語が下手』というキャラクターだけでとどまらないようにしないといけない」と語るアグネスさん。還暦を過ぎてもなお、日々成長を求める姿を垣間見ました。

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