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鯖江で話題「奇跡のメガネ」 3.11で高圧電線から持ち主の命守る

ネットで話題になっている「奇跡のメガネ」を知っていますか?

高圧電線から命を守った「奇跡のメガネ」
高圧電線から命を守った「奇跡のメガネ」 出典: 青山眼鏡提供

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 ネットで話題になっている「奇跡のメガネ」を知っていますか? 東日本大震災のとき、工場内で切れた高圧電線が直撃して壊れましたが、かけていた人はメガネが盾となったことで軽傷で済みました。先月、このメガネが福井県内に里帰り展示され、多くの人に知れ渡りました。持ち主だった人や販売店に話を聞きました。

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高圧電線から命を守った「奇跡のメガネ」
高圧電線から命を守った「奇跡のメガネ」 出典: 鯖江市役所提供

先月31日まで展示


 メガネの産地として知られる福井県鯖江市。先月31日まで、市内にある道の駅に「奇跡のメガネ」が展示されていました。

 壊れたメガネとともに、メガネを販売した福島県いわき市の会社社長名で、こう書かれていました。

 このメガネをかけ工場内で指示を出していたSさん。

 ガタガタと揺れだした地震は、勢いを増し工場の鉄骨をも揺るがし、高電圧トランスをも破壊しました。

 その直後、高圧電線の一部が生き物のように蠢(うごめ)き、容赦無くSさんの顔めがけ襲いかかりました!

 《1カ月後》

 ややお顔にかすり傷程度負われたSさんと、変わらぬ笑顔でご家族一緒に再会。

 飛んできた高圧電線の衝撃は、メガネのレンズが受け止め、電流はメガネフレーム内側のチタンバーに流れスパーク!

 メガネは、Sさんをかばうように電線と共に弾き飛んだそうです。

 メガネにも命があると本気で思っています。

 だからあなたのパートナーになっているメガネを大事にしてあげてください。

 Sさんの家族の笑顔を護ったこのメガネを誇りに思います。
チタンのパーツが焼け焦げている
チタンのパーツが焼け焦げている 出典: 鯖江市役所提供

神棚に「守り神」として


 先月下旬、このメガネの展示を撮影した画像がツイッターに投稿され、「これはまさに奇跡」「眼鏡がなければ即死」と話題になり、リツイートは2万2千を超えています。

 このメガネをかけていたのが、いわき市で働いている会社員の鈴木研一さん(49)です。

 何かが視界に入ったと思った瞬間に体が飛ばされ、一瞬記憶を失ったそうです。気づいたら同僚たちに囲まれていて、目の回りにやけどを負い、髪も一部パーマがかかったようになったといいます。

 当時のことについて「最初は自分の運動神経のおかげだと思ってたんですけどね。でも、あのメガネがなかったら感電してただろうなって、今思えばぞっとします」と語ります。

 震災から1カ月後、鈴木さんはメガネを買った「メガネ・補聴器の内山」を訪ね、「命を救ってくれたこのメガネと同じものがほしい」と同じメガネを購入したそうです。

 話を聞いて感動したメガネ店の社長・内山義弘さん(46)は、壊れたものを譲り受け、会社の神棚に「守り神」として置いていたそうです。

福井県鯖江市内にある道の駅に展示されていた時の様子
福井県鯖江市内にある道の駅に展示されていた時の様子 出典: 青山眼鏡提供

哀川翔さんプロデュースのメガネ


 ずっと神棚に置かれていたこのメガネ。俳優の哀川翔さんがプロデュースした「SAMURAI SHO」というブランドのもので、福井市内で製造されたものでした。

 内山さんが、鯖江市内に本社がある青山眼鏡の担当者と話をする中で、「鯖江で開催される『めがねフェス』『メガネメッセ』に合わせて展示したい」と提案。

 こうして、福井市ではありませんが、同じ県内の鯖江で「里帰り展示」されることになりました。

 内山さんは話題になっていることについて、こう話します。

 「もともとは、メガネに携わる人に『こんなに役に立つんだよ』と知ってもらい、勇気と自信をもってもらいたいという思いからでした。一般の人にも知ってもらえて、とてもうれしいですが、びっくりしています」

 ◇ ◇ ◇

 話題になったことを受け、6月30日まで鯖江市役所市民ホールで展示することが決まったそうです。


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