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羊一頭かついで盗む 怒ったモンゴル人店主、カメラ映像をHPで公開

東京・赤坂のモンゴル料理店から、宴会で出すために仕入れた羊の肉(約30キロ)が、何者かに盗まれました。

店主がネット上で公開した、防犯ビデオの映像
店主がネット上で公開した、防犯ビデオの映像 出典: スーホダイニングバー提供

目次

 東京・赤坂のモンゴル料理店から、宴会で出すために仕入れた羊の肉(約30キロ)が、何者かに盗まれました。店の防犯カメラには男が肉を持ち出す姿がはっきりと映っていました。モンゴル人店主はこの映像をネット上に公開。「二度とこんなことをしないでほしい」と怒りを込めて訴えています。

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羊の肉がない!

 食材の盗難被害に遭ったのは東京・赤坂のモンゴル料理店「スーホダイニングバー」。9日午前、店主でモンゴル人のスーホさん(48)がいつまでたっても羊の肉が業者から届かないのを不審に思い、業者に確認したところ、すでに店への配達が完了していたことが判明。

 店の前に設置していた防犯カメラの映像を見ると、青い上着にジーパン姿の男が、ビニールで密封された肉塊(重さ約30キロ、長さ1・2メートル)を持ち出す様子が写っていました。スーホさんはテナントビルの管理人と相談の上、110番通報し、警察に被害届を出しました。「1分でも早く返してほしい」とビデオの映像を店のホームページやツイッターで公開しました。

防犯カメラに写っていた、不審な動きをする男(一部加工しています)
防犯カメラに写っていた、不審な動きをする男(一部加工しています) 出典: スーホダイニングバー提供

 羊の肉はこの日の夜に30人のお客さんで予定していた「羊一頭 食べ尽くす大宴会」で調理するはずでした。店の都合で宴会を中止するわけにはいかず、スーホさんは新たに注文し直さなくてはなりませんでした。

怒り収まらぬ店主

 結局、羊の肉は同日夕、店から約300メートル離れた路地裏で見つかりました。それでもスーホさんの怒りは収まりません。

路地裏で発見された羊の肉
路地裏で発見された羊の肉 出典: スーホダイニングバー提供

 「業者にたまたま在庫があったからよかった。どんな店でもその日に必要な物を考えて仕入れをしている。それを盗まれるととても迷惑。お店をやるというのは簡単なことじゃないんです!」

戻ってきた羊の肉を持つ、店主のスーホさん
戻ってきた羊の肉を持つ、店主のスーホさん

 スーホさんは11日午後3時現在もネット上で、男の顔を公開しています。「他の店でも盗んできたかもしれないし、これからも盗みをやるかもしれない。もう二度とやらないと約束させるまで、公開したい」と話しています。

 スーホさんによると、羊の肉約30キロの仕入れ値は2~3万円。戻ってきた肉は店の関係者らで食べるようです。

ネット公開、法的な問題点は?

 盗難被害を受けた店側が、防犯ビデオに写り込んだ人物の映像をネット上でさらす――。こうした事態を受けて思い出されるのは、約2年前にマンガやフィギュアを扱う古書店「まんだらけ」(東京都中野区)が取った行動です。

 同社では鉄人28号のブリキ製玩具が万引きされ、「1週間以内に返しに来なければ顔写真を公開する」とHP上で発表しました。同社には連日、賛否の意見が寄せられ、結局は警視庁の要請を受けて公開を中止しました。

 今回のモンゴル料理店は被害後、ほとんど時間を置かずしてネットに画像を公開しました。スーホさんは「とにかくすぐに1分でも返してという思いだった。肖像権や人権の問題があるかもしれないが、それはルールを守る人にあるものだ」と主張しています。

 インターネットの問題点に詳しい森亮二弁護士は「まんだらけの問題と違い、今回は最初から映像を公開していて、社会的に制裁しているということだと思います。盗んだ人が悪いということはもちろんありますが、形式的に見た場合、店側の行為は違法とされる可能性が高いのではと考えます」と話しています。

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