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全タレント必読!? 芸能界を絶対に干されないための三つの鉄則

『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』の著者、星野陽平さんに「絶対に干されないための鉄則」を聞きました。タレントさんはぜひご一読を。

独立、移籍…芸能界を干されない鉄則とは?
独立、移籍…芸能界を干されない鉄則とは?

目次

 浮き沈みの激しい芸能界。あれ?あのタレント、最近テレビで見なくなったな。もしかして干されちゃったのかな――という事態を恐れる芸能人も多いのではないでしょうか。というわけで、『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』(鹿砦社)の著者、星野陽平さんに「絶対に干されないための鉄則」を聞きました。

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鉄則① タレントは所属事務所を独立してはならない

 所属タレントの独立を許すと、事務所は収入が減ってしまいます。加えて、一人認めると独立希望の芸能人が次々に出てきて、抑えがきかなくなる。「多額のプロモーション費用・育成費用がかかっているのに、簡単に辞められては困る」「一部の売れっ子タレントの利益をほかのタレントに回すことで事務所の運営が成り立っているのに、独立を画策するのは身勝手だ」というのが、事務所側の論理です。これに逆らえば、仕事を干されて、テレビに出られなくなるおそれがあります。

1776年、バルコニーでアメリカ独立宣言が読み上げられた旧マサチューセッツ州議事堂
1776年、バルコニーでアメリカ独立宣言が読み上げられた旧マサチューセッツ州議事堂 出典: 朝日新聞

鉄則② タレントは事務所の移籍をしてはならない

 自由な移籍を認めると、タレントのギャラがつり上がり、事務所経営は圧迫されます。また、事務所側は人気と影響力を持ったスターの存在を潜在的に恐れてもいます。放っておいたら、独立や移籍をされてしまうかもしれない。だからこそ、タレントの力を封じるため、時にはほかの事務所と「引き抜き禁止」を申し合わせることで、業界の秩序を保っているのです。
 
 しかし、弱小の事務所から大手へ移る場合など、芸能界の有力者が味方についてくれれば、首尾良く移籍できることもあります。芸能界における自分の価値や、事務所間の力関係をよくよく見極めたうえで決断する必要があるでしょう。その点の判断を誤れば、「恩知らず」として干される危険があります。

引き抜かれた大根
引き抜かれた大根 出典: 朝日新聞

鉄則③ タレントは所属事務所の指示に従わなければならない

 事務所は熱愛・結婚・離婚・不倫など、タレントのスキャンダルを嫌がります。スポンサーとのCM契約に響くからです。わがまま放題を許すと後進のタレントに悪影響を与える、という懸念もあります。従って、もめ事を起こしたり、事務所に反抗的な態度を取ったりする芸能人は、見せしめ的に干されることがあります。

 報酬に不満のあるタレントさんもいるでしょうが、ギャラの交渉については、先の移籍の件と同様、業界のパワーバランスを見極め、慎重に進める必要があります。その芸能人の人気が確かなもので、現実的な移籍のおそれがある場合、引き留めるために報酬を引き上げてくれるかもしれません。しかし、様々な事情から移籍が困難な場合には、足元をみられ、逆に干されてしまう可能性すらあります。

スキャンダルは御法度 ※写真はイメージです
スキャンダルは御法度 ※写真はイメージです 出典: 朝日新聞

労働組合をつくってみては?

 ここまで読んで、「芸能人って夢を売るものじゃなかったの?」「何でそこまで事務所の言うことを聞かなければいけないのか」と疑問を覚えたタレントさんもいるかもしれません。納得できない人のために、「奥の手」をお教えしましょう。

 それは、芸能人の労働組合を結成することです。同じ不満を抱えたタレント同士で団結し、事務所に対して待遇改善や自由な独立・移籍を要求するのです。一人一人では無力でも、多数が協力し合うことで、交渉力・影響力を高めることができます。

 米国では、法律によってタレントの権利が手厚く保護されています。①エージェンシー(出演交渉・権利管理)、②プロダクション(番組制作)、③マネジメント(タレントの世話)の三つの機能は分離され、「三権分立」が守られているのです。また、映画界や演劇界の労働組合が活発で、継続的に権利保護を訴えてきた歴史的な経緯もあります。

 日本の芸能事務所は①~③のすべてを兼ね備えており、米国に比べて強大な権力を握っています。しかも、それに対抗できるだけの組合もありません。芸能人がヒラメ社員化して小粒になり、バーター出演の横行でテレビのコンテンツが貧弱になってきている背景には、こうした要因もあるのではないでしょうか。

 組合結成などに動いていることが事務所に露見すれば、それこそ干されかねませんが、中長期的には避けられない課題だと考えています。

賃上げ交渉が決裂して労組が24時間スト入り、電車が来ない京王線の線路で遊ぶ子どもたち=1950年ごろ
賃上げ交渉が決裂して労組が24時間スト入り、電車が来ない京王線の線路で遊ぶ子どもたち=1950年ごろ 出典: 朝日新聞

対策① テレビ以外に活路を求める

 芸能界、一寸先は闇です。注意深く行動していたつもりでも、やっぱり干されてしまった、ということも起こり得ます。その時に備えて、いまから対策を練っておきましょう。

 ネットを活用して直接ファンとつながることができれば、テレビ番組から干されても芸能界の「外」に活躍の場を築くことができます。サイドビジネスでもいいですし、ライブや執筆活動でも構いません。とにかく、テレビ出演以外の収入源を確保しておくことが肝要です。

ネットを介して、ファンと直接つながることも
ネットを介して、ファンと直接つながることも 出典: 朝日新聞

対策② 語学力を磨く

 日本の芸能界を追放されても、海外で活動できれば問題ありません。決してハードルは低くありませんが、いざという時のために語学力を磨いておいても損はないでしょう。

英会話カフェでのレッスン風景
英会話カフェでのレッスン風景 出典: 朝日新聞

対策③ 人間関係に気を配る

 常日頃から、テレビ局スタッフや共演者らへの気配りを怠らないようにしましょう。周囲の人たちとの人間関係を深めておけば、干された時にも手をさしのべてくれる人が現れるかもしれません。芸能界は義理と人情の世界。やや打算的ですが、復活の芽を残しておくためにも人脈は大事です。

 〈ほしの・ようへい〉 フリーライター。1976年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)など。執筆に5年を掛けた『芸能人はなぜ干されるのか?』は増刷を重ね、累計1万部を突破した。

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