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グルメ

スキー場の飯がマズいなんて誰が言った? 6千人が選んだ絶品ゲレ食

「ゲレ食がまずいとは、もう言わせません」。スキー場の食事が今、変わってきています。

新潟県のスキー場が企画したゲレ食の試食会に参加するスノーボーダーたち=2014年
新潟県のスキー場が企画したゲレ食の試食会に参加するスノーボーダーたち=2014年 出典: 朝日新聞

目次

長野で人気投票、野沢菜ピザが王者に

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 スキー場の食事と言えば「おいしくない」。しかも、「カレー」と「ラーメン」しかない―。そんなイメージも、今や昔。津々浦々ある最近のスキー場は、スキー客にアピールするために食事に力を入れています。長野県では「ゲレ食バトル」なるものが開催され、26日には、同県白馬村のスキー場にある「野沢菜ピザ」が3代目チャンピオンに決定しました。「滑りを楽しむ」から「滑って、さらに食事も楽しむ」へ。「ゲレ食」ブーム、到来中です。

長野県内の30スキー場が参加した「ゲレ食バトル」。3代目チャンピオンには白馬村のスキー場「Hakuba47」の「ルイスの野沢菜Pizza」が輝いた=長野県索道事業者協議会提供
長野県内の30スキー場が参加した「ゲレ食バトル」。3代目チャンピオンには白馬村のスキー場「Hakuba47」の「ルイスの野沢菜Pizza」が輝いた=長野県索道事業者協議会提供

30のスキー場が火花、今季6千人投票

 「ゲレ食バトル」は、2013~14年シーズンに始まりました。県内30ほどのスキー場がイチオシのメニューを三つほど持ち寄って客に投票してもらい、チャンピオンを決めます。バトルに参加するスキー場のレストランに投票所があり、今季は約6千人が投票したということです。

長野県山ノ内町にある「竜王スキーパーク」のゲレ食投票所
長野県山ノ内町にある「竜王スキーパーク」のゲレ食投票所

信州ならではのピザ「食事でも満足を」

 15~16年の今季、3代目チャンピオンに輝いたのは、長野県白馬村のスキー場「Hakuba47」にある「ルイスの野沢菜Pizza」。今季から売り出した、新メニューです。2代目には同じレストランの「ミックスピザ」が選ばれ、見事連覇を果たしました。

 レストランの特徴は、イタリアから直輸入した石窯。注文を受けた段階で生地から作り始めるピザは、出来たてでアツアツ。テイクアウトも可能で、リピーターが多いということです。

 Hakuba47の総支配人の白河和也さん(44)によると、レストランは1989年のスキー場開業と同時にオープン。「信州でしか食べることができないピザを提供しよう」と、今季から「ルイスの野沢菜Pizza」を始めました。リンゴを使ったり隠し味を入れたりと半年間試行錯誤した結果、白馬産、自家製の野沢菜に決めたそうです。

 ちなみに、他のレストランには、手作りにこだわった「信州牛カレー」などのメニューや、たくさんの海外客が来ることからメキシカン料理屋やビールバーもあり、ゲレ食に力を入れています。白河総支配人は「ゲレンデだけではなく食事も満足してもらうために、今後も努力を続けていきたい」と話しています。

ゲレ食連覇を果たした「Hakuba47」(同県白馬村)のレストラン「Luis」
ゲレ食連覇を果たした「Hakuba47」(同県白馬村)のレストラン「Luis」 出典:HAKUBA47

スキー客減少、危機感

 長野県でゲレ食を仕掛ける背景には、スキー場が抱える共通の悩みがありました。全国のスキー人口は、1993年の1860万人がピーク。「黙っていても客がやって来た。食事にはほとんど気を使ったことがなかった時代」(関係者)と言います。しかし、レジャーの多様化でスキー客は減少の一途。14年は760万人に減り、長野県も例外ではありません。

スキー客でにぎわう1992年の新潟・苗場スキー場
スキー客でにぎわう1992年の新潟・苗場スキー場 出典: 朝日新聞

限定ゲレ食も目玉、食べに来て

 そこで各スキー場はゲレ食を改善し、誘客の目玉とすることを目指しました。長野県山ノ内町にある「竜王スキーパーク」も、ゲレ食に力を入れるスキー場の一つです。

 同スキー場の名物は、豚のショウガ焼き、ビビンバ、温泉卵に大盛りのご飯を加えた「爆竜丼」と野菜をふんだんに盛ったラーメン「爆竜麺」。それぞれ、1日50食限定です。1月のとある平日に訪れると、たくさんの若者が両メニューを楽しんでいました。

 この2品、販売を始めたのが5年前。若者が多く来るスキー場のため、「量」を求める声が多かったそうです。同スキー場の広報担当者は「スタミナを付けるには爆竜丼。冷えた体を温めるには爆竜麺。ぜひ食べに来てください」。

「竜王スキーパーク」で売られている「爆竜丼」。大盛りのご飯の上に豚のショウガ焼き、温泉卵などが乗っている=長野県山ノ内町
「竜王スキーパーク」で売られている「爆竜丼」。大盛りのご飯の上に豚のショウガ焼き、温泉卵などが乗っている=長野県山ノ内町
「爆竜丼」や「爆竜麺」を販売している、「竜王スキーパーク」のレストラン「シャルム」=長野県山ノ内町
「爆竜丼」や「爆竜麺」を販売している、「竜王スキーパーク」のレストラン「シャルム」=長野県山ノ内町

バトルきっかけ「思い出の食事に」

 ゲレ食バトルの初代チャンピオンは、地元の野沢菜をふんだんに使った「野沢菜ビーフステーキライス」(野沢温泉スキー場)でした。優勝した暁には、栄誉とともに今後10年間、ゲレ食バトルのチラシに載り続けることができる「宣伝」効果もあります。

 バトルを主催する長野県索道事業者協議会の活性化対策副委員長、金沢武彦さん(50)は「スキー・スノーボード旅行は一種の『旅』。旅には必ず思い出の食事がつく。最高の食事と共に、旅を楽しんでほしい。ゲレ食がまずいとは、もう言わせません」。

 今回の結果は、フェイスブックや公式サイトで見ることができます。どうでしょうか。食べたくなったでしょ?スキーヤーもスノーボーダーもそうでない人も、一度「ゲレ食」を味わいにスキー場に行ってみてはいかがですか?

関連リンク:公式フェイスブックはこちら
関連リンク:公式サイトはこちら

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