ネットの話題
イチゴ狩り、先端だけ食べて捨てないで つぶやきに反響、思いを聞く
今月23日に投稿されたイチゴ農家のツイートが話題になっています
今月23日に投稿されたイチゴ農家のツイートが話題になっています。時間制限なし・食べ放題のイチゴ狩りに訪れた客が、一番甘いとされる先端部分だけ食べて、残りを大量に捨てたとみられる画像が添付されています。これに対して、「この食べ方、信じられん」「もったいない」といった声が上がりましたが、中には「まずかったからだ」「生産者側も工夫をすべき」といった意見も出ています。このツイートにはどんな思いが込められているのか? つぶやいた生産農家に話を聞きました。
ツイートしたのは群馬県内にあるイチゴ農家。イチゴ狩りを始めて9年目で、例年1月から5月ごろまで、時間制限なしの食べ放題で千数百円という価格で実施しています。
今月23日、先端部分だけ食べて残された大量のイチゴの画像とともに、こうつぶやきました。
「本日営業終了後の苺(いちご)のヘタのゴミ箱の様子です。まだ食べられる部分がある苺がたくさん捨てられておりました。最近こういった食べ方をなさるお客様が目立っております。お店側としてはとても悲しいです」
「苺は1年かけてゆっくり栽培しております。お客様においしく食べて頂けるよう一生懸命育てておりますのでこんなにたくさん食べられる部分のある苺を捨てられてしまうのは本当に悲しいです。そしていくらあっても苺が足りなくなってしまいます」
「この様な事態が続きますと今後苺狩りを停止も考えざるを得なくなってしまいます。みなさまどうか苺を最後まで食べて頂けると幸いです。お店側からこんなことを申すのは大変失礼で申し訳ないことですが、ご理解とご協力をお願い申し上げます」
最初のつぶやきは多くの人に拡散し、リツイートは4万4千を超えています。
「こんな食べ方したらイチゴが泣く」
「もったいないおばけに成敗して欲しい」
「もったいないとかの次元超えてる」
「食べ放題だからと、普段はしない様な食べ方をする客の意識が問われる」
「汗水たらして作ったものをこんな扱いされたらと思うだけで、涙が出るほど悔しい」
ほとんどが客のマナーの悪さを批判する意見ですが、中には農家側に改善を求める意見も上がりました。
「客を非難するだけではなく、工夫をおねがいします」
「お店の方でも創意工夫のレシピを紹介したらどうか」
「問題の解決を利用者に委ねても解決しない。ルールを変えるべき」
こうした声に対しても、イチゴ農家は細かに返答しています。
「美味しくない苺を食べたと言うことの表れであればこちらもまだまだ苺の改善をしていかなければありませんね。肥料の調整など改めさせていただきます!」
「本当にこの様なツイートをするのはあまりよくないと思いますが、この様な事態があることを知って頂きたくツイートさせて頂きました。もちろんちゃんと食べて下さるお客様がいることも存じております」
「リプライの中には自演では?や利益が目的か?などのご意見も見受けられました。確かにあのツイートは売名のような行為かもしれません。ですが、ただ純粋にあの状態の苺を見て私達の努力を全て踏みにじられたように感じ写真付きでツイートさせて頂きました」
ネットで話題になっていることについて、つぶやいたイチゴ農家はどう考えているのか? 話を聞きました。
――今回のようなことは、よくあるのですか
「いいえ、9年間やってきて初めてです」
――どのような反響がありましたか
「もったいないといった声が9割、農家にも問題があるといった声が1割ほどです。また、今回の件を知ったお客さんからは『私たちも応援するから、食べ放題をやめないで』と声を掛けられました」
――食べ残されたイチゴはどうしたんですか
「衛生管理上、他の食品に加工するわけにもいかないため、畑に穴を掘って埋めました。他の作物を育てるときの肥料として活用する予定です」
――ツイートに込めた思いを教えて下さい
「ツイートするかどうか、本当に迷いました。決して、お客さんを非難するために投稿したわけではありません。人数制限をかけて、遠くからいらっしゃったお客様もお断りしている日もあるなかで、あんなにたくさん赤いものが捨てられているのでは、お断りしたお客様にも申し訳ない気持ちになります」
「毎年3月ごろから苗を育てて、夏場もビニールハウスの中で作業します。大きいイチゴができるように、小さい花を間引くなど、すべて手作業しています。そうやって育てたイチゴなので、一農家としてあの様な食べ方はとても悲しいと言うことをお伝えしたかっただけです」
――話題になったことについては
「本当にいろいろなご意見・ご感想に感謝しています。こんなにもたくさん、イチゴを愛してくれている方々がいてくれることが励みになります。不快に思われた方には本当に申し訳ありませんが、少しでも食べ方を考えて頂けるきっかけになれたのであれば、うれしく思います」
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