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サカナモンのイカCD、初日で完売続出 「ダメな自分、音楽が救う」
タワーレコードで枚数限定発売をした「SAKANAMON(サカナモン)」の新曲が予約段階で9割売れ、多くの店でCDが並ばないという「異例の反響」に。メジャーデビューして3年になる3ピースロックバンドの人気が広がりつつあります。
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タワーレコードで枚数限定発売をした「SAKANAMON(サカナモン)」の新曲が予約段階で9割売れ、多くの店でCDが並ばないという「異例の反響」に。メジャーデビューして3年になる3ピースロックバンドの人気が広がりつつあります。
「現実から目を背けたい時、せめて音楽を聴いている瞬間だけでも救われて欲しい」。そんな思いを込めた3ピースロックバンド「SAKANAMON(サカナモン)」の新曲「PLAYER PRAYER」が9日、タワーレコード限定で発売されました。枚数も限定したことから、予約段階で9割が売れ、多くの店でCDが並ばないという「異例の反響」(タワレコ担当者)に。メジャーデビューをして3年。同系レーベルの先輩「サカナクション」に続くサカナ系バンドとして、人気が広がりつつあります。
👧{SAKANAMON、本日12/9にタワーレコード限定のニューシングル「PLAYER PRAYER」発売!!すでに予約時点で問い合わせが多く売り切れ店が続出!!発売日当日にしてすでに幻の盤と化してます!😱買えた人はラッキー🌟 pic.twitter.com/34d3I5zTg8
— ビクターエンタテインメント (@VictorMusic) December 9, 2015
SAKANAMONは2007年に結成。ボーカル・ギターの藤森元生さん、ベースの森野光晴さん、ドラムの木村浩太さん(09年に加入)は全員27歳で、同じ音楽専門学校の同級生です。「聴く人の生活の『肴』になるような音楽を」と、キャッチ-で中毒性のある「和メロ」に乗せた藤森さんのストレートな歌声が持ち味で、「SEKAI NO OWARI」のFukaseさんも一目置くほど。今月末の「カウントダウンジャパン」(東京)にも出演するなど大型フェスでも活躍しています。
Club Earth時代から友達のSAKANAMON。 いい曲だなぁ、しかし、みんなの演技が凄い。 SAKANAMON「ぱらぱらり」 https://t.co/BqV6TqaXdN
— Fukase(SEKAINOOWARI) (@fromsekaowa) April 15, 2015
タワーレコードによると、限定CDは過去の実績から販売枚数を決定。曲を披露した秋のツアーやインターネットで予約を受付始めると、「直球でかっこいい」「駆け抜ける感じがめっちゃ好き」と11月末にはいったん予約が終了に。追加生産で予約は再開されましたが、9日の発売日には全国84店舗の多くで在庫がなく、「どこ行っても予約分完売で泣いてる」「もう売り切れだった…」と購入できなかった人たちのツイートも出るほどでした。
一方、CDを手に入れた人たちは曲の感想とともに、「面白いことをやろう」と企画されたスルメイカの形のパッケージについても「イカやしやばい」「ディスクちゃんとくっついてる」「好きだけど保管に困る」などと話題にしています。
メジャー後3枚目のCDとなった新曲は、「不安や不満がある毎日で、音楽を聴いている瞬間だけでも救われて守られて無敵になって欲しい」(藤森さん)とメッセージ性が強い歌詞になりました。作詞した藤森さんは「ダメな自分を肯定してくれるのが、音楽だった」。自身を「コミュ障」と話すほど人間関係が苦手な性格が、歌詞につながっていると言います。タワレコも「ありがちな自己肯定ではない、音楽という表現を武器に世界を丸ごと塗り替えてしまうような強さがある」と魅力を語ります。
しかし、「デビュー当初は方向性が違っていた」と藤森さん。「音楽が救い」という根本は同じでも、「草臥れる日々 斜陽に凭れ 曲がる街路樹 憂いのミーム」(カタハマリズム)のような難解な歌詞に挑戦し、「抽象画のようにインスピレーションで感じ取ってもらうことを大事にしていた」と振り返ります。
その考えが変化してきたのが2枚目のアルバムをリリースした昨年。「歌詞が邪魔して、みんなに届いてない気がした」と感じた藤森さんは、今までの世界観を保ちつつも「できるだけ伝わるような」曲を制作するようになります。その中で生まれた曲の一つが「PLAYER PRAYER」。こうした楽曲の変化について、マネジャーの江森弘和さんは「以前よりも結果を求める曲作りになってきた」と話します。
「売れたいからってつまらない音楽はしたくない」。試行錯誤しながらも、音楽の力を信じて成長を続けるSAKANAMON。今年発表した「TSUMANNE 」は、歌詞の「つまんねぇよ」がコール&レスポンスできるようになっているなど、ライブやフェスで盛り上がる曲も多くあります。現在は新曲を含めたアルバム作りに取りかかっており、藤森さんは「来年はアルバムとツアーでもっと面白いことをしていきたい」と抱負を話しました。
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