MENU CLOSE

お金と仕事

フジパン裏面の電話番号、なぜか民話が聞けます その意外な理由とは

フジパン製品のパッケージ裏面に、商品の問い合わせ窓口とは別に複数の電話番号が記載されているのをご存じですか?

ネオレーズンバターロールの裏面に記載された「民話」が聞ける電話番号
ネオレーズンバターロールの裏面に記載された「民話」が聞ける電話番号

目次

 フジパン(本社:名古屋市)製品のパッケージ裏面に、商品の問い合わせ窓口とは別に複数の電話番号が記載されているのをご存じですか? 東京、大阪、福岡など全国8都市の番号で、横には「民話が電話で聞けるヨ!」の文字が。実際にかけてみると、確かに民話が流れてきました。パンと民話、いったい何の関係があるのでしょうか? フジパンに聞いたところ、そこには2代目社長の「ある思い」が込められていました。

【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」
フジパンのホームページ「民話の部屋」
フジパンのホームページ「民話の部屋」 出典:フジパンのホームページ

今週のお話は……


 電話をかけると、「幸せな心のふれあいを大切にするフジパンがお送りする『とんと昔あったとさ』。今週のお話は……」と音声が流れてきます。私が聞いた時は秋田県に伝わる民話で、時間はおよそ5分。8都市それぞれの番号にかけてみましたが、いずれも同じ内容でした。

 気になったので調べてみると、フジパンのホームページ内に「民話の部屋」がありました。そこには、こう書かれています。

 「民話の部屋」は、日本各地に古くから伝わるいろいろな民話を、音声と文章でお楽しみいただけます。毎週(年末年始を除く)新しいお話を追加していますので、お子さんと一緒に、ご家族とごゆっくりお過ごしください。
フジパンのホームページ

 ページ上には500話以上の民話が掲載されていて、原則として毎週1本ずつ更新されているようです。

本をめくるようにして文章が読める
本をめくるようにして文章が読める 出典:フジパンのホームページ

1981年にスタート


 パンと民話、いったい何の関係があるのでしょうか? 気になる疑問をフジパンの広報担当者に聞きました。

 ――民話が聞けるサービスはいつから始まったのですか

 「1981年から続けていて、これまでに1600話以上を流してきました。基本的に同じものを再び流すことはしておらず、私どもが制作をお願いしている会社が各地で取材しています。また、ホームページに掲載する民話は電話と連動しているわけではなく、流したものの中から適宜選んでいます」

 ――すべてのパンに電話番号を記載しているんですか

 「昔はそうだったのですが、現在では記載すべき項目が増えたため、食パンやロールパンなど個数が多く入っている商品が中心です」

 ――電話番号が8都市もある理由は

 「サービスを始めた当初、電話といえば固定電話でした。今の携帯電話では『かけ放題』のプランが主流なので、それほど問題ないかもしれませんが、固定電話だと、かける先の区域に応じて料金が異なります。通話料はお客さま負担なので、料金が安くなるように拠点を増やしました」

民話を聞くための電話番号はこちら
民話を聞くための電話番号はこちら 出典:フジパンのホームページ「民話の部屋」

2代目社長が考案


 ――パンと民話、どんな関係があるんですか

 「このサービスを考案したのは2代目社長の舟橋正輝(故人)です。戦時中は出征し、戦後は小学校の代用教員として教壇に立ったこともあります。そんな舟橋が『会社としてパンという物質的な貢献だけでなく、子どもたちのために文化的な貢献をできないか』と考えたのです」

 ――これからも続けていくんですか

 「もちろん続けます。民話というのは伝承しないと消えてしまいます。東日本大震災では、多くの民話が残っている東北地方も大きな被害を受けました。民話という文化的な財産を後世に伝えるのが使命だと思っているので、これからもお楽しみください」

関連記事

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます