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ジュリー「こんな頃もあったんだなあ…」ツアーで語った恩師への思い
沢田研二さんが、「恩師」ともいえる加瀬さんが亡くなってから初めて、ファンの前でその思いを口にしました。
「ジュリー」、沢田研二さんの毎年恒例の全国ツアーが8月17日、始まりました。4月に亡くなった加瀬邦彦さんの作品を歌う、一種の追悼コンサートでもあります。「恩師」ともいえる加瀬さんが亡くなってから初めて、ファンの前でその思いを口にしました。
ツアータイトルは「こっちの水苦いぞ」。3月に発売した反戦・反原発のメッセージにあふれた4曲が入ったシングルと同じです。
例年、新曲を中心に据えたセットリストなのですが、ファンの間では今回は4月に亡くなった加瀬邦彦さんの作品を多く歌うのでは…と予想されていました。
ジュリーは、94年に作詞家の安井かずみさんが亡くなった時、ツアータイトルを「ZUZU Songs」(「ZUZU」は安井さんの愛称)として、安井さんが自分に書いてくれた曲だけで公演をしています。
また、07年8月、作詞家の阿久悠さんが死去した4日後に始まったツアーでは、腕に喪章を巻いてステージに立ち、1曲目に阿久さん作詞の「時の過ぎゆくままに」を歌いました。
加瀬邦彦さんは「ザ・ワイルドワンズ」のリーダーとしてGSブームを牽引。「ザ・タイガース」などを経てソロになったジュリーのプロデューサーとして多くのヒット曲を生み出しました。ジュリー自身「加瀬さんはどんな時も僕の味方だった」「加瀬さんには足を向けて寝られない」というように、ジュリーにとって苦楽をともにした、かけがえのない人でした。
加瀬さんは2013年、がんを発症し、手術しました。その後ステージ復帰をめざして自宅療養中でしたが、2015年4月、自ら命を絶ったとみられています。
東京都内の自宅で亡くなっていたことがわかったグループサウンズ「ザ・ワイルドワンズ」のリーダー加瀬邦彦さん(享年74)の所属事務所は22日、通夜、葬儀の日程を発表した。通夜は27日午後6時、葬儀は28…
加瀬さんはジュリーをこう語っています。
ジュリーは2010年、ワイルドワンズとともに、「ジュリーwithザ・ワイルドワンズ」(ジュリワン)としてアルバムを発売し、全国ツアーも行いました。
8月17日、東京国際フォーラム。バンドメンバーの急病で、ツアーの初日を約1カ月延期してのスタートとなりました。このツアーは11月まで続きますが、10月に、建て替えのため一時閉館となる渋谷公会堂の最後の3DAYSはジュリーが飾ります。
初日のステージ。客電が落ち、流れてきた曲は、加瀬さんが歌う「僕たちほとんどいいんじゃない」。「ジュリワン」のアルバムに入っている曲でした。
そして舞台にジュリーが登場。1曲目、加瀬さん作曲の「危険なふたり」のイントロに、1カ月待ったファンは総立ち&手拍子で応えます。演奏する「鉄人バンド」は、ギターの柴山和彦さん、同じく下山淳さん、キーボードの大山泰輝さん、ドラムのGRACEさんの4人。ジュリーが08年、還暦記念のドーム公演で6時間・80曲を披露した時もこの4人が演奏し続け、のちにジュリーが「鉄人バンド」と呼んだのでした。
ライブでは、新しい4曲以外はすべて加瀬さんが手がけた曲でした。「あなたへの愛」「TOKIO」「追憶」「恋のバッド・チューニング」「気になるおまえ」……。
ジュリーは、アンコール前のトークで、加瀬さんのことを口にしました。
あの頃ジュリーを光り輝かせた加瀬さんの曲たち。見た目は変わっても(?)いまもスターの輝きを放つジュリー。その存在にファンは魅了され続け、いまも叫ぶのです、「ジュリー!」と。
ジュリーのそばではいつもやさしい笑顔を見せていた印象の加瀬さん。きっと天国からもずっとジュリーを見守ってくれることでしょう。
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