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2015年07月27日

東京五輪エンブレムの陰に「伝説のポスター」 巨匠・亀倉雄策の偉業

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2020年東京五輪のエンブレム(左)と、1964年東京五輪のポスター(右)

2020年東京五輪のエンブレム(左)と、1964年東京五輪のポスター(右)

出典: 朝日新聞

 東京五輪・パラリンピックのエンブレムを制作した佐野研二郎さん。今や売れっ子アートディレクターの佐野さんですが、「鳴かず飛ばずになった」博報堂時代に影響を受けたのが、亀倉雄策さん(1915~1997)が手がけた1964年東京五輪のポスターでした。

土門拳活躍した雑誌「NIPPON」をデザイン

 1915年に生まれた亀倉さんは、旧制日大二中卒業後、新建築工芸学院でデザインを学びます。1938年、日本工房に入り、写真家土門拳さんらが活躍した海外向け雑誌「NIPPON」の構成を手がけました。

 亀倉さんは1950年代、「ニコン」のポスターシリーズで、洗練されたモダンデザインと日本美を融合させ注目を浴びます。

グラフィック・デザイナーの亀倉雄策さん=1961年12月1日

グラフィック・デザイナーの亀倉雄策さん=1961年12月1日

出典: 朝日新聞

一九一五年新潟県生まれ。旧制日大二中卒業後、新建築工芸学院でデザインを学んだ。三八年に日本工房に入り、写真家土門拳氏らが活躍した海外向け雑誌「NIPPON」の構成を手がけた。戦後フリーになり、五〇年代には「ニコン」のポスターシリーズなどで、洗練されたモダンデザインと日本美を融合させた。

出典: 1997年5月15日:亀倉雄策氏死去 東京五輪や万博ポスター制作:朝日新聞紙面から

国を挙げた大会、絶賛されたデザイン

 「ニコン」のポスターで見せた手腕は、デザイン史に刻まれる作品、東京五輪のポスターに結実します。

 前回東京五輪の開催が決定した1960年3月、組織委員会は10人のデザイン関係者を招集し、「デザイン懇談会」を発足させます。大会のデザインポリシーが議論され、「日本的なものを加味した国際性のあるもの」という考えのもと、シンボルマークの選定に入ります。当時の著名なデザイナー6人による指名コンペの結果、選ばれたのが亀倉さんの作品でした。

 「日の丸」や「太陽」を連想させるシンボルマークは、シンプルながらも力強いメッセージ性が備わっている――と絶賛されました。

亀倉雄策さんが手がけた1964年東京五輪のポスター(右)

亀倉雄策さんが手がけた1964年東京五輪のポスター(右)

出典: 朝日新聞

開催が決定した翌年の1960年3月、組織委員会は10人のデザイン関係者を招集し、「デザイン懇談会」を発足させた。大会のデザインポリシーが議論され、「日本的なものを加味した国際性のあるもの」という考えのもと、シンボルマークの選定に入った。当時の著名なデザイナー6人による指名コンペの結果、後年、NTTグループのロゴマークなどを制作した亀倉雄策(1915~97)の作品が選ばれる。「日の丸」や「太陽」を連想させるシンボルマークは、シンプルながらも力強いメッセージ性が備わっている――と絶賛され、ポスターにも起用された。

出典: 2013年4月10日:(美博ピックアップ)東京オリンピック デザインプロジェクト 東京国立近代美術館:朝日新聞紙面から

伝統美とモダンデザイン融合

 枠いっぱいの大きな赤い丸の下に、金色で太く五輪を描いたシンボルマークを配置。亀倉氏のポスターは、日の丸のシンプルな赤い円を「モダンな造形」としてとらえました。

 赤と金の華やかで力強い組み合わせは、豊臣秀吉の陣羽織にも見られます。日本の伝統的な美意識とモダンデザインの融合を日々模索していた亀倉さんの代表的な作品となりました。

グラフィックデザイナーの亀倉雄策さん=1984年6月1日

グラフィックデザイナーの亀倉雄策さん=1984年6月1日

出典: 朝日新聞

日の丸と考えてもいいが、本当は太陽という意識が強い――。シンプルな赤い円を「モダンな造形」ととらえ、中心に据えたレイアウト。力強い印象を与えるこのポスターは、日本の伝統的な美意識とモダンデザインの融合を日々模索していた亀倉の代表的な作品となった。翌年制作された第2号は、早崎治(撮影)と村越襄(写真監督)による写真を効果的に使い、競技者の一瞬の緊張感を見る者に伝える。オリンピックの開会まで毎年1枚ずつ制作された全4枚の連作は、戦後の荒廃から立ち直り、成長著しい日本の勢いとスポーツの躍動感を多彩な手段で表現し、国際的なイベントを盛り上げる一役を担った。

出典: 2006年12月21日:(美・博ピックアップ)宇都宮美術館「デザイン・日本・亀倉雄策」:朝日新聞紙面から

50年前の今日、東京で五輪の開会式があったことを記念して、NHKは「今日は1日 TOKYO DAY」と題した特別編成を組む。目玉の一つが、五輪で世界へ発信された日本のデザインを振り返る番組だ。枠いっぱいの大きな赤い丸の下に、金色で太く五輪を描いたシンボルマーク=写真=は、亀倉雄策によるもの。赤と金の華やかで力強い組み合わせは、豊臣秀吉の陣羽織にも見られ、日本の伝統を巧みに再構築し世界に示したものだった。

出典: 2014年10月10日:(試写室)『オリンピックをデザインした男たち』 日本の意匠、五輪で世界へ:朝日新聞紙面から

わざと粗くした写真

 亀倉さんの作品では、短距離走者がスタートした瞬間が大胆に配置されたポスターも有名です。写真を使ったのは、高い評価を得た初回の作品を、デザインだけで超えるのは難しいという判断がありました。

 実はこの写真、近づいてみると粒子が荒れています。臨場感を増すために、あえてフィルムの一部分を拡大・引き伸ばしたそうです。亀倉さんが40代のころに手がけた一連の作品は、世紀を超えて人々の記憶に残り続けています。

短距離走者を使った亀倉雄策さんの東京五輪ポスター(左)

短距離走者を使った亀倉雄策さんの東京五輪ポスター(左)

出典: 朝日新聞

見ているだけで息をのむ。短距離走者がスタートした瞬間が大胆に配置されている。言わずと知れた「東京オリンピック」のポスターだ。亀倉の代表作でもある。日の丸の下に金色の五輪を配置した第1弾に続いて作られた。高い評価を得た初回をデザインだけで超えるのは難しいと、写真を使った。近づいて見ると、写真の粒子が荒れていることが分かる。臨場感を増すために、あえてフィルムの一部分を拡大・引き伸ばしたという。デザイナーがまだ図案家と呼ばれていた時代を知る先駆者の一人。絵画的な表現が多かった図案に、幾何学模様によるモダンなデザインを採り入れた。オリンピック作品を手がけたのは、脂ののりきった40代後半。約40年後のいま見ると、高度経済成長を迎えた国の勢いが伝わってくるようだ。時代と共に古びるのがデザインの宿命だが、60年代を鮮やかに切り取ったこのポスターは、21世紀になっても輝きを失うことがない。

出典: 2005年9月9日:(一展逸点)亀倉雄策「東京オリンピック」 時代の勢い、鮮やかに:朝日新聞紙面から

佐野さん「あんなシンプルで骨太な仕事がしたい」

 1964年東京五輪から半世紀。亀倉さんの作品は、2020年東京五輪のエンブレムを制作した佐野研二郎さんにも影響を与えています。

 トヨタ自動車の「ReBORN」など、今では売れっ子として知られる佐野さんですが、2008年まで勤めた博報堂時代には、「複雑に考えすぎて、鳴かず飛ばずになった」という時期もありました。

 そんな時、ギャラリーで見た亀倉さんの五輪ポスターに刺激を受けます。「あんなシンプルで骨太な仕事がしたい。五輪のシンボルをいつか自分も、というのが夢だった」

 夢をかなえた佐野さん。「このデザインで20年に向かうみんなの気持ちを束ねたい」と言います。

 「閉幕した時、いい大会だったと言われたい。かっこよくて美しい大会にするためにデザインの力は不可欠。一肌脱ぐどころか、全裸で頑張るつもりです」

東京五輪・パラリンピックのエンブレムをデザインした佐野研二郎さん

東京五輪・パラリンピックのエンブレムをデザインした佐野研二郎さん

出典: 朝日新聞

サノケンの愛称で親しまれる売れっ子だ。平面デザインにとどまらず、トヨタ自動車の「ReBORN」などテレビCMづくりにも携わり、ヒットを飛ばす。だが、08年に独立するまで11年間勤めた博報堂時代には苦悩もあった。「複雑に考えすぎて、鳴かず飛ばずになった」。そんな時、ギャラリーで見た1964年東京五輪の故亀倉雄策氏のデザインにはっとした。枠いっぱいの大きな赤い丸の下に、金色の五輪マーク。「あんなシンプルで骨太な仕事がしたい。五輪のシンボルをいつか自分も、というのが夢だった」5年後、開閉会式に招かれる。「閉幕した時、いい大会だったと言われたい。かっこよくて美しい大会にするためにデザインの力は不可欠。一肌脱ぐどころか、全裸で頑張るつもりです」

出典:(ひと)佐野研二郎さん 東京五輪・パラリンピックのエンブレムを制作した:朝日新聞デジタル

1964東京五輪 精鋭コンパニオン・聖火を先導「聖火乙女」…
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【1964年8月】東京五輪のコンパニオンのムーザ・毛馬内さん
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