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撮影依頼が殺到、 ひたちなか海浜鉄道の魅力 ソロモンの偽証も登場

茨城県のローカル線に、映画やテレビ番組の撮影依頼が殺到しています。なぜ田舎の沿線が、メジャーな作品に頻出するようになったのでしょうか?

ひたちなか海浜鉄道=2013年10月3日
ひたちなか海浜鉄道=2013年10月3日 出典: 朝日新聞

目次

 茨城県のローカル線に、映画やテレビ番組の撮影依頼が殺到しています。宮部みゆきさん原作の映画「ソロモンの偽証」や小出恵介さん主演のドラマ「天使のナイフ」、大塚製薬の「カロリーメイト」のCMなどなど。なぜ田舎の沿線が、メジャーな作品に引っ張りだこの人気になったのでしょうか?

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2014年度32本も「出演」

 映画やテレビのロケ地として注目されているのは、ひたちなか市内を走るローカル線・ひたちなか海浜鉄道湊線です。2012年度に車両や駅で撮影された映画やCM、テレビ番組は8本。それが、13年度は12本、14年度には32本になりました。

ひたちなか市の那珂湊駅=2014年3月18日
ひたちなか市の那珂湊駅=2014年3月18日 出典: 朝日新聞

理由1 「近い、安い、早い」

 ひたちなか海浜鉄道湊線は、東京から2時間の距離にあります。人件費や機材の搬入費を極力安く抑えたい制作会社にとって、東京からの距離は重要な問題。都心に近いローカル線である海浜鉄道は、「近い、安い、早い」の三拍子そろった場所となっています。

理由2 「本数が少ない」

 海浜鉄道は通勤時間帯を除き、車両が来るのは40分に1本です。制作会社の担当者は「1時間に5本来れば、撮影を5回中断しなければならない。じっくりと腰を据えて撮影できるのは大きい」と語ります。本数の少なさが、撮影側には魅力になっています。

理由3 「柔軟な対応」

 海浜鉄道が撮影に協力的なのも特徴です。線路に降りての撮影は禁止など様々な規制を指示する鉄道会社もある中、「犯罪行為や自殺を誘発する内容でなければ基本的にNGはない」というスタンスです。

 制作会社の担当者は「鉄道会社で撮影する場合、基本的には2週間前の申請が必要。ここは直前でも微調整がきくので、『一緒にやりましょう』というスタンスを感じる」と話します。大抵のことは許す柔軟な対応が、メディアを呼び寄せているようです。

CM、運賃より儲かる?

 テレビやCMの撮影は制作会社だけでなく、鉄道会社にも大きなメリットがあります。

 海浜鉄道の年間の営業収入は2億4千万円です。CM1本100万円とすれば、一日の平均輸送人員(約2300人)さえも上回る計算になります。また、テレビに映れば、鉄道ファンや通学に使う高校生のツイッターで話題にもなります。鉄道自体のプロモーション効果も生まれているようです。

ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長=2013年12月9日
ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長=2013年12月9日 出典: 朝日新聞

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