MENU CLOSE

エンタメ

4月1日、ビックリマンの日に 発売30年 偽物・復刻・異色コラボ

昭和から平成にかけて子どもたちが夢中で買い集めた、ロッテの「ビックリマンチョコ」。“人をビックリさせる”エイプリルフールである「4月1日」を「ビックリマンの日」として日本記念日協会が認定した。

ビックリマンチョコに殺到する子どもたち=1987年4月
ビックリマンチョコに殺到する子どもたち=1987年4月 出典: 朝日新聞

 昭和から平成にかけて子どもたちが夢中で買い集めた、ロッテの「ビックリマンチョコ」。“人をビックリさせる”エイプリルフールである「4月1日」を「ビックリマンの日」として日本記念日協会が認定した。おまけの「悪魔VS天使シール」は今年で発売から30年。復刻シールや原画展などでも人気で、当時ファンだった世代に支持され続けている。

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格

ニセモノ「ロッチ」も出回る人気

 「悪魔VS天使シール」は、ロッテ「ビックリマンチョコ」に1985年から92年にかけて入っていたおまけだ。天使、悪魔、お守りがセットになったイラストのかっこよさ、ストーリーの面白さが受けた。最盛期には、おまけ付き菓子の業界で異例の年間4億個が売れる一方、シールだけ集めてチョコを捨ててしまう子どもが続出。「社会現象」とまで評された。

2014年に発売された、30周年を記念した復刻版ビックリマンチョコ
2014年に発売された、30周年を記念した復刻版ビックリマンチョコ 出典: 朝日新聞

 昔話や「水戸黄門」のようなテレビの人気番組、阪神タイガースの優勝といった話題などが盛り込まれていたことや、ユニークなキャラクターが人気を呼び、小学生たちが競って収集するようになった。さらに裏面の「夢見るオトメを悪に目覚めさせる恐怖のホラ~起きろ魔」(めざ魔人)といった謎めいた説明書きが、中高生や大学生らにも受け、ファン層は広がっていった。

ビックリマン「悪魔VS天使シール」とは
ビックリマン「悪魔VS天使シール」とは 出典: 朝日新聞

 さらに、キャラクターを主人公にした漫画を少年コミック誌で連載したり、テレビで放映したりしたところ、売れ行きがさらに跳ね上がった。子ども向け商品の売り込みにテレビアニメやゲーム、玩具などの相乗効果を利用する、「ポケットモンスター」「妖怪ウォッチ」のような販売手法の先駆けにもなった。

 当時はあまりの人気に、ニセモノも出回った。88年には、図柄は本物だが裏面の「ロッテ」の文字を「ロッチ」に変えたシールを製造販売していた業者が書類送検される事件もあった。

スーパーや商店では、ビックリマンチョコの入荷と同時に子どもたちが押し寄せ、売り切れ状態が続いた=1987年4月、東京・晴海
スーパーや商店では、ビックリマンチョコの入荷と同時に子どもたちが押し寄せ、売り切れ状態が続いた=1987年4月、東京・晴海
出典: 朝日新聞

当時のファン世代からデザイン依頼相次ぐ

 個性的なキャラクターデザインをほぼ一手に担ってきたのが、大阪市北区のデザイン会社「グリーンハウス」(GH)の米澤稔さんと兵藤聡司さん。
 米澤さんは「30年ずっと感謝の一言。その恩返しへの気持ちが制作のパワーになっている」。特徴である太い線は少し使い込んだペンで描いた。「この線を描くのに何年かかったか」と兵藤さん。

 GHには、スマートフォン向けゲームアプリや全国ラーメン店のラリー企画などからデザイン依頼が相次いでいる。当時ファンだった「ビックリマン世代」が社会の第一線で働くようになり、新たにGHに仕事を依頼するようになったためだ。

 「ビックリマンのシールでまかれた種が芽を出して、成長して作物になる。それを収穫して、また種をまく。そんな感じがしてうれしいね」と米澤さんは話す。

ビックリマンのキャラクターを手がけたデザイン会社「グリーンハウス」の米澤稔さん(左)と兵藤聡司さん=2014年4月4日
ビックリマンのキャラクターを手がけたデザイン会社「グリーンハウス」の米澤稔さん(左)と兵藤聡司さん=2014年4月4日 出典: 朝日新聞

復刻シール続々、「キャプテン翼」とコラボも

 時を経て今、当時のファンたちにはたまらないイベントや商品が相次ぐ。

 手書き原画の巡回展「ビックリマン原画展」が全国を巡回しており、初日には30、40代を中心に大人たちが列をつくる。14年に発売された画集「ビックリマン原画大全」(飛鳥新社)は、5千部売れればヒットという画集の業界で、初版1万部。それでも追いつかず、すぐに5千部の増刷が決まった。

往年のファンらでにぎわうビックリマン原画展=2014年9月13日
往年のファンらでにぎわうビックリマン原画展=2014年9月13日 出典: 朝日新聞

 近年は当時の図柄を再現しつつ、シールの裏に2次元コードを仕込み、ソーシャルゲームに参加できるなどの特典も盛り込んだ復刻シリーズを相次ぎ発売。かつて子どもだった世代の「大人買い」も目立った。今年3月には、同時期に人気だったサッカー漫画「キャプテン翼」とコラボした「キャプ翼マンチョコ」をセブンイレブンで限定発売した。


 「ビックリマンの日」の登録は、ロッテと大日本印刷が申請。毎年4月1日に、ファンを驚かせる企画を予定しているという。

4月1日を「ビックリマンの日」とする記念日登録証
4月1日を「ビックリマンの日」とする記念日登録証 出典: ロッテ提供

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます