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モナ・リザは3Dアート? 謎の名画に新たな謎 尽きない新発見

モナ・リザは「3Dアート」だった? 世界的な名画をめぐって、そんな新説が出ています。尽きない新発見は、テレビの鉄板ネタにもなっています

今も新発見が尽きない「モナ・リザ」
今も新発見が尽きない「モナ・リザ」

目次

 モナ・リザは「3Dアート」だった? 世界的な名画をめぐって、そんな新説が出ています。これまでにも「もう1枚あった」「両端は切断された」など、数々の謎に包まれてきました。天才レオナルド・ダビンチにとっては、科学的な実験の場でもあったようです。尽きない新発見は、テレビの鉄板ネタにもなっています

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「世界!極限アーティスト」で新説登場

 「3Dアート」説が飛び出したのは、9日に放送された「世界!極限アーティストBEST20」(日テレ系)です。モナ・リザはルーヴルのほかに、スペイン・プラド美術館にそっくりな絵があり、同じ絵の具が使われています。

 番組では、ダビンチは複眼で見ることについてのメモを残していたと紹介。二つの絵が視点をわずかにずらして描かれていることと合わせて、絵は対象を立体的にとらえるための挑戦だったと解釈できるとしました。

来日した「モナ・リザ」。厳重な警戒のもと、特製の防弾ガラスに納められ陳列された=1974年4月19日、東京・上野の東京国立博物館
来日した「モナ・リザ」。厳重な警戒のもと、特製の防弾ガラスに納められ陳列された=1974年4月19日、東京・上野の東京国立博物館
9日放送された「世界!極限アーティストBEST20」(日テレ系)は、東京・六本木の国立新美術館で「ルーヴル美術館展」を主催中の同局が、ルーヴルの協力を得た特別番組。驚きがあったのは、レオナルド・ダビンチの名画「モナ・リザ」が3Dアートだったのではないかという学説だ。
 モナ・リザはルーヴルのほかに、スペイン・プラド美術館にそっくりな絵があり、同じ絵の具が使われている。ダビンチは複眼で見ることについてのメモを残していて、二つの絵が視点をわずかにずらして描かれていることと合わせると、絵は対象を立体的にとらえるための挑戦だったと解釈できるというのだ。
(記者レビュー)名画に見た実験精神:朝日新聞デジタル

10歳若いモナ・リザ

 モナ・リザをめぐっては、これまでにも数々の謎が指摘されてきました。

 番組でも紹介されたプラド美術館の作品は、1913年に英国で見つかり、40年以上、スイスの銀行が保管していました。2012年11月、ルーブル美術館の「モナ・リザ」より10年ほど前に描かれたダビンチ自身による未完作(みかんさく)と鑑定されました。

 顔の比率や描き方が同じで、10歳ほど若いとされています。

「モナ・リザ」を撮影する人たち=2004年9月8日
「モナ・リザ」を撮影する人たち=2004年9月8日

切断された端っこ

 左右の端を切断されているのではないか、という謎もあります。柱があったらしいと言われており、絵の両端に柱の台座の先端が、こぶのようにちらりと描かれています。一方で、ポプラ板に描かれた絵の側面には切断されていたら残っているはずのない絵の具がついているという説もあります。

モナリザの絵が浮き上がったリンゴ=2008年10月20日、弘前市、戸村登撮影
モナリザの絵が浮き上がったリンゴ=2008年10月20日、弘前市、戸村登撮影
ところが最近邦訳された、セシル・スカイエレーズ同館学芸員の『モナリザの真実』によると、絵はポプラ板に描かれ、側面には切断されていたら残っているはずのない絵の具が、「鶏のとさか」のようにこびりついていたという。つまり「『モナリザ』が切り刻まれたということはあり得ない」ことになる。
2005年5月6日:(縦横コラム)深い謎 「モナリザ」は切断されたか :朝日新聞紙面から

そもそも未完成?

 実は未完成という説もあります。レオナルド・ダビンチが死ぬまで絵を手元に置き、描き続けたからです。また、依頼者や描かれた目的についても多くの不明な点が残っています。

テレビでは常連の名画

 謎が多いだけに、テレビにはたびたび取り上げられています。9日の放送だけでなく、2005年3月には、「超時空ミステリー! 世紀の天才 ダ・ヴィンチ 最大の謎と秘密の暗号」(フジ系)で、「ニース版モナリザ」と呼ばれる絵が紹介されました。

 同じく2005年3月に放送された「ビートたけしの歴史的大発見 名画モナ・リザはもう一枚あった!」(日本テレビ系)では、同じ作品について「レオナルドの弟子たちが模写したと考える方が妥当」という専門家の声を紹介しました。

 2006年4月の「迷宮美術館」(NHK)では、俳優の段田安則、住吉美紀アナウンサーの司会で、「モナ・リザ」の技巧が紹介されました。

 2008年11月の「ザ・ベストハウス123」(フジ系)は、モナリザの表情が、なぜ謎めいて感じられるかを、脳科学者の茂木健一郎氏が脳科学的見地から説明しました。

 2014年3月には、「ビートたけしの超訳ルーヴル2014」(日テレ系)で、大泉洋氏がルーヴル美術館の隠し通路や、モナリザの「値段」が記された文書をリポートしました。

3月12日にフジテレビ系で放映された「超時空ミステリー! 世紀の天才 ダ・ヴィンチ 最大の謎と秘密の暗号」。番組では、フランスにある「ニース版モナリザ」と呼ばれる絵を紹介。所有者は「レオナルドが描いた作品かもしれない」と語った。
 ところが同26日に日本テレビ系で放送された「ビートたけしの歴史的大発見 名画モナ・リザはもう一枚あった!」では一転、同じ所有者が、「レオナルドの弟子たちが模写したと考える方が妥当」と答えた。
2005年4月20日:モナリザ、尽きぬ謎 くすぶる「複数存在説」:朝日新聞紙面から
ダビンチ作「モナ・リザ」の技巧、ピカソの作風の変遷、ダリの不思議な作風の秘密……。名画に秘められた謎や数奇な運命や傑作を生み出した巨匠たちの苦難のドラマを、クイズ形式で紹介する。俳優の段田安則、住吉美紀アナウンサーの司会で、ゲスト解答者が作品を鑑賞しながら謎を推理する。
2006年4月14日:(週間SHOW待席)NHK総合「迷宮美術館」 名画が秘めたドラマ紹介:朝日新聞紙面から
荒俣は「全体の印象はダビンチっぽいが、細部がずさん」と首をかしげる。仏最高裁の公認鑑定士ら専門家への取材で新事実が浮上。世界的権威のダビンチ博物館館長は、どんな判定を下すのか。
 謎解きが進むにつれ、出演者がいっそう真剣になっていくのに感心した。モナリザの表情が、なぜ謎めいて感じられるかを、茂木が脳科学的見地から説明した理由が興味深かった。
2008年11月26日:(試写室)ザ・ベストハウス123 ダ・ヴィンチ幻の絵画? 真実求め謎解きの旅:朝日新聞紙面から
井上真央は美術評論家とともに、作品に描かれている食べ物や動物に着眼して楽しむ。池上彰は同館の世界戦略を、アラブ首長国連邦の首都に建設中の「ルーヴル・アブダビ」から解説。大泉洋は隠し通路や、モナリザの「値段」が記された文書をリポートする。
2014年3月18日:(試写室)『ビートたけしの超訳ルーヴル2014』 世界の至宝、解釈は独自に:朝日新聞紙面から

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